天霊界日記 〜過去ログ編〜


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紅の月21日
・・・クリスマスである・・・。
絶対オレらには関係の無いはずのこの日、人間界とトライローは妙にもりあがる。
去年は辺に茶化して、年明けまで人間界に置き去りにされたっけ・・・。
今年は・・・あー、どうすっかなあ。
答えもでんまま、夜になって、トライローに人間界に引きずりこまれる。
かといって、なにもやることは無いので延々と歩くしかない。
・・・ていうかよ、楽しいか?このカップル群生地の中。べたべたべたべたくっつきやがってよ。
というわけで、トライローにも散々愚痴ってやったんだが、負けじと反論するヤツがふと。
なんつーか・・・すんげえ寂しい顔をしやがってだな・・・。
・・・いかん。1万年前にキレイさっぱり捨ててやったはずの何かが・・・。
頭ががーっと白くなって、気が付いたらヤツの腕をつかんでなんかのタワーの上に立ってた。
いや、しらねえけどよ。好きなんだってば。高いとこがよ。
んでもって、なんらすることも無く、展望台の上に2人で座ったままぼーっと空を見る。
夜が明けてきたところでさくっと戻ってきたが、道中トライローがやたらと腕に絡んできて気持ち悪い。
しかも妙に満足気だ。わかんねえ・・・。
んでもって、今日に限ってそれを振り払う気がおこらない。こっちもわかんねえ・・・。

紅の月2日
2日目。寝たきり生活にもすでに飽きる。
例の温泉にでも入ってみようかと思ったが、部屋を出ようとした瞬間に
トライローとはちあわせ。一緒に入ろうと誘われて行く気0に・・・。
いや、なんと言われても、絶対入らねーからな!!オレは!
んで、その場の流れでもう一回寝たものの結局真夜中に起きるハメに。
クンダリーニも熟睡してるようなので、今度こそ露天風呂へゴー。
夜中3時ともなれば誰もいねえし、一人で雪見&月見で一杯しつつ風呂につかってみる。
天空界と違った景色でなかなか良いなあ、と思う一方、なんからしくねえような気がしてみたり。
そういえば、こうやって景色とかをのんびり眺めるのっていつ以来なんだろ??
そんなこと考えながら満月を見てたら、なんだか吸い込まれそうな気がしたり、妙に昔のことを思い出してみたり。
すっかりたそがれてたら、後ろに気配。
反射的にどついたら寝てたはずのクンダリーニが顔を押さえてうずくまっていた。
・・・ううむ。見られたかも。
ああ?何がってそりゃ・・・あれだよ、アレ。
追い出されるのも気に食わんので、こんなこともあろうかととっておいたバスタオルを肩からかけて対策。
結局2人で何を話すでもなくまったりつかるが・・・なんだかなあ。
ヤツも同じ事を考えたらしく、どちらからともなく部屋に帰って即寝る。
ふう。

紅の月1日
トライローの企みにより、温泉旅行に。
いや、なんというか、アカラナータと一緒に風呂にはいりたいんだと・・・。
なので、旅館は混浴風呂のあるところをチョイス。
トライローの言うがまま(早く片付けてのんびりしたいし)、風呂を勧めてみるも、
ヤツはまったくその気なし。だよなあ。そういうと思ったよ。
というわけで、風呂酒で泥酔したトライローに死ぬほど愚痴られた。助けてくれ・・・。
とはいえ、朝一にはいった露天風呂が最高だったので、プラスマイナス0ってところだ。
明日は平和に済みますように・・・。

紅の月1日
なんの因果か3人で温泉旅行中である・・・。
やることはクソ寒い山の中に出かけていって、旅館に泊まって風呂に入る。
ただそれだけ。何が楽しいんだか・・・。
一日目はとりあえず腐るほど寝る。ラッキーなことに夢は見なかった。
あー、楽しい・・・。


緋の月16日
ようやく天霊界復帰。いや、その理由は良くわかんないんだけどさ。
まあそれはおいといて、約一週間ぶりのシャワーはもう最高!!!
やっぱりお風呂はこうでなくちゃ!
あまりの嬉しさにあーちゃんも誘ってみるけど、当然のように断られる。
なによ〜〜〜〜〜。いいじゃないよ、そのぐらい!!!
絶対一緒にはいってやるんだから・・・。

緋の月16日
トライロー復帰。
というか、復活3日目にしてようやく二日(?)酔いが醒めたアカラナータが
あの妖精野郎を脅して戻させたんだけどな。それがなかなか凄かったんだよ・・・。
アイツ、初っ端から奴をしばき倒してたんだが、奴もなかなかクセモノでなぁ。
結構ねばってたんだよ。そしたら。アイツがすんげえ怖い顔でいうんだ。
「あの女になんかあってみろ。オレはお前を一生ぶっ殺しつづけてやる」、ってよ・・・。
んでもって、俺が言うのもなんだが、アイツがああいう顔をするときは本当にやるよ、って
追い討ちかけてやったら、ようやく妖精野郎も納得しやがった。
いや、本当にやるんだけどな・・・あいつは・・・。
で、トライローがようやく帰ってきたんだが、あの発言はアイツ的に失言だった
らしいので、きっちり口止めを食らう。
いやいや、言えねえよ。だって俺があぶねえもんよ・・・。

緋の月13日
アカラナータが帰ってきた。
ていうか、その方法がなんつうかなぁ。
あいつ、禁酒生活に耐えかねたらしく、あちこち酒を求めてうろついてたんだが、
天空殿でインドラの隠し酒を発見したらしくてだな。
喜び勇んで瓶1本あけやがったんだが、天空殿から帰る途中でぱたぱた飛んでるのがいきなり落ちて、
ぴくりとも動かなくなって・・・。ふと思い立って俺が戻ってきたあの草原に行ってみたら、
ありえねえぐらい白ーくなってる奴が転がってた。
近づいてみたらまだべろべろに酔っ払ってたんだが、なんかぶつぶつ言ってる。
耳をちかづけてみたら「ありえねえ・・・」って。
そうだよなあ。ありえねえよなあ。瓶一本で、中毒死しねえよなあ。・・・人間サイズなら。
自分の体重の何倍も酒のんだら、そりゃ死ぬぞ。馬鹿。
てなわけで、そんな馬鹿は今、後ろのベッドで寝込んでいます。
しばらくは起こすまい・・・。くわばらくわばら。

