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緋の月27日
終戦一ヶ月。相変わらずインドラはやばそうである。
確かに、インドラにとっちゃ、上司と元上司の喧嘩なわけだし。考えてみただけでも疲れるわな。
とはいえ、どうもそれだけじゃなさそうなのでアナンタん家に拉致って酒を飲ませてみる。
案の定、あの異様なほのぼのムードに油断したのか、心労がたたったのか、いろいろ話してくれた。
オレも知らない過去の話とか、デーヴァに来たときの話とか。
どうもシヴァとは長い付き合いなだけではないらしい。
あまり細かく書いても、こっちが暗くなるだけなんでやめとくが、早い話、一種の操り人形みたいなもんだったそうだ。
意識は生きたまま、やりたくないことをいろいろやってたらしいんだが・・・そんなの1万年近くやってて、よく生きてたよなあ。
って、死ぬことすらできなかったんだから生きるしかないけどな。確かにある意味拷問だわ。人生にも疲れるだろうさ。
とは言ってもだ。インドラの野郎、下手に悟ってるもんだから、妙にあきらめてて胸クソ悪いったらありゃしねえ。
暗いんだよ、おめーはよ!!
まだ「昔のお前はどうしちまったんだよ!?」とか無駄に叫んでたどっかのガキのほうがマシだぞ!
ちょっとは足掻いてみろっての!
って、まあ、「もうやってみた」って言われりゃ、それでおしまいなんだけどね・・・。
なにはともあれ、今は肉体的に縛られることは無いから、そんなことも無くなるだろって、
そんな感じのことを言ってやったらなんか安心したらしい。まったく、世話のかかる奴・・・。
結局、インドラが寝たあと、いまいちテンションの上がらないオレがアナンタに愚痴り倒したのは言うまでもない。
あー、まずい酒だった・・・。
緋の月8日
戦争がおわってから、こちらは結構物騒になった。なにしろ調和神、破壊神、共にこっちにきたわけだからな。
さすがに戦争に発展はしないものの(誰も死なないからキリがないしな)、相変わらずあの2人は仲が悪いらしい。
朝の散歩で顔を合わせるたびに壮絶な口論が始まるそうだ(インドラ談)。
とはいえ、ヴィシュヌもうちの神さんも、これを結構楽しみにしてるらしくて、インドラはかなり困ってるらしい。
この調子だと、ビカラもかなり参ってるんだろうなぁ・・・。只でも顔色悪いのに。死ぬなよ(笑)。
というわけで、近日第1回幹部相談会(てか飲み)を企画中。久々に笑える話が聞けそうだ・・・。
紺の月20日
下界の戦争も一段落。
特攻まがいに異動宮に攻め込んだ八部衆ご一行は見事に破壊神を成敗。
とりあえず天空界は平和になったらしい・・・。
とはいえ。オレ的にはたいして変わってないんじゃないかって思ったり。
確かに戦乱の世は終わったが、肝心の黒のソーマは健在なわけだからね。
(実際にオレが持ってるんだからこれだけは確実)
このままだと、いつかまた第2のシヴァが現れて同じことがおこるんじゃないのかね。
・・・って、オレがそうあって欲しいと思ってるだけか?
紺の月19日
一日置いてアナンタん家に行ってみたんだが、なんだか嫁がよそよそしい。
聞いてみたらどうやら一昨日の飲み会でぶっちゃけたことを全部覚えてるんだそうな。
しかし、何をぶっちゃけたのかについてはどうしても口を割らない。
しょうがないから嫁を人質にとってアナンタを脅して吐かせてみると衝撃の事実が。
この嫁、大戦時には天空殿で女官をやってたらしいんだが、実はその女官共の間で
ひっそりとファンクラブブームがあったらしい(今もあるらしいけどな)。
んで、そのターゲットは八部衆とか、十二羅帝の連中とか、いろいろあったらしいんだが、
なぜかオレもその中に含まれてたらしく。嫁はその物好き同盟の一員だったそうな。(笑)
んで、そのひっそりとした活動をしてるうちにいきなりオレが反逆してショックを受けて(・・・)、
神将看護みたいな感じで前線にでたら、これまたオレ(っていうか3人だけど)に遭遇して、ここに来るに至ったんだと。
というわけで、一昨日のは2つの意味での「青春をかえせー!」だったらしい・・・。・・・オレのせいなのか!?
