天霊界日記 〜過去ログ編〜


// // / //// /緋/ 白/紅/ 1stSeason/2ndSeason/4thSeason

緑の月25日
うがーーー!
アナンタ、てめえふざけんな!勝手に人の部屋でデートしてんじゃねえよ!
そりゃ確かに何もねえ部屋だけど、こっちだってそれなりにいろいろ思い出とかあるんだよ!!
それを2人でいちゃいちゃと・・・観覧車か!オレの部屋は!
・・・とまあ、やり場の無い怒りを紙にぶつけてみたわけだが・・・。
事の始まりは、昨日寝る前にトライローが話してた「アナンタ夫妻出会い秘話」。
まあ、早い話、オレがデーヴァから離反して、ショックを受けた2人が、なんかしらんが意気投合、って
とこなんだろうが、よりにもよって、オレの部屋で語らんでもいいだろうよ。
というわけで昨日にひきつづきこれまた腹がたったわけだが、かといって「てめえ、オレの部屋でデートしただろ!」
って殴りこむわけにもいかんし、行ったところで、あのラブラブ新婚ヤロウ共に話が通じるとも思わんし。
体がめちゃめちゃ痛かったので、その場はおとなしく寝てみたんだが、奴ら、夢の中でまで出てきて
いちゃいちゃしやがって・・・(当然オレの部屋で)。
当然そこで目が覚めるわけだが、酒でも飲んで寝ようと見回したら、テーブルで寝てるトライローを見つけてしまい、
あの部屋でやらかしちゃったことを思い出してしまった。
ああ、なんであんなことしたかなあ・・・。
もう酒を飲む気力すら失せて、根性で寝込んでみたのだが、・・・寝れねえ。夢一緒だし。
コレはきっと、奴が「うちらの出会いっていつだっけ」とか訳のわからんことを言い出したせいだな。
くそ・・・。

緑の月24日
いや〜、今日はいろいろあって楽しかった〜!大変だったけどね。
まず、お昼から龍王宅でユウラちゃんとお茶会。後から(予想通り)やってきたメキラと対決。
アイツの性格上、ズバリきいても逆手に取られるだけっぽいから、まわりくど〜く探りをいれてみる。
まあ、あっちも気づいたらしくて、なんか険悪なムードになったりもしたんだけど、
ユウラちゃんが心配そうな顔しだしたので中断。ついでにうっかり、あっちもぽろりとこぼしてくれたわ。
昔から見てるから、格下の連中にボコられてるのを見るのはさすがに忍びないんだって。
龍王の話だと、どうもアーちゃんの前に不動明王やってた人と仲が良かったらしいから、
その関係で昔から結構気にしてたってことなのかしらね。
あと、何かよくわかんないけど、そう簡単に土をつけたらいかんのだ、とか遠い目で言ってたわね。
なんなんだろ?これまたお友達関係?そのわりには、自分はボコボコにしてるけどねぇ。
で、そのあとに思わぬ収穫が。
後片付けしてる時に、ふと気になってきいてみたんだけど、ユウラちゃんと龍王の出会いのきっかけって
あたしたちが離反したことなんだって。
なんでも、彼女がアーちゃんが裏切ったことにショックを受けて、アーちゃんの部屋に忍び込んでタソガレてたら、
同じくたそがれにきた龍王と出くわして、ひたすら熱く語ってる間に意気投合したとか。
・・・いや、彼女が噂には聞いてたアーちゃんファンクラブに入ってたってのがまず大笑いだったんだけど。
まあ、きっかけはともかく、無事ゴールインできたんだから、いいわよねえ。それに比べてアタシは・・・。ふう。
で、そのダンナ候補といえば、夕方、インドラにかつがれて帰ってきた。・・・シャクティ着たまんまで・・・。
なんでも、はがすと中が怖そうだから、っていってたけど、案の定、はがしてみたらなんかすっごいことになってた。
インドラの話だと、メキラと一戦やらかした後に、あの5人と暴れてたらしいんだけど・・・そうねえ。
前みたいにぶった斬られた後で暴れればねえ。こうもなるわよーーーーー!!!このバカー―!
もう、思わず頭ぶっ叩いちゃったわよ!
なんか、土どころか泥だらけだし、血どろどろだし、正直ベッドになんか上げたくなかったんだけど、
風呂なんか入れてる場合じゃなさそうだから、とりあえず一番ヤバイ所だけざばっと流してシーツでぐるぐる固定して
ベッドに転がして。
んでもって、目さまして起きようとするから思いっきり説教。「アンタ、変なくっつき方しても知らないわよ!?」
って言ったらさすがに不安になったらしくておとなしくなったから、まあコレは良かったんだけど・・・。
・・・って何が楽しかったのか、って話ね。
いや、たいしたことないのよ。完治するまでの1時間、ずーっと「あー痛てぇ」とかぶつぶつ言ってたってだけ。
でもね、昔はそれこそ、そんなことすら言ってるの見たこと無いわけだから、ねえ。
なんとなく、楽しくなっちゃったわけよ。うん。それだけ。