緋の月12日
帰る方法(というか昇天方法?)を延々考えすぎて胃が痛い。
主食らしい果物にもいいかげん飽きた。
ていうか酒飲みてえ。マジ飲みてえ。
というわけで、とりあえず龍王宅へ。台所で酒を発見するものの、
手がないので栓が開かねえ。散々格闘した挙句、瓶を叩き割って中身を確認。
・・・辛っ!!!辛すぎ!!!
というわけで、オレ様の口には合わないので却下。
いい酒ねえのか〜〜〜〜!?
とりあえず明日は天空殿の食堂にでも。

緋の月9日
クンダリーニご帰還・・・。
いや、帰る方法がわかったのはいいんだけどよ。
どうもいっぺん死なんといかんらしい。冗談じゃねえよ!!!
大体、コウモリの死に方ってなんだ!?なんかに食われるのか!?
・・・とかいってたら、トライローが「食べちゃいたいv」と地面にガリガリ。
うるせえよ。
あ〜あ・・・。どうしようかなあ。

緋の月9日
いいかげん手足が欲しい今日この頃、いかがお過ごしですか?
・・・ってたそがれたい気分だ。
なにしろ、俺だけ飛べない。ということは大抵置いてけぼり。
かといって、掴んでいってもらうとなんだかそのまま巣で食われそうで怖い。
どうやったら帰れるんだろう・・・。
とか思ってた今日。3人で談合してたら、人にでくわす。
白髪の爺さんだったんだが、なんだか縁起の悪いものをみたような目が頭に来る。
3人でガンつけてたら、爺さんが一緒にいたガキに講釈をたれ始めた。
なんだか、蛇とコウモリと翼竜(・・・)が一緒にいると悪いことがおきるんだと。
しかもその由来は一万年前の大戦時の悪魔がどうたらこうたら・・・。
ああ、思いっきり思い当たることがありますな!
爺さんの話に納得したらしいガキが石を投げてきやがったので、とりあえず3人で
襲い掛かってみる。ちょっとしたパニックになる。ああ、楽しい。
なんて調子にのっていたら、騒ぎを聞きつけたらしく女が走ってきた。
あー・・・どっかで見たような・・・と思ったらその女がおもむろにタントラを唱えだしてだな。

「那羅無双華!!!」

飛べる2人は空に退避。で、取り残された俺の目の前には超高密度のソーマ弾が・・・。
で、気が付いたら草原の中に倒れていた。どうも天霊界に戻ってきたらしい。
・・・死なんと戻れんのか・・・。
とりあえず、アノ2人がどうするのか、某覗き穴から観察だ。

緋の月8日
天空界生活3日目。
夕方うろうろしてたら、いきなりどでかい翼竜に追っかけられる。
空にはいろいろ飛んでるのに、何故かオレだけピンポイント。
ていうか、いくら天空界でもこれは無しだろ!翼竜なんて見たことねえし、オレ。
幸いあっちは小回りがきかない様子だったので、しばらく逃げ回りながら
考えてたんだが、ようやく結論にたどりつく。
下に降りてみると奴も降りてきて、地面になにやらがりがりと。
「やっほう。あーちゃん元気でやってる?」
・・・やっほうじゃねえよ。
そう。降三世明王のシャクティはそんな感じの生き物だと聞いたことがある・・・。
昔々の豆知識がここで役に立つとは。
なにはともあれ、翼竜とコウモリでは話が通じないので筆談。
翼竜とコウモリが地べたでガリガリ・・・。なにやってんだかよ。
とりあえず、奴も同じような経緯で天空界にきたらしい。
どうやって帰るんだろうなあ、なんて話してると、背後から絶対猛毒もってそうな蛇が。
そいつもまた尻尾でがりがり・・・
「やっほう。」
・・・はい、獣牙3人衆復活ー。って全然うれしくねえ・・・。
暗くなって周りが見えねえとトライローが言うので何故か野宿。
早く帰りてえ・・・。

緋の月7日
念願の(・・・)天空界生活2日目。
とりあえずコウモリだけに太陽が目に染みる。
んでもって、こんな日に限ってやたらと晴れてるので、夜まで待って行動。
しかし、夜に龍王を覗きにいくのは必然的に夜這チックになるわけで・・・。
うげ。言ってて気持ち悪い。やめやめ。
気をとりなおして。なんか知らんうちに龍王は女ができてたらしい。
なんと言うか・・・地味な女だねえ。いや、トライローが派手なだけか。
なにはともあれ、奴らがいちゃついてるのを見てるのもなんなので、とっととずらかる。
あ〜あ。こんな体じゃなきゃ、家にソーマ弾ぶちこんでやるのによ・・・。

緋の月6日
今日、散歩してたら龍王が。
ついにくたばったかと喜び勇んで挨拶代わりに一髪なぐってやったらなんだか様子が妙だ。
オレのこともしらんみたいで(それはそれでムカツクが)、ひぃひぃ叫びながら逃げ惑うときたもんだ。
そういえば格好も妙だし。
殴る手を休めて観察してたら奴が名乗りやがったんだが、・・・「キムチの精」?
なんだそりゃ。人を馬鹿にしとんのか。
当然たこ殴り再開となるわけだが、奴が妙なことをいいだした。
少しの間ではあるが、天空界に戻せるらしい。
そりゃー、あっちにいけるんならこんなとこで燻る必要もなし。
直接龍王をぶん殴れるんだからちょうどいいけどよ。
・・・なーんて奴の口車にのったのが大間違いだった・・・。
妙な掛け声と効果音と共に天空界にいけたのはいいんだ。
動物になるなんてオレは聞いてねえぞ!!!しかもコウモリってなんだ!?
ああ!?シャクティ!?・・・・・・ああ、そうですか・・・。
とりあえず、逆さになっても頭に血は上らんみたいだぞ・・・。


紺の月17日
・・・やっちまった・・・。
あれから、結局まったく寝れなかったんだが、昼にアカラナータがやってきて、
ちょっかい出されたもんだからついつい暴れてしまった。
それからのことはあまり記憶がはっきりしないんだが、こう、なんだ、奴とやりあってるうちに、
俺の斧でアカラナータの腕がばっさりと・・・そう、半分ぐらい・・・。
もう一気に血の気がひいて、今までの気分がどこへやら。
とりあえず土下座。今考えたら奴が即なにかしてくるわけは無かったんだが、もう土下座。
なんというか、見てはいけないものを見たような気がして、顔があげられなくて・・・。
どのぐらいそうしてたかなぁ。思い切り尻を蹴られて、顔を上げたところで10発以上殴られた。
そのあと、奴はなにやらぶつぶついいながら去っていったんだが、どうも、わざと当たったらしい・・・。
それってよ、俺が悪いのか!?10発も殴られるぐらい悪かったのか!?