しかし、このあとやけっぱちになった嫁が教えてくれたことのほうがショックだったり・・・。
実はあのころ、密かにオレとアナンタがアヤシイって噂があったんだと。
・・・直接天空殿を襲撃してやるべきだったか・・・。
紺の月17日
今日は昼までアナンタん家で酒盛り。いや、正確には朝方までか。
昨日の夜遅くからはじめて、最初は無理やりつれてきたインドラと、愚痴大会をしてたんだが、
アナンタの嫁が途中参加してから場は異様な盛りあがりをみせる。
おかげでこの辺からあまり覚えてないんだが、たしか無意味に「創造神がなんだー!」とか、
「過去の宿命がなんだー!(インドラ)」とか、「青春を返せ―!(嫁)」とか、叫び散らしてたような気がする。
インドラはいろいろあったみたいだからわかるとしても、嫁は・・・誰にいってるんだ?(笑)
その辺を聞いたような気がするんだけど、忘れた。まあ、いいや。
んで、結局朝方まで飲んでて、全員つぶれて、昼まで寝てたらしい。(アナンタ談)
起きたらインドラはもう帰ってたんで、まだ寝てる嫁はアナンタに任せてオレも帰ってきた。
いやはや、酒はいいね。なんだかすっきりだ。
紺の月16日
今日は日が暮れてから、アカラナータと酒盛り。っていうか、ほとんど奴が飲んでたんだけど。
結構前に、こいつだけいったん下に戻ったみたいなんだが、
そのときに、創造神のシャクティを継承した修羅王にぼこぼこにされたらしくて、まだ根にもってるらしい。
もう、愚痴るわ、飲むわ、吐くわ・・・まったくえらい事に。
お前なぁ、ある日突然昔のことを思い出して、まるで昨日のことのように改めてキレる癖、治したほうがいいぞ・・・。
それで龍王のことも1万年ひきずったんだろ。体に悪いぞ、いいかげん。
・・・大体な、たとえシャクティのみとはいえ、創造神に勝とうと思うほうがまちがってるんだって。
それに、修羅王だって(別に俺が負けたから言うわけじゃないけど)結構いいセンスもってたと思うしよ、
相手が悪かったってことでなんとかなんないのか?(ならんのだろうなぁ)
そんなことを思いながら奴が水のように酒を飲み干していくのを見てたら、例の5人組が登場。
トライローはもう寝てたから俺だけで対処するのかとひやっとしたんだが、
幸いにも半分酔いつぶれてたアカラナータの意識がまだ生きてたらしく、全員相手してくれた。
酒瓶(中身あり)で次々と奴らをぼこっていく姿はもう壮観だったな〜(笑)。
その後、奴はその酒瓶を持ったままキレた笑い声を響かせながら外にでてって、朝6時現在、まだ帰ってきてない。
多分、インドラんとこにでも殴りこみにいったんだろう。・・・合掌。
紺の月16日
下の戦争もいよいよ佳境。相変わらず展開の苦しいデーヴァ共は異動宮に特攻をしかけるみたいだ。
1万年前の大戦時とほとんど同じパターン。まあ、今となっちゃどうでもいいんだけどね〜・・・。
しかし今だに例の金ぴかのシャクティをみると胸クソ悪くなる。
っていうか・・・なんだね。オレが今までやってきたことはいったいなんだったんだろうねぇ・・・。
オレがどんなにいろいろがんばっても、神さんのシャクティの前には無力ってことか?
結局は生まれと宿命と、・・・あと何だ?才能?それが全てってことか?
よりによって17だか16だか、そんなガキにだなぁ、このオレ様が・・・って、うわ。
なんかブルーになってきた・・・。こんなときは酒だ、酒!!