緑の月24日

今日、買い物帰りにアカラナータが暴れてるところに遭遇。
いや、暴れだす直前から見てたんだけどな。・・・なんかこういう現場に出くわすんだよなあ。
俺が通りがかったときには例の5人組に囲まれてて、奴は相変らず転がってて。
なんかやばそうだったから、割って入ろうとしたところで、メキラ氏に止められた。
・・・面白いことになるから見てようよ、だそうで・・・。
俺もちょっと興味があったのでそのまま見ててみた(って、アカラナータにばれたら殺されそうだ・・・)。
そしたら、ヤマンタカがデカイ声でなんか言ってる最中に、いきなりソーマ弾を飛ばしやがった。
まあ、それだけで機嫌が相当に悪いことは確かなんだが、その直後に問答無用でシャクティまで装備し、
「オレはなぁ、いまめちゃめちゃムカついてんだよぉぉおおお!!!」って、5人組に飛び掛っていくわけですよ。
なんかこう、聞きなれんタントラを叫びつつ、手から煌々と光る何かを放射しつつ。
ああ、そりゃあもう。機嫌が悪いどころの騒ぎじゃないってことよ。もうマジ切れ。そしてヤケくそっぽい感じ。
多分めちゃめちゃ痛いんだろうなあ、とか思いながら、奴がその「光るなにか」で5人組を斬り倒していく様を眺めてたら、
2人ほど斬ったところで力尽きたらしく、動きが鈍〜くなってきて。アー、こりゃやられるなあ、とか思ったところで、
突然乱入してきたインドラが、アカラナータの頭を後ろからすこーんと何かでぶん殴って、終わった。
結局俺とメキラ氏はインドラにこっぴどく怒られて(なんで俺まで・・・)、アカラナータはインドラが持って行ってくれたんだが
(俺があの場にいたことがばれたら絶対殺されるから)、あのメキラ氏の満足げな顔が忘れられない。
にやにやしながら、「そうそう、それでいいのよ」とかって呟いてるし。
全く何を考えてるのかわからんのだが(インドラもそう言ってた)、一つだけわかってることがある。
・・・アカラナータ、お前ぜったいおちょくられてるぞ・・・
そうそう、ちなみに一番おもしろかったのは、インドラがアカラナータの頭をぶん殴った謎の物体が、
夕飯用の大根だったということ。派手に折れ飛んだそれは、インドラが丁寧に拾って帰っていったが・・・食うのかなぁ、あれ。

緑の月24日
今日は最高にむかついた・・・。
いや、いつも通りメキラに喧嘩を売って、いつも通り30秒後には転がってたんだが。
その転がってる間に奴がこれまた愉快そうに話し出してだなあ・・・。
なんでも、今日、アナンタん家で茶会したらしいんだが、その時にトライローに
「アーちゃんをぼこった後に、5人組に絡まれないように見張ってくれてますか?」と聞かれたそうな。
・・・いや、奴がいくらアホだからっていっても、もうちょっとマシな聞き方をすると思うんだが・・・。
問題なのはそんなことじゃなくてだな、メキラに見張ってもらってるなんて現状なわけよ。
オレはてっきり、メキラがいなくなったところを見計らって、他の連中がきてるとばかり思ってたんだが、
全然逆って事だよなぁ。・・・それってよ、めちゃめちゃカッコワルイよなあ。そりゃもう、凄まじくよ。
というわけで、頭にきたので、メキラを無理やり追っ払ってみたところ、案の定というか、なんというか、
待ってましたとばかりに例の5人組がやってきてだな。
あのうっとおしい奴がなんか言いかけてたんだが、もう問答無用で暴れてやった。
ていうか、すっげえ痛えからヤケクソだったんだが。
なんか2人ぐらいぶった斬ったあたりで気が遠くなってきて、それでも暴れてたらいきなり後頭部殴られて、
気が付いたら家のベッドに転がってた。
なんでも、たまたま通りかかったインドラが、オレのぶちきれた形相に焦って、
殴り倒して連れて帰ってきたらしいのだが・・・。
結局、どっちに転んでもめちゃめちゃカッコ悪かったって話だ。はいはいそうですね、っと。
・・・疲れた・・・。