紺の月17日
クンダリーニ、暴走〜。てなわけで、一騒動。
今日、相当暇だったのでクンダリーニん家に行ってみたんだが、
あのヤロウ、真昼間からベッドに潜り込んでやがる。
まあ、その時点でちょっとおかしいとは思ったんだが、案の定訳あり。
たまーに起こるんだ。こういうの。黒のソーマが元気になりすぎると、破壊衝動がすごく大きくなる。
オレは慣れてるから、適当に暴れて発散してるんだが、奴は我慢するタイプだしなあ。
今回も我慢して、結局爆発しちまったってとこだろう。多分。
とにかく、その時はそうだとはわからなかったから、冗談のつもりで布団の上から肘鉄を
いれてやったんだが・・・あのヤロウ、全力で殴ってきやがった。
おまけに、その後ドデカイ斧まで持ち出しやがるし。おいおい。
んでもって、なんか目がいっちゃってるしよ・・・。
とりあえず、家の外にでて奴の相手をしてやったんだが、おさまる気配はまったくなし。
それどころか、奴の攻撃を流せば流すほど、逆上して状況が悪化してるような気がする。
・・・いっそのこときれいに吹っ飛ばしてやろうかと思ったんだが、なぜか気が咎める。
しょうがないから、正面から一発まともに付き合ってやることにした。
しかし、あの斧が結構クセモノだった。なにがって、とりあえず張っといた結界を貫通しやがった。
勢いに任せてぶっ飛んどいたからよかったのものの、踏ん張ってたら腕もっていかれてるよ。マジで。
結局、オレの左腕はザックリ。まあ、予想はしてたけど、やっぱりいてえ。
ふっとんだ後に起き上がってみたら、クンダリーニは我にかえったらしく、土下座してあやまってた。
まあ、落ち着いたんだからそれはそれで、体張った甲斐はあったんだが・・・やっぱりむかつくので一発殴る。
いや、2発だったか?3発だったかも・・・。まあどうでもいいや。
ちなみに腕は10分で完治。便利だ…。

紺の月16日 ・・・マズイ。大変マズイ。
今、布団に潜って気を紛らわすためにこれを書いてるんだが、とにかくマズイ。
なにがマズイのかというと・・・なんというか、気分が落ち着かない。
とりあえず、そこらへんの物を全てぶち壊してしまいたい。
そんな気分だ。とにかく、じっとしていられない。
俺の記憶が確かなら、大戦時に、こんな気分になったことがあったような気がする。
マズイ。マズイぞ!このままだと、きっと暴れだしてしまう!
・・・とりあえず、無理やりにでも寝よう。きっと明日になればこの気分も落ち着くはずだ・・・。

紺の月11日
今日は最高!
アナンタのところに御飯を食べにいったんだけど、その帰りに、変な奴にあったのよ。
アーちゃんは知ってたみたい。摩利支天って言ってた。そういえばいたわねえ、そういうの。
で、そいつがね、友達に好きな女の子をとられそうだ、って飲んだくれてた。
面白そうだからちょっと煽ってみたら、なんか乗り気になっちゃって、面白そうだからアタシも
ついていったんだけど、もうなんというか、墓穴掘りっていうの?楽しいったらありゃしない。
前アーちゃんが通ってた穴があるんだけど、あそこからそのお友達の様子を見てみたら、
お目当てらしい女となんだか深刻な雰囲気。それもそのはず、正式に告白しようとしてたみたい。
なんかすごい真面目君でさ、かってにヒートアップしてテーブルをバンっとたたいて立ち上がったのよ。
そしたらそこへ摩利支天君の祟りが炸裂。テーブルの足がバキっとおれて、真面目君は女の子のほうへ
つっこんじゃって。どうも女の子のほうも真面目だったのね。びっくりして即ビンタよ。いたそう。
で、そこまでなら普通の展開なんだけど、なぜかその後、2人はしんみりして摩利支天の話を。
2人とも、彼の知り合いらしくて、ちょっとそれを気にしてたみたい。
だけど、女の子が「真面目君と付き合うんだったら摩利支天君も納得してくれる」みたいなことを
言い出しちゃって、真面目君のやる気も復活。祟りのおかげでかえって雨降って地固まっちゃったって感じ?
っていうか、摩利支天君、あんた完全にふっきられてるわよ。
んでその摩利支天君はといえば、半泣きで穴にしがみつき「れんげちゃ〜〜〜ん!」。
ふふ。可愛いvvv
彼の涙はしばらく止まりそうになかったので、ほっといて帰ることに。
アーちゃんが起きてたので、事の解説のついでに「れんげちゃ〜ん」って真似しながら抱きついてみたら
すんごく薄い反応で流される(しかもローテンション)。ちぇ。なによ〜。