紺の月4日
恐れてたことがついに現実に。
今日、起きたらアカラナータが俺のプロレス雑誌を読んでて、面白そうだからやってみようと言い出した。
・・・嫌な予感がしたんだよ。大体、その雑誌もベッドの下に隠しといたもんだし。
まあ、プロレスだから、ソーマ系一切抜きだし、大丈夫だと思ったのが間違いだったんだ・・・。
大体、力技で奴が俺に勝てることはほぼ無いわけで、そんな無謀な勝負を奴が挑んでくるわけが無い。
本当は、最初からプロレスなんかする気はないんじゃないのか。
そんな考えがよぎったときに、奴の蹴り技中心の戦闘パターンに思い当たる格闘技がひとつ。
・・・多分、テコンドーだ・・・。
とはいえ、何故テコンドーなのか、どこからそんな知識を仕入れてきたのか、さっぱりわからない。
多分人間界で、んでこいつの行きそうなところだから多分日本で、これだけテコンドーの高度な連続技が見られるところ。
いろいろ考えて、ふと候補が思いついたところで、奴が俺の考えを見透かしたようににやりと笑った。
一瞬飛び下がって、それから飛び込んできたかと思うと全身に無数の蹴りを叩き込まれ、三連発のサマーソルトキックで終了。
あまりの速さに当然ガード不可な俺は、軽―く宙を舞って倒れたんだが、そんな俺を踏みつけて、奴は自慢気に一言。
「K.O!Perfect!!」
・・・絶対、格闘ゲームだ・・・。
紺の月3日
今日は雨。なので、だらだらと家の中ですごしてみる。
筋肉痛は全快、体調はまあまあなんだが、いつもこういうもんの直りは早いほうなので、
昨日の整体が効いたのかどうかは不明。
他の2人は寝てて、妙に暇だったので相変わらずベッドの下で蠢いている触手共をいじってたんだが
奥のほうになんか紙の束が。どうも雑誌らしいので見てみると月間プロレスなんたら、と書いてある。
あまり興味は無かったんだが、パラパラめくってると、なかなか面白いものが見つかった。
・・・「ヒールホールド」とか、「アームロック」とか・・・たしかこんなの昨日かけられたっけなぁ。
午後から人間界に出張。・・・いやいや、明日が楽しみだ・・・。
紺の月2日
今日はなんだか楽しかった。
というのも、うちの居候が珍しく静かで、聞いてみると筋肉痛なんぞになったらしい。
まあ、十二羅帝相手に一戦やったというから、それなりに納得できるんだが。
まったく、大戦時には考えられんことだよなぁ。・・・強くなったもんだ。うちのリーダーも。
んでもって、本人があまりにショックを受けてるようなので、(効くかどうかはしらんが)最近はまった整体の実験台にしてみる。
最初は普通にやってたんだが、なんだか痛そうなので(まあ、筋肉痛なんだから当然だが)だんだん面白くなってきた。(笑)
んで、故意的に痛そうな方法を試してみたり(TVでやってた激痛なんとかってやつ)、どさくさにまぎれてプロレス技をかけてみたり
(地味な固め技をね)、いろいろやってみたんだが・・・あいつ、我慢に必死でマジで気づかんしなぁ(笑)。
いいかげん目がやばくなってきたので勘弁してやったんだが、いやー、楽しかった。
ありがとう、十二羅帝!!
紺の月2日
昨日の無茶がたたってか、全身筋肉痛に見舞われる。
筋肉痛なんて、前はいつなったか覚えてないぐらい、なったこと無いのになぁ。
ああ、ショック。んでもって、ついクンダリーニに愚痴ったところ、最近はまってるらしい整体治療とやらをかけられる。
しかし、妙に荒療治で・・・はっきりいって、死ぬほど痛い。ついでになんの因果か古傷までぶりかえしてさらに痛い。(涙)
とはいえ、奴にそう言うのも嫌なので必死に耐え、半分気が遠くなったところでようやく終了。(最近こんなんばっかだな)
・・・これ、効いてなかったら許さんからな・・・。
紺の月1日
月が変わって、ケンカも落ち着いて、久々に素敵なお目覚め。んー、これだよ、これ!やっぱり朝はこうでないとな〜!
んで、調子にのって珍しく街道を散歩してたら、アスラ側12羅帝の連中とインドラとのヴィシュヌ争奪戦にまきこまれる。
あいつら、こっちにきてから、ヴィシュヌを目の敵にして追いまわしてるんだと。どっかで聞いた話だなぁ・・・。
んでもって、本当は道端に隠れてるだけで解決するはずだったんだけど、
突如現れたトライローのせいで奴らに見つかって、オレは見つかった責任とかでなぜかインドラを手伝ってやることに。
・・・なあ、12羅帝4人相手にするって・・・どうよ・・・?
まあ、連中はあくまで「八部衆にやられた連中」ってことで気を取り直して、死ぬ気でどつきまわしてどうにか撃退。
インドラ、お前やっぱり強いわ・・・。
というわけで、12羅帝最強の実力を垣間見て、ちょっと今後の付き合いを考えんといかんかなー、なんて思った今日この頃でした。
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