緑の月23日
だんだんわかってきた気がする・・・。
あの5人がメキラにぼこぼこにされた後のアーちゃんを狙ってるって話を聞いてから2週間。
奴らが現れた形跡はないんだけど。そのあたりがね、わかった感じ。
昨日クンダリーニと話したんだけど、あたしたち、メキラとアーちゃんの勝負がついてから、2分以上、
メキラがそこにいる所を見てないのよね。アタシ達がその場所に行ったタイミングにかかわらず。
それって、言い方を変えれば、メキラの立ち去るタイミングが、「アタシ達がアーちゃんを見つけてから2分以内」ってことなのよね。
ということはよ。こうは考えられないかしら?
メキラは散々アーちゃんをぼこった後で、あたしたちが来るまで、アーちゃんを見張ってる。
それは多分あの5人だったり、他のアーちゃんに恨みを持ってそうな奴だったりするんだけど、
とにかく、アタシ達みたいな保護者がやってくるまで、動けないアーちゃんをちょっかい出しそうな奴らから守ってくれてる。
あの5人が姿を表さないんじゃなくて、メキラがいるから手を出そうにも出せないんじゃないかしら?
・・・違うかなあ。
明日またお茶会する予定だから、もしもメキラがやってきたら、カマかけてみようかしら。
もしそれがあたりだったら、そんなことする理由、聞いてみたいしね。

緑の月10日
ようやく例の喧嘩がみれた〜!
・・・いや、アタシがメキラをつけまわしたんだけど・・・。
それも今日、街でたまたま会った摩利支天君にちょっと気になる話をきいたからで。
なにやら、あのバカ5人組がまたうろうろしだした、ってことなんだけど、なんか嫌な感じがするのよねえ。
たぶん、最近アーちゃんとメキラがやりあってるってのをどっかで聞いてきたのよ。
で、一戦終わった後でぼろぼろな所を狙ってやってくるつもりよ。絶対。あいつらのことだもん。
そんなわけで、ずっと見てたんだけどね。勝負としては、またまたアーちゃんの負け。
結界の上からばっさり斬られてた。ふふふ。かっこ悪いわねえ。
とはいえ、なんかアーちゃんが覚えたがるのもわかるような気がした。
なにしろ、結界で止まったような形跡がないんだもの。今回、アーちゃんが張ってた結界って目に見えるぐらいの
結構強烈なやつだったんだけど、それでも、一瞬も止まってない。ふつうは、破れるにしても、ちょっとは均衡するのよ。
絶対わけありよねぇ・・・。
で、もっとすごいのが切れ味。こっちもぜんぜん止まらないのよ。刃が通り過ぎるみたいな感じ。
斬った、と思ったら、一瞬遅れて血がばーっと出てくるの。感動しちゃったわ〜!アーちゃんには悪いけどね。
・・・で、そうそう、その決着後の話なんだけど。アーちゃんってばめちゃめちゃ機嫌が悪くて、アタシが行っても、
目も合わさないし、口もきいてくれないの。無視かと思いきや、頭に触ろうとしたら全力で抵抗するし。
しょうがないからとりあえず用件だけ伝えてみても「へえ」でおしまいだし。へえ、じゃないわよ!あんた狙われてんのよ!
ちょっと頭に来たから、蹴ってやろうかとも思ったんだけど、よくよく考えてみれば、しょうがないのよねえ。
なにしろ、肩からばっさり。つくづくお腹じゃなくてよかったなあ、と思うんだけど、とにかく、動けないのよね。
動いたら移動以前に悶絶失神確実よ。むしろ意識が生きてるのが不思議なくらい。きっと喋るのも辛いんだわ。
なので、優しいアタシは、動けるようになるまでしばらくそばで見張っててあげることにしたんだけど・・・なんかね、
ちょっといい感じ。しばらくして家まで歩いて帰ったんだけど、その間もなんかいい感じだったのよ。
別になんか喋ったりするわけじゃないんだけどね。雰囲気が。
なのに、アーちゃんってば帰ってすぐに寝ようとするもんだから、むかついて飛び掛ってみたら、
相当痛かったらしくて悶絶してた。・・・だから帰るとき、手伝ってあげようかっていったのに。バカねえ。
そんな感じで、あの5人の登場はなし。とりあえず今日はセーフってとこなのかしらね・・・。