紺の月11日 この前遊んでやった礼とかで、アナンタんちに晩飯を食いにいく。トライローも一緒だ。
で、その帰りに街を通ったんだが、久々に奴をみかける。おんなじ声の・・・そうそう、摩利支天。
奴は異常なまでに酔っ払ってて、オレを見かけるなりダッシュでやってきていきなり泣き付かれた。
なんか、奴の親友の天王と、愛しのレンゲちゃんがとてつもなくいいムードなんだそうだ。
ああ・・・まだあきらめてなかったのね、オマエ。
いいかげん人の目も痛いので(いや、いつも痛いがな)、飲み屋に引きずっていって落ち着かせてたんだが、
トライローが「友達がいのないやつねー。祟っちゃいなさいよ!」と言うと、奴もなぜか乗り気に。
兄弟の契りも愛の前には無力・・・とかなんとか叫びながら、走っていった。
それをみて、トライローも楽しそうに走っていき、その場に残されたのはオレ一人。
・・・金はオレが払うのか・・・?
店員を脅して帰ろうと思ったが、大人気ない上に今後がやっかいだ。
考え抜いた末に、摩利支天のツケにして帰ってきた。いいよな。奴のために入ったんだし。
トライローは日が変わってから帰ってきた。楽しかったらしい。・・・合掌。

紺の月6日
・・・秋である。って、天霊界にはあまり関係ないんだが。
大体、オレが季節の話をする時ってのは人間界に降りた時なわけで。
というわけで、今日は人間界へ行った。メンバーはトライローと・・・なぜかアナンタとその嫁。
まあ、そのきっかけが人間界にいけるということが嫁にばれたからといえば、当然の事かも知れんが。
で、嫁の主張により、今回の目的は観光に。なんて言ったかなあ。クサ・・・なんとか。
下町ちっくなところに店がずらっとでてて、老若男女、多国籍な人間がごった返してる所だ。
その人ゴミに予想通り、ものの数分でトライローは不機嫌になり(いや元々不機嫌だったか)、
オレも当然やる気無しで、アナンタに愚痴りながら前方を大喜びで歩いていく嫁を眺めて歩いてたんだが、
やがてでかい寺が見えてきたところで、嫁がぴたりと足を止め、満面の笑顔でふりかえった。
「ねえねえ、見てくださいよ〜!」
どでかい声で叫ぶ恥ずかしいことこの上ない嫁と合流して指差す先を見てみると、そこにあったのは。
でかい寺とあまり関係なさそうな小さめの社。で、のぼりに書いてあるのは・・・不動尊・・・。
思わず硬直するオレを前に嫁は感激の表情で、のぼりをばしばし叩きつつ、
「ほら、これこれ!アカラナータさんのことですよね!わー、すごいですね!有名人ですね、アカラナータさん!!!」
いや・・・それ別モノだし・・・。ていうか、こういう名前ここじゃ珍しいんだから連呼すんな、連呼・・・。
案の定、周囲の視線が微妙に痛い・・・。嫁がのぼりを掴んでいる分、余計に痛い・・・。
んでもって、すんげえ恥ずかしい・・・・・・。
いっそ周囲もろとも消し飛ばしてやろうと思ったが、とりあえずその場を離れることでなんとか思いとどまる。
裏道で必死に気分を落ち着けてたら、追いかけてきたトライローに顔が赤いと絡まれる。うるせえよ。
奴には結局そのまま絡まれつづけ、機嫌は回復することもなく、家に帰る。
ああ・・・最悪な一日だ・・・。

紺の月6日
今日はアーちゃんと、龍王とそのお嫁さんと人間界にいく。
ていうか、どうしてアタシがこの2人を連れていってやんないといけないのかわかんないけど。
で、行ったのはどっかの観光地。下町な感じで、まあ嫌いじゃないけど、とにかく人が多い。
奥さんは嬉しそうにはしゃいじゃって、あ〜、かわいいもんよね。
で、うちのダンナはといえば、龍王と何か話してて。そりゃ〜気分も悪くなるわよ。
しょうがないから、通りに並んでる店を見ながら歩いてたら、いきなり奥さんが大声で呼ぶ声。
行ってみたら、彼女は道の端にある小さな社の前で妙にハイテンション。
そこにたってるのぼりを引っつかんで「見てくださいよ!これ、アカラナータさんのことですよね!有名人ですね!」
のぼりをみると漢字で「不動尊」・・・いや、たしかにアーちゃんは不動明王だけどね・・・。きっとそれ別の人よ・・・。
横のアーちゃんをみてみたら、ぽかーんと口を開けてはしゃぎまわる奥さんを見てたけど、ふと何処かに行っちゃった。
追っかけて探したら、裏道にしゃがみこんでたんだけど、何故か顔が真っ赤。
恥ずかしかったんだって。
いや〜ねえ。確かに名前はここじゃ珍しいけど、人が見てたのは、奥さんがのぼりを引っつかんでたからよ。
まったく、自意識過剰なんだから・・・。
でもまあ、うまく2人きりになれたので、茶化しつつしばらく観光を楽しんでみたり。
適当に楽しんでから、龍王たちと合流して帰る。
疲れたけど、総合的には楽しかったからいいか・・・。


黒の月1日
あーだこーだと考えること3日。空中浮遊島事件は一応の決着がついた。・・・多分。
インドラも巻き込んで、クンダリーニと3人でうだうだ話し合ってたんだが、
どうも人間界にも似たような現象があるらしく。・・・いや、島が飛んでるわけじゃないんだが。
つまり、その島がグレーの物体で出来ていることがまずいらしい。
いや、最初からわかってたことなんだが、ようするに、その島の表面に直射日光をあてなければ
なんとかなるんじゃないってことだ。
で、その解決法なんだが、インドラが言うには人間界のその現象を逆手にとって、その島を「ごく普通の」空飛ぶ島
にしてしまえばいいんじゃないかと。山は山らしく、木を生やしちまえということだ。
とはいっても、岩のようなあの島に植物なんぞが根付くわけない。
というわけで、その話は振り出しにもどったんだが、それをこっそり聞いてた奴がいたんだな・・・。
今日起きてみたら、なんだか涼しい。
外を見てみたら、あの島が緑あふれる島に変わっていた。
最初はなにがなんだかわからずに眺めてたんだが、その近くを鳥がとんだときに全てわかった。
・・・ひょいぱく。
木の間から触角が飛んできて鳥を捕獲。そのまま召し上がっていた。
ベッドをふりかえれば、妙に満足げに寝ているうちの女。
そう。灼熱の島は、なぞの植物が蠢くモンスター島へと姿をかえたのだ。
たしかに、あれなら根付きそうだよな・・・。
というわけで、めでたしめでたし。・・・なわけねえだろ。


赤の月26日
昨日はひどいめにあった・・・。まあ、自分で撒いた種なんだがな〜。
自分で片をつけたものの、落雷で半分黒焦げのクンダリーニに死ぬほどしかられる。
いや、ちょっとは冷えるかなとか思ったんだよ!ちょっとは!実際何度かは温度下がったろ!
ていうか、お前マジギレすんなよ!結構怖いんだよ!ぶっちゃけた話!!
ちなみに帰ってみたら、家は無事だった。トライローがなんとかしたらしい。
クンダリーニん家は島から遠かった為に圏外。・・・ちっ。
というわけで、今日は家で対策会議。あ〜、どうしよ。ていうか、何とかなるのか?アレ。

赤の月25日
と、無事誤解もとけたところで、今日も山登り。
とはいえ、今日も散々な目にあった。
あまりの暑さにキレたアカラナータが山に闥婆水滸輪をぶちかましたんだが(芸達者な奴だ・・・)、
山の熱でその水が蒸発して、見る見るうちに雲ができてだな、あっというまに雷雨が。
んでもって、その雨がまた蒸発して雲ができて、雨が・・・とループに入ってしまったもんだからもう大変だ。
水はゴーゴー流れるは、雷はあたり(と俺)に落ちまくるわ、なんというか、もう地獄絵図。
必死こいてなんとか島から脱出したんだが、雨が滝みたいに下に流れ落ちて大事になってた。
結局、アカラナータが裂光弾で島を吹き飛ばしてどうにかキャンセルしたんだが、ああ、もうどうなるかと思ったぞ・・・。
頼む。後先考えて行動してくれ・・・。

赤の月24日
今日もぶっ倒れたうちのリーダーに妙なことを聞かれる・・・。
「お前よ、変な気とか持ってねえよな」
おいおい、変な気ってなんだ・・・。
詳しく聞いてみると、どうも奴に危機感を持たせるような行動を俺がとったらしい。
ああ・・・たしかに思ってたなぁ。どうして男の看病してんだろうな、ってよ!
侘しさにひたっている間、奴の顔をまじまじと見てたんだろう。たしかに、怖いよな、そりゃ。
今日なんだか避けられてる気がしたのは、気のせいじゃなかったんだなぁ。
なにはともあれ、スマン。マジで。
・・・というわけで、なぜか土下座させられる。・・・なんか納得いかんのだが・・・。

赤の月24日
今日も山登り。あ?脱水?んなもん1日で治ったさ。さすがオレ。
・・・というか、寝てたほうが危険だ。絶対。
昨日無理やりクンダリーニん家に泊まりこんだんだが(いや、あの状態で帰ったらトライローに
なにされるかわかったもんじゃねえし)、やっぱり男(しかもデカイ)の看病ってのは侘しい。
とはいえ、何とか寝られたその夜だ。ふと妙な視線に目を覚ますと奴が人の顔をじろじろ眺め回してやがる。
しかも、妙に寂しそうな目で。
んでもってオレが起きたことに気づくとなにも無かったように目をそらしてだな、ちょっとため息なんざついてみたり・・・(汗)。
怖ええよ!!!何なんだよお前は!!
ていうか何か!そっちの気のあるほうか!?確かに女っ気はなかったけどよ!!!そういうことは先に言えよ!!
・・・というわけで、今日は奴との間に妙な距離があく。そう、無意識に・・・。

そうそう、謎の山のほうだが、登るにつれて温度があがり、ペットボトル片手に登っていたところ頂上付近でついに沸騰した。
結界をはっているのにも関わらずだ。ということで、今回も水分補給は不可能。さすがのオレも熱湯は飲めねえ・・・。
せっかくベッドに逆戻りしたので、これを機に今晩あたり奴の真意を聞いてみることにする。
・・・がんばれ、オレ。

赤の月23日
アカラナータに呼ばれて山登りにいく。
・・・いや、これが山なのかどうかは知らんが。空にぽっかり浮かんだ島なのだが、
とにかく暑い。しかも、山を登れば登るほど、暑さが増すときたもんだ。
もう汗腺は開きっぱなしで汗が滝のようにでてくる。
しかし、そこまで苦労して調べてみても、この島がなんなのかさっぱりわからない。
んでもって、うろうろしてるうちに今度はアカラナータが気分が悪いといいだす。
おいおい。お前はガキか。
とはいえ、よくよく見るとひどい脱水症状でちょっとまずそうなので仕方がなく引っ張って帰る。
理由を考えてみたんだが、どうもあまりの暑さで、大気中にあるはずのアムリタが蒸発(?)してしまったらしい。
おかげで、いつもは無意識にやっている水分補給ができなかったわけだ。
しかし・・・これしきのことで倒れるって、日常生活遊びすぎなんじゃねえか?
暑くて寝れねえ?ああそうですか。
とっとと家に帰そうとしたが、俺のみぞおちを殴ってまで反抗するので仕方なく家に泊める。
なるほど、お前は女王さまの看病よりもオッサンの看病を選ぶのね・・・。
奴が散々熱いとごねるので一晩中世話するが、やはりというか、当然というか、なんだかむなしい。
ああ、これが可愛い女の子だったらよ・・・(涙)

赤の月22日
今日は予告通り島探検。
・・・しかし、島に入るまえにちょっとへこむ。
なんつーか、構成物が変。岩ともちょっと違うグレーの物体がぼこぼこと無機質な凹凸を作っている。
山に見えたものも、とてつもなく高くその物体が盛り上がってるわけだ。
この異常な放熱は、この物体が太陽光で熱を持ってることが原因らしい。
というわけで、意を決して上陸してみた島はとにかく暑いなんてもんじゃなかった。
とりあえず、着地したくねえ(笑)。靴の裏融けそうだし・・・。
ざっと全体をまわってみたが、当然草木一本なし。というか、生えてた形跡なし。
山の上は行く気力がうせたので又明日。って、また来るのか?ここに・・・。