緑の月10日
今日もメキラとストリートファイト。で、斬られる。
毎度のことながらとにかく痛い。で、さっぱり仕組みはわからない。
そういえば今日は結界が間に合ったはずなのに、あっさり貫通した。
ていうか、なんか焼ききられた感じの・・・。ジジジって音してたし。
とはいえ、奴に焼くだのなんだのっていう技はないような気もするわけで。ううむ。わかんねえ。
で、今日はそんなことはどうでも良くてだな(いやよくないけど)。
とうとうね、見られました。トライローに。ていうか、奴がメキラの周りで張ってたらしいんだが。
オレがいつも通り右のへんを斬られて草むらに転がってると、メキラが立ち去るのと同時に奴がやってきて、
「カッコ悪〜い」とか言いつつしゃがみこんで頭を触りにきやがったので、渾身の力で振り払ってみたりとかしてて。
そんなばたばたしてる中で奴がいきなり耳元で「気をつけないと狙われてるよ」・・・と。
「そりゃ絶対てめえだろ!」と思ったんだが、なんでも最近とんとご無沙汰の某5人組が、
オレがメキラに挑んで返り討ちになってるという情報をききつけてうろうろしてるらしいということで。
てなわけでトライローとしてはとっととつれて帰りたかったらしいのだが、動いたら絶対死ぬ!ってぐらいに
痛かったので、とりあえず30分ほどその場に転がってた。
その間奴はずーっと横で見張っててくれたわけだが・・・なんかこういうことって昔にもあったようななかったような・・・。
まあいいや。

緑の月9日
今日は龍王宅でユウラちゃん(龍王嫁)とお茶会。以前にアーちゃんのことで話してから、
彼女とは何故かお茶を飲むことが増えた。んー、まあ、いいんだけどね。彼女料理上手だし。お茶うけおいしいし。
最初は2人だったんだけど、霧帝メキラがやってきて、結局3人で盛り上がる。
そういえば、先々週ぐらいもこんなことがあって、確かその時はメキラがアーちゃんをぼこぼこにしたとか
なんとかって話で盛り上がったんだけど、今日もその関連話が主だった感じ。
なんか昨日もぼこぼこにしたんだって。すごく遠くから飛び掛ってきておもしろいんだけど、
その割にはこちらから様子見にいったときには気づかないって言ってた。
確かにねぇ、アーちゃんってばこっちに来てからちょっと鈍くなったわねぇ。
殺気に関しては相変らずすごいんだけど、それ以外になると意外と気づかなかったりして。
まあ、前が神経質すぎたっていうのもあるけど・・・。
アタシが頭触るとめちゃめちゃ嫌がって朝とか飛び出していっちゃうんだけど、
実は夜も思いっきり触ってること、わかってるのかしら?最近熟睡してるから?それにしてもあんまりよね。
そうそう、メキラの話だと、アーちゃんは彼の技を盗むのに必死らしい。手をじーっと見てたのってそれだったのね。
それにしても、あきないわねえ・・・。


蒼の月24日
先日からがんばってる例の技だが、さっぱりわかんねえ。
よくオレが手刀でぶった斬るときにやってるやつに似てるかと思いきや、なんか違う。
なんつうか、ある程度の威力と強度で叩き斬ることはできても、あの白いもやもやみたいに
切れ味抜群なのがつくれないんだよなあ・・・。
発想を変えるべきなのか、オレにはむいてないのか。どっちにしろもう一度見る必要がありそうなのだが・・・。
ていうか、クンダリーニをぶった斬るのが先送りになっていくのがムカツク。
めちゃめちゃムカツク。あー、もうなんでもいいからぶっとばしてえ。
そうそう、クンダリーニといえば、今日なんか「濡れ衣だ〜」って言ってきたな。
言い訳ならもっとマシなのを考えろ。バカ野郎。
てめえのせいでオレは毎朝おちおち寝てられねえんだよ!
・・・というわけで、トライローはアレが気に入ってしまったらしい・・・。どうするよ・・・マジで。

蒼の月22日
昨日の日記に書いたことだが、やっぱり大人気ないので、黙っててやることにした。
・・・なのに。
今日の朝、アカラナータとすれ違ったら、思いっきり睨まれた。
すごい殺気を放ちながら「てめぇ首洗ってまってろよ」と一言残して去っていったが、
こっちはわけもわからず冷や汗びっしょり。
おいおい、昨日のはもう終わったんじゃないのか?
とか思ってたら、実はトライローに情報が全部渡ってたらしい。ということは、俺がバラした
という事になってるだろうことは容易に察しがつくわけだが・・・。
これってすごくマズイんじゃないのか?このままだと奴にどんな目に合わされるかわかったもんじゃない。
なんとか誤解を解かないと・・・やってない!俺はやってないぞ!!ああ、どうしよう・・・

蒼の月22日
今日、いきなりトライローに頭をなでられて跳ね起きる。
そしたらあの女、にこにこしながら「まだまだねぇ」ときたもんだ。
うがぁぁぁぁあああ!!あの筋肉馬鹿野郎がーーーー!!!
あの野郎、言いやがった!よりによってトライローに言いやがったー!
しかも先日のアレだけじゃなくて、そのまえのも、ついでに昨日のも。
なにか、昨日ぼこってやった仕返しか!?今までの恨みつらみか?
ていうかオレに喧嘩うってんのか!?いや、うってるんだろ。うってる以外の何者でもないよな!
というわけで、例の技が完成した暁には最初の獲物は奴に決定。
・・ぶった斬ってやる・・・

蒼の月21日
今日、朝、いきなりやってきたトライローにアカラナータが何やってるのかと聞かれる。
なにやら、夜中に自分の手を観察してるとかなんとかで。
・・・先日の一戦からなにか思いついたんだろうと思うのだが、それを話せば、
芋づる式にあのカッコ悪い負けっぷりも話さないといかなくなるわけで、
そんなことを言おうものなら、あの地獄耳にどんな目に会わされるか判らない。
なにより、絶対ろくな目に会わないので関わりたくなかったのだが・・・。
なんとか話をそらそうとうっかり「一緒にいるお前が一番知ってるんじゃないのか」なんて
口走ってしまったばかりに、力いっぱいぶん殴られた挙句に、しっかり調べとくようにいいつけられる。
仕方なく行ってみれば行ってみたで、予想通り手の先から白い刃を出そうと躍起になっているアカラナータが
思いっきり岩を素手でぶん殴って、思いっきり痛そうだったのを目撃してしまうし。
でもって、そんな奴と思いっきり目が合っちゃうし・・・。
ああ、もちろんぼこぼこですよ。俺が。今度はソーマ込みのほうで。
・・・くそう。ばらすぞ。ぶっちゃけるぞ。全部。

蒼の月20日
アーちゃんが変。
つい2週間前、異常に暗かったのが治ったと思ったら、今度はとにかくぼーっとしてるのよ。
ここ3日ぐらいかしら?今日もそう。夜中にベッドから起き上がってボーっと手ばっか見てるの。
自分の手よ?何を今更観察することがあろうか、って感じ。
ひょっとしたら、よくサスペンスドラマでありがちな、「うっかり殺しちゃった犯人が、自分の手をみながら後悔する」
とかってシーンなのかなぁとも思ったんだけど、こっちも何を今更、だし。
で、聞いたら聞いたで、なんでもねえよ、とかって寝ちゃうのよねえ。
もー、なんなのよ!!明日あたり、クンダリーニを問い詰めてみる予定。アイツ、絶対何か知ってるのよね・・・。

蒼の月18日
対霧帝メキラ戦、第2ラウンド。
滝に行く途中でメキラを見かけたので、いきなり対決(一方的に喧嘩をうったともいう)。
今度は平原だし、霧もはられなかったのだが、やっぱり惨敗。
3連撃の先制攻撃を避けられてからの奴の手刀がクセモノだった。なにしろ、
一撃目を紙一重の距離で見切ったら、返す(手)刀には30cmほどのおまけがついていた。
反射的に腕のほうを念動力でつかんでみれば、なんだか白いもやもやしたものが刀っぽい形になっている。
その直後にソーマ弾でぶっ飛ばされたので(逆の手からのね)それ以上のことは確認できなかったんだが。
そのあとも追撃をかわしながら反撃してみたりしたんだが、ぎりぎりかわされて、撃墜されるハメに。
あのもやもやしたの、よく斬れる上に飛ぶんだよなぁ。
なんとか見切った、と思ったらズッパリ。あまりの切れ味に一瞬遅れて痛みが来るときたもんだ。
うはー・・・。
んでそのあと、なぜかクンダリーニに見つかるあたりがどうしようもなかったりするのだが。
結局行った滝行中に、あの手におまけをくっつけるネタは使えるなあ、とか考えてたりしたら、
頭から水を被って危うく首をやっちゃいそうになったココだけの話だ・・・。