赤の月21日
人間界でひどい目に会って早5日。
年中温暖快適気候の天霊界までクソ暑くなってきて、なんだか変だと思っていたら案の定。
今日起きたら、家の近所(っていってもうん10キロはあるが)の山脈の上空に、妙な島が出現していた。
どう妙かっていうと、遠くからみると陽炎に包まれてるみたいにゆらゆらして見えるあたりが・・・。
んでもって、真下の森はしおれ気味。
つまり、あの島が異様な高温を発してるってことだ・・・。
とりあえず、朝一で烈光弾でぶっとばしてみたものの、夕方あたりには復活。
・・・ここの特別ルールも結構うっとおしいよなあ・・・。
なにはともあれ、オレ様のすばらしい朝を取り戻すため、ちょこっと調べてみるかなあ。

赤の月16日
今日は海へ行く。しかも人間界の海。
いや、天霊界にもあるんだが、女王様は常夏の海にいきたいらしい。
で、結論をいえば、最悪の一日だった・・・。
いくら水が近くにあるとはいえ、砂浜の上は砂漠も同然でクソ暑い。
その上うっかり昼寝したもんだから、しっかり焼けた。いや、それはいいんだよ。
・・・痛くなければ・・・。
生粋の天空人であるオレのお肌は紫外線にはあまり強くなかったらしい。
帰ってからもひたすら全身が痛くて、はっきりいって寝れない。
なんというか、不動明王アカラナータ、一生の不覚である・・・。
そうそう、んじゃトライローはどうなったのかというと、日焼け止めを塗りたくっていたそうで、全く無事。
教えろよ、てめえ・・・。


蒼の月14日
なんだか知らんが人間界はサッカーブーム。しかも人間界全体がブーム。
そして何故かトライローもサッカーブーム・・・。
今日は彼女の誘い(というかほぼ命令)で3人でそのサッカー観戦に行ったんだが、
集団心理とは、げに恐ろしいもので。トライローはともかく、全く興味ないはずの俺らまで大騒ぎ。
しかし盛り上がりすぎて審判の判定に気を悪くしたアカラナータがフィールドに殴りこみかけ、
そこから俺は奴の説得しかできなかった。まあ、大事に至らなくて良かったんだが、マジでひやひやしたな。
試合の結果は引き分けだったらしい(トライロー談)。
まあ、次があるのでがんばれってことで。あー…疲れた…。

藍の月28日
春である・・・。
前回の日記からすごくたってしまってるが、とりあえず結婚だけはしてねえぞ。
いやマジで。オレ、全力で阻止したし。
・・・って言っても、冗談で済んだから助かったってだけの話なんだけどな・・・。
なのでまだ同居中。いいよ、もうこのまんまで。一生、じゃなくて転生決まるまで、同居でOK。
そういえば、転生っていつどうやって決まるんだろな。ある日突然か?それはいやかも・・・。


黄の月16日
今日はホワイトデー。
アーちゃんが何でも好きなもの買ってくれるって人間界に連れて行ってくれた。
買うもの、なにも思いつかなかったんだって。
なんか高いブランド物でも吹っかけてやろうと思って探してたんだけど、そんなときにいいもの発見。
それは、ズバリ、「純白ウエディングドレス」!!!これはビックリするわよ〜(笑)。
というわけで、びしっと指差して、これが欲しいって言ってみたんだけど、今度はこっちがビックリ。
アイツ、なんて言ったと思う?しばらくアタシの顔とドレスを見比べて、「ま、いいけどよ」だって!
んでもって即日購入よ〜!(笑)
バレンタインはめちゃめちゃだったけど、今日はいい日だったわ!うふふふ。

黄の月16日
エライ事だ。いや、面白いことか?
アカラナータの奴、トライローにホワイトデーのプレゼントを買ってやったらしいんだが、
なんの間違いか、うっかりウエディングドレスなんかを買ってやったらしい。
本人に花嫁衣裳を買っているという自覚は全くなかったらしく、教えてやったら顔面蒼白になって飛び出していった。
いや、知らなかったお前がバカなだけで、龍王にはまったく責任はないと思うんだけどな。
それに、どうせ同居してるんだし、今更結婚っていったところで、たいして変わらんとおもうんだが・・・。
心境的に違ってくるのかねえ。
まあ、またしばらくはどたばたしそうな気配。とばっちりはうけませんように・・・。

黄の月16日
エライ事になった・・・。
今日、ホワイトデーってことで、トライローに人間界でドレスを買ってやったんだが、
それがとんでもないドレスだったらしい。オレはてっきり奴の趣味だと思っていたその派手なドレス、
・・・ほら、なんつーか、早い話が花嫁衣裳だったらしくてだな・・・。
どうりでヤケに高いと思ったんだよ!(いや、別に金はどうでもいいんだが)
それに奴の帰ってきてからのテンションも変だし!そういえば、白かったしな、あれ!(奴は赤好き)
マズイ。マズイぞ。オレなんて言ったっけ?「まあいいけどさ」とか言わなかったか!?
全然良くねえだろ!クンダリーニは対して変わらんとか言って笑ってるけど、絶対笑い事じゃねえ!
あー・・・、アナンタなんかに相談しなきゃ良かったんだ〜〜。
よく考えりゃ、オレが人間界のイベントに踊らされる必要はなかったわけだしよ。
・・・とにかく、これも全部アナンタのせいだ!殴る!何とかして、責任とらしてやる!!

黄の月14日
前回がひな祭りで、そろそろあの白い日で・・・。
どうして人間界にはこうイベントが多いんだ!?
そういえば一昨日見たTVでもなんかやってたな。人間界の暦で3月10日でミントの日。
・・・なんなんだそりゃ!?
いやいや、そんなことを言ってる場合じゃない。オレにはホワイトデーという一大事件が待っているんだ!
日に日にトライローのテンションは上がっていくし(オレのテンションは下がる一方だが)、
恥を忍んで聞いてみたのに、クンダリーニはにやにやするばっかだし!
だああああっ!オレはどうすりゃいいんだ!?
こうなったら頼みはアナンタだけか?行くのか、あそこに・・・うーむ・・・