蒼の月18日
久々に見ちゃいました。高速戦闘。
って、アカラナータが霧帝メキラに喧嘩を売ってるのを見かけただけなのだが。
今更ながらおもうのだが、アイツすごいな。・・・いろんな意味で。
豆粒ぐらいにしか見えん相手を発見して、即猛ダッシュで次の瞬間には殴りかかっとるからなぁ。
まあ、全部紙一重で避けられて、しっかり反撃されとるんだが。
でも、見てて結構楽しかったなあ。
なにしろ、1発目&返しの2発の横薙ぎの手刀は何とかかわして、そのあとソーマ弾でふっとばされて、
受身をとりつつ追撃の手刀を避けながらバック転式のサマーソルト
、 で、またまたそれを避けられてからの追撃を、見切って、返しを警戒して後ろに飛んだところを
なんか白い飛び道具で撃墜される・・・のやり取りが、ほぼ5秒弱。
・・・いや、飛びかかっていって5秒後には血だらだら流しながら草むらでうめいとるわ、
いい年した男に「まだまだだねぇ」とかって頭なでなでされたりしとるのも、楽しいといえば楽しいんだが。
やっぱりお前についてきてみて正解だったよ。はははは。
そうそう、メキラ氏が立ち去った後に奴の様子を見に行ってみたら、予想通り右の肩口から腹近くまでばっさり
やられていた。・・・お前、絶対反射的に左に避ける癖がついてるんだよ・・・。
これには本人も納得だそうで。まあ、いいんじゃねえの?左だったら痛い以前に死んでるんだし。

蒼の月17日
大変だ!あのアカラナータが修行なんてしてやがる!!
なんだかここ1週間ぐらい殴られないから、不思議な感じはしていたんだが。
今日こっそりつけてみたら、あのでっけえ滝で滝行してやがった。
思わず自分の顔つねっちまったよ。しかも念入りに、3回。
はっきり言うけどさ、似合わないんだよ!お前、努力とかそういうのと全然縁がなさそうなタイプじゃん!
それがこう真剣に座禅なんか組んじゃってよ・・・うう、思い出すだけで恐ろしい。
絶対、何か起こるぞ。
とりあえず、今日見たことはトライローには内緒にしておいた。だって、ばれた時に怖いから・・・。

蒼の月12日
実はこっそり滝行にはまっている。しかも先日死にかけたあの滝限定。
といっても、首が折れそうな勢いの、あのクソ寒い水にあたりまくっているわけではなく、
結界をはって、濡れないようにひたすら維持。ただこれだけ。
こう書いてしまうといかにも簡単だが、水のような液体を結界でさえぎるというのは結構難しい。
目が粗いと当然雨漏りしてくるし、あの高さから降ってくるので、当然それなりの強度も必要なわけで。
ああ、目が粗いってのは意識的な問題。結界って結局、意識して止めるもんだからよ。・・・確か。
しらねえよ。もう無意識に張るもんになってんだから。
で、それを2時間、3時間、とやる。オレの場合結構回復力が強いほうなんだが、それでも
疲れてくる。上からなんか降ってくるかもしれねえし、しぶきもかからないようにしないといけないし。
ひたすら気をつかうから精神的にもきついんだけどねぇ・・・。終わると結構気持ちいい。
もはやスポーツだよ、スポーツ。下手にクンダリーニとか殴るよりもソーマ使うし。
・・・で、なんでこんな修行もどきのことをやってるかって、当然。打倒メキラのためだよ。
アノ野郎・・・絶対一発入れてやる・・・。

蒼の月6日
うおーーーー!事件解決〜!
コレでもかというほどのオレのマイナス思考推理によってあわや冤罪になりかけた
先日の「果たしてオレは弱くなったのか事件」はアナンタの名推理により無事解決した。
・・・ていうかさ、しょうがないじゃん。どいつに聞いても、「そりゃまあ裏切ったことでしょう」とか
「シヴァの下僕に成り下がったこと」とか、「自分の胸に聞いてみろ!」とか、そんな答えしか
返ってこねえんだもんよ。そりゃ、黒のソーマに方向転換したのがまずかったのかなぁ、って思いもするさ。
(って書いててマジで腹立ってきたな・・・。もっと言いようがあるだろ。こいつら。)
まあ、だからといってどうして滝行しようと思ったのかは知らんが。・・・気づいたら入ってたからな・・・。
しかもなぜかアナンタはともかく(トライローが依頼したらしい)、クンダリーニまで来てるし。
あれだけは予測がつかなかったな。こッ恥ずかしいったらありゃしねえっての。思わず無視したさ。
・・・でも今後の反応がちょっと怖いかも・・・。トライローにも話は届くだろうが、聞くのと見るのとでは
全く違うからなあ。百聞は一見にしかずっていうし。
そうそう、それはおいといて。むかつくのはアナンタの野郎だ。
あいつ、最初から全部しってたらしい。オレとメキラが一戦やった後、茶飲んでたとかなんとか。
んでもって黙っときゃいいのに、帰り際に喋って行きやがるし。あーむかつく!
しかも、殴ってやろうと追いかけてみれば、トライローがかなり心配してたからどうたら、とか、
やっぱり例の古傷は痛そうだからヴィシュヌに治してもらえとか、いきなり説教はじめるし。
って何故か今着てるのが着物だから着替えさせたりするときにわかるとはいえ、勝手に見るなぁああああ!!!
・・・今普通に書いてみたけど、この年になって「着替えさせられる」って・・・しかも顔見知りのごついオッサンに。
マズイ、またヘコミそうだ・・・。