黄の月6日
あいつはアホか!!!いや、バカだ!間違いなくバカだ!
昨日、目が覚めたらよくわからん格好でイスに座っていた。・・・いや、座らされていたというほうが正解か。
大体、目が覚めた理由というのも、単に息苦しくなってきたからであって、自然起床では断じてない。
よく見たら、イスから蔦が伸びてて、あちこち絡まってた。
今考えたら、それって凄くマズイ蔦だったらしいんだが、当時はそれどころじゃなかった。
瞬間的に毒だと判断して、浄化系の術思い出して、タントラ唱えて、その間数秒。間一髪だったね。
けど、かろうじて命をとりとめたものの、そこからは毒との全力勝負。
「お雛様なりきりごっこしよう」というトライローの誘いを意地はって蹴ってみたものの、いいかげん頭とか朦朧としてきて。
視界がこう黒〜くなってきたところで、ふと気づいたら必死にダッシュしてるクンダリーニの背中だった。
いや・・・さすがに泣きつきもするさ・・・。
この世のどこに、自分の女に毒盛られる野郎がいるよ?
逆に「オレ、なんか悪いことしたか?」って思っちまったさ。このオレがそう思うんだから・・・ああ、毒って恐ろしい。
結局、その日は、クンダリーニん家に泊めてもらって、今日の朝帰ってきた。
トライローは例のカッコで酒飲んでて、毒を盛った理由を聞いたら泣き出した。
うおーい・・・。泣くほどしたいのか、コスプレがよ。
とりあえず、しばらく見てたら疲れて寝たので一安心。
しかしあれだな、十二単ってのはやたらと重いな。もともと軽い奴じゃないが、さらに重かったさ。
張り切りすぎだよ、トライロー・・・。
余談だが、三途の川が見えかけてたあの時間、ずーっと流れてたひな祭りの歌がすごく気になる。
「一年中〜ひなまちゅり〜♪」ってやつ。
なんかなあ、ずーっと頭の中で流れてるんだよな・・・。

・・って、日記長え!というわけで今日はこれまで。

黄の月5日
今日はひなまつり。
とうとうトライローの計画の全貌が明らかになった。
概要をいうと、目的はとてつもなくバカらしい。しかしその方法が恐ろしい・・・。
昨日、一昨日の奴の行動が気になったので、朝からこっそり訪ねてみると、そこには世にも恐ろしい光景が。
お雛様とお内裏様・・・もとい、それらのコスプレをしたトライローとアカラナータがテーブルを囲んでいた。
しかし、なんだか様子がおかしい(とくにお内裏様)。
よくみると、お内裏様の座っているイスから妙なトゲトゲの蔦が沢山はえてて、彼をイスに縛り付けていた。
そして、そのお内裏様は異様なほどに動きが鈍い。というか動かない。
おいおい。ひょっとして・・・。
その植物が結構やばいものだと記憶していた俺は、彼女がトイレに行った隙をねらって、お内裏様を救助。
猛ダッシュで家まで逃げ帰ってからお内裏様にいきさつを聞いたんだが、その判断は正解だった。
あの植物、トゲに神経性の毒を持つ、超猛毒の殺人蔦だったらしい。
まあ、こいつの場合、並の毒物じゃ通用しないからそうなったみたいなんだが、一歩間違えたら死んでるぞ!
(いや、もう死なないけど)
・・・結局、その毒自体からはすぐ回復したものの(それはそれですごいが)、家には帰りたくないと泣き付かれたので、
泊めてやることにした。今、隣のベッドで寝てるが、どうもうなされてるっぽい。
・・・お前、苦労してるなあ。ちょっと同情・・・。

黄の月4日
最近、なんかのイベントのときしか日記書いてないような気がするなあ。
・・・まあ、毎日面白可笑しいことがあるわけじゃないから、しょうがないのかもしれんが。
これって、日記なのか?
昨日、うちにやってきたトライローが、雛人形ていう派手な人形のカタログを見ていた。
・・・ひなまつりでもやるんだろうか・・・。
先日のバレンタインが結構大変だったのに、懲りん奴だ。
んでもって、今日はどうやら人間界にいっているらしい。・・・一人で。
こういう場合、いつもアカラナータを連れて行ってるだけに、なんか気になる。
そういえば、カタログ見てたときに、なんかニヤニヤしながら草をいじってたなぁ。
・・・なんか関係あるのか?


紫の月16日
今日は決戦の日(笑)。
・・・いや、単なるバレンタインなんだが、そういったほうがいいような気がしてなぁ。
数日前からアカラナータが家でいろいろ愚痴ってたから、いったいどうなるもんかと気になって
見に行ってみたんだよ。・・・そしたら。
あいつら、もうおっぱじめてるんだもんなあ。
早朝にもかかわらず、家の外まで喧喧囂囂の大喧嘩が聞こえてくる。
あまりにもすごかったので、そのまま帰ってきちまったよ。
そのあとは、昼過ぎに愚痴りにやってきたトライローをなだめててんてこ舞い。
なんとか落ち着かせて返したけど・・・。
夜になって一人で酒のんでたらなんだかむなしくなってきた。
チョコで大喧嘩するあいつらもなんだが、義理チョコすらもらえん俺ってどうなんだろう?
ふー・・・。疲れた・・・。

紫の月15日
・・・最近憂鬱だ。いよいよアノ日が近づいてきたからである。
はっきりいって、オレはその手の類のイベントが苦手である。
あ、「嫌い」とかじゃなくて「苦手」ね。
あのワガママで恐ろしい女王様がたまーに女らしくなるんだから、それはそれで
ありがたい日ではあるんだが、どうもそのイベントの性質上、その反応に困る。
だってなあ・・・あれって、面と向かって「好き」っていってるようなもんだろう?
それに対して、オレにどうしろと??
去年の年末といい、トライローは毎度機嫌を悪くするが、自分の気持ちを主張するぐらいなら、
オレもほうの気分も考えて欲しいもんだよなぁ・・・。

紫の月13日
久々に一人で人間界に降りてみて、びっくり。
もう、バレンタインの時期なのね〜〜。
一応アタシも考えてみてるんだけどさ、難しいのよこれが。
なんていったって、うちのダーリンはとにかく反応が薄い。
どうせ、反応に困ってるとか、そのぐらいのことなんだろうけどさ。
TVドラマとか、そうでなくても一般の状況をみてると、あの態度はなーんかムカツクのよね。
・・・いや、だからといって派手に喜ぶアーちゃんなんてもっと嫌だけど・・・。
なんか、わざわざ作ったりしてる自分がバカバカしくなっちゃう。
この、「アタシ」が作ってんだからさ、そこのへんのことも察して欲しいわけよ!
あ〜・・・。今年は、どうなるんだろ・・・。ふう。