蒼の月6日
さて、昨日の続きをば。
夜中の11時ごろに滝を出発して、今度はアカラナータをかついで3時間。
午前2時過ぎになんとか家にたどり着いたんだが、もう肩がいたいのなんのって。
さっさと寝たかったんだが、3人とも服が濡れっぱなしなのでそうもいかず、タンスの奥から出てきた
人間界の服(トライロー調達)に全員着替える。
で、今度こそ寝ようと思ったら、ベッドの上で屍と化していたアカラナータが勝手に自白をはじめた。
なんであんなとこで滝行もどきをしてたのか、そもそも、一体なんでこんなことになってるのか。
先日霧帝メキラ氏に「弱くなった」といわれたコイツは、散々悩んで人に聞きまくった挙句、結局今と昔の違いは
「黒のソーマか白のソーマか」ということしかわからず、しょうがないので滝行でもしてみたところ、
「弱くなったのは黒のソーマのほうをとったから?」という考えにおちついて、凹んでいるらしい。
・・・まあ、それが事実なら、1万年前にお前がとった行動は完全に裏目にでたってことになるわな。
確かに、かっこ悪いよなあ。そりゃもうすばらしく。
って言ってみたんだが(本当に)、奴の鉄拳が飛んでくることはなし。本格的に凹んでいるみたいだ・・・。
さて、どうしようかねえ。といったところでアナンタ氏の出番。
その意見が実に的を得ていて、多分こっちが正解なんじゃないかと思うのだが。
つまり、ソーマ的には今のほうが断然上なのだが、それで調子ぶっこいて余裕綽々、周囲への注意力も散漫なのが
まずいのではないかという話。たしかに、明らかに力負けっていうよりは、うっかり負けたとか(VS龍王)、
気が付いたら罠のど真ん中とか(VS幻夢衆)、そんなんばっかだし。決定。それだよ、それ。間違い無し。
アカラナータ本人も納得がいったらしく、事件は一件落着かと思いきや、最後にはしっかりオチが用意されていた。
結局昼間で寝てたアナンタ氏が、帰る時に一言言い捨ててったのだ。
「そうそう、メキラ殿が誉めてらっしゃいましたよ。獣牙裂光弾はいい技だって。使うタイミングを間違わなければ、ですけど」
・・・あの森で一戦やったあと、霧帝メキラがお茶を飲みにきたそうなんだが・・・。
つまり、アナンタ氏は最初から全部事情を知り尽くしてたというわけで。
それに気づいたアカラナータは「最初からそう言えよ!」と大激怒。飛び出していってしまったのだが・・・
まあ、元気になって、よかったね。
そういえば、俺が滝で無視されまくった理由って、なんだったんだろう??

蒼の月5日
今、午前4時。家にはむさい野郎が3人転がっている。・・・何故こんなことになったかというと。
昨日、突如失踪しやがったアカラナータを探すことになったのだが、同行したアナンタ氏の助言により、
(奴はなんかあると必ず水場にいる。俺も同感)その辺の水場を全てあたっても奴は見つからない。
だんだん暗くなってきて、捜査方針を変えたほうがいいような気がしてきた俺らの目にとびこんできたものは
今まで背景以外の何者でもなかった山。・・・と滝(多分)。いや、まさかねえ・・・。遠いし。山、高いし。
しかし妙に胸騒ぎがするので、2人で行ってみることに。バルダでかっ飛ばすこと約3時間。たどり着いた時にはもう真っ暗。
あの遠くから見えた滝は、着いてみたらやっぱり相当デカイ。恐る恐る近寄ってみると・・・。
・・・暗闇の中、滝にうたれてる馬鹿が一人。なんだ、悩んだ末に滝行か?・・・高さ50mはある滝で。
阿呆かぁああぁああぁああ!!!!!!首折れるぞ、首!!!
慌てて滝壷に飛び込む俺とアナンタ氏。何度も底に引き込まれそうになりつつ、奴を滝から引きずり出す。
必死こいて岸まで戻ってみると、驚くべきことに奴の意識はばっちり生きていた。いや、生気は全く感じられんのだが。
んでもって、突っ伏している俺らをしり目にぼそりとこの一言。「アナンタぁ〜・・・オレもうダメかも・・・」
俺は無視かよ!?死ぬ思いで助けてやってるのによ!!ていうか死ね!今死ね!!!
思わず襟締めかましてがっくんがっくん揺さぶってしまい、アナンタ氏に止められて、なんとか事なきをえる。
・・・で、そこまでしても無視ですか。アカラナータさんよ。
とりあえず、深夜の山中は寒いし(水もマジで冷たかった)、とっとと帰ろうという事になったのだが、
これまた奴が駄々をこねる(アナンタ氏に)。
奴曰く、「やだ。絶対やだ。こんなカッコワりいの、トライローに見られるぐらいなら死ぬ」だそうで。
とはいえ、そこに居るわけにもいかんので、アナンタ氏が何とか説得して家に来ることになった次第。
まあ、帰ってからもいろいろあったんだが、それはまた明日起きてから・・・。とにかく、寝る。床で。