紫の月6日
・・・今日は昼までねた。ひたすら寝た。理由は昨日があまりにも最悪だったからだ。
昨日、朝寝てたらいきなりアカラナータとトライローがやってきた。
なぜか、豆を山のように持って。
んで、聞いてみたら、人間界の風習らしくて、魔よけのために豆を撒くんだそうな。
で、ただ撒くだけではつまらないということで、俺に鬼になれ、と・・・。
もちろん断った。断ったが無駄だった。奴らは満面の笑顔で(いや、アカラナータはなんかキレてたけど)
問答無用とばかりに豆を全力で投げつけてきた。
はっきりいってな、痛いんだよ!トライローはまだ普通に投げてるとしても、アカラナータ!
どうしてお前の投げてる豆は結界を突き抜けてくるんだよ!?
結局、その日はその豆から逃げることで終わってしまって、体はボロボロ、精神的にもクタクタ。
なんだか人間界の鬼とやらに同情したい気分になってきた・・・。
だれか、何とかしてくれよ、あいつらを・・・。

紫の月5日
なんだか久々の日記だ。まあ、いろいろあって忙しかったってこともあるんだけどな。
今日はとにかく最悪の目覚めだった。トライローにいきなりたたき起こされたのだ。
見てみると、奴は上機嫌で木の箱もってて、その中には豆がてんこもり。
なんか不幸をはらって幸せを呼ぶとかで、あちこちバラまくんだと。
・・・まったく。オレらが幸せ祈ってどうするんだよ。
当然乗り気がしなかったので、再び布団に入ったんだが、奴はとにかく一緒にやろうとうるさい。
それでもひたすらシカトしてると、奴がなにやらぶつぶつ唱えだした。
よーく聞いてみると、「降三世華樹操」のタントラなんだな、これが。
布団を跳ねのけて見てみたら、やつの持っている箱からは、なんだかよくわからない触手とか、
顔とかがはみ出て蠢いていた。
んでもって、信じられんことに奴がそれを握って振りかぶるではないか・・・。
で、この一言。「鬼はーーー・・・外!!!」
・・・次の瞬間、ベッドの上には豆と触手と粘液まみれになったオレがいたのであった。
あのヤロウ・・・殺す・・・。
んで結局、その日はしょうがないからそのイベントに付き合ってやることにした。
あ、鬼?・・・そんなの決まってるじゃん。


朱の月4日
いろいろ考えたが、解決策はこれしかないだろうということで、ヴィシュヌに頼みに行くことに。
奴のプライドは傷つけられるだろうが、相変わらずトライローの機嫌は悪いし、
このまま人間界においとくわけにもいかんからな。
ヴィシュヌはあっさり協力してくれて、奴をこっちに引き戻すことに成功。
初めて転生シーンをそばで見たんだが、結構大変だなぁ、と思わず感心してしまった。
トライローの逆転生とは違った感じで、これはまたすごい。
で、転生させられた当の本人はといえば、やっぱり機嫌は最悪だった(笑)。
まあ、奴としても不本意だろうから(ヴィシュヌだしなあ)、もっともなことなんだが、
さすがにあの寒い人間界でこれ以上過ごすのは辛かったらしく、帰りに一発頭を殴られただけですんだ。
ふ〜。良かった良かった。
しかし、当然の如く家には帰りたがらないわけで・・・。
せっかく手に入れた一人暮らしを失うわけにはいかんので、無理やりつれて帰ってテーブルに座らせ、
これまた機嫌の悪いトライローと和平交渉させる。
2人とも黙ったまま向かい合ってて、しばらく気まずい雰囲気が漂ってたんだが、
ふとアカラナータがトライローに投げて渡した銀色の輪っかで状況は一気に好転。
どうせどっかで盗って来たんだろうが、トライローにとっちゃどうでもいいんだろうな。そんなの。
というわけで、その小さな盗品のおかげで俺の平穏は守られたわけで。あ〜、これで本当にめでたしめでたしだ。
あとは好きにやってくれい。

朱の月2日
うちの2人が人間界に行ってから一週間。ちょっと遅いなあとか思ってたら、トライローのみが帰ってきた。
なんかあっちでまた喧嘩したらしく、ついさっきまでばたばたしてたらしいんだが、
疲れたんで帰ってきたんだと。おいおい・・・。いくらなんでも、置いてくることはないだろうよ。
機嫌がなおる気配は全く無いし、迎えに行くわけないよなあ・・・。
このまま奴をあっちに置いておくわけにもいかんし、なんとかせねばならんのだが。一体どうしたもんかなぁ。
とりあえず、アカラナータよ、あっちは寒いが風邪だけはひくんじゃねえぞ・・・。

朱の月1日
今日は人間界暦だと1月1日。正月である。
天空界と人間界の暦は微妙に違うんだが、一年の始まりだけはしっかり同じ。どうしてだろうな?
・・・って、そんなことはどうでもいい。
実は。オレはまだ人間界にいるのだ。
理由はいうまでもないな・・・。あのクリスマスの大逃走劇から結構たつが、事態は解決することもなく、
恐ろしい顔で追いかけてくるあの女から逃げ回るうちに年が明けてしまったのだ。
まあ、正月なんて腐るほど迎えてきたわけだし、そのうちの一回を寒空の下で迎えたからといって
どうということはないのだが。・・・いや、ちがうか・・・。
考えてみれば、オレの正月って寒空の下だらけだったような気がする。
大戦時はほとんど戦場で迎えてたし、そのあとは1万年近く辺境の山の中で封印生活。
唯一マシだったのはガキのころだが・・・まあ、これはいいや。
結局、今年のとそれまでのと違うのは、やってることがとてつもなくバカだってことだ(何しろ鬼ごっこだもんな・・・)。
あの殺伐とした日々も懐かしいが、まあ、こんなのもいいか、なーんて思う辺り、オレも腐ってきたのかも
しれんなぁ・・・。
と、追手が来たのでこの辺で。