蒼の月4日
朝、ふらふらと外に出てったアーちゃんが帰ってこない。
最初は逃げられた!?って思ったんだけど、龍王のことは話してないし、ありえないわよね。
なんか夜も眠れないらしくて、ノイローゼみたいになってたから、現実逃避でもしてるんじゃないかと
思うんだけど、なにしろ、昨日が死にそうだっただけに、ちょっとだけ心配で。
龍王とクンダリーニが探してくるってでてったから、今は龍王嫁と2人で酒盛りして待ち。
・・・なーにやってんだか、あのバカは〜〜〜!帰ってきたらただじゃおかないわよ。

蒼の月3日
あーちゃんが変。ここ2日すっごく暗い。
一昨日夜帰ってきてから、ボーっとなんか考えてたり、かと思えばいきなりイライラしだして飛び出していったり。
話によると、インドラやら、ヤマンタカやら、出会った奴に片っ端から「オレって変わったか」って聞いたりしてるらしい。
そういえば、アタシも聞かれたわね。
今は自棄酒飲んでベッドに潜り込んで喚いてる。「あー、一体なんなんだよ!」って、あたしのセリフよ!!
って、なんとなく原因はわかってるのよね。クンダリーニに聞いてみたら、一昨日に一騒動あったみたいで。
まあ、それを聞いたところで、アーちゃんが教えてくれるわけ無いし、放っておいてるんだけど、
・・・それなりにね、心配なのよ、アタシだって。
そんなときに、街で龍王嫁に会う。せっかくだから一緒に買い物したんだけど、この子はこの子で、不思議な子よね。
戦闘意欲が失せるって話もわかるような気がする。
で、こっちの気も軽くなって、彼女にアーちゃんのことを話してみたら、龍王にも話してみようってことになった。
たしかにね、男同士のほうがいいこともあるかもしれないし、なにしろ、アーちゃんって龍王だけには
弱いしね・・・。悔しいけど、そっちにお任せの方がいいのかも知れないと思ったので、
買った荷物を家まで届けてあげるついでに相談に行ってみたら、明日とりあえず来てくれるって。
なんとかなればいいなあ・・・。
なんて思ってたら、唐突に嫁に「お優しいんですねv」って言われる。冗談じゃないわよ!って飛び出してきたけど、
・・・ほんと冗談じゃないわよ。アタシはあんな死にそうなアーちゃんを見たくないだけ。それだけよ。

蒼の月2日
今日は朝からブルー。・・・いや、正確に言うと、昨日の夕方からか。
それも全て奴のせい。昨日突然現れた霧帝メキラのせいだ。
もっと言ってしまうと奴に「お前、弱くなったなぁ」なんぞと言われてしまったのが原因なのだが。
ことの始まりは、オレが昨日アナンタん家に殴りこんだことだった。
散々罵った後に裂光弾を撃ったその瞬間、奴が現れて、邪魔しやがった。
あたりが一瞬で白い霧に包まれて、裂光弾がその霧にかき消されて。それだけならまだしも
(いや、充分ムカツクが)いきなり後頭部をばしっと叩かれて、背後で「相変らずだな、小僧」。
ふざけんな〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
窓から出て行く影を、殴り返してやろうと思って追いかけて、追いついたのは森の中。
ふと、「おびきよせられた」と気づいた時は遅かった。
奴が振り返ると同時に、あたりは真っ白な霧に包まれて、1m先も見えない状態になる。
さらに、裂光弾すら吸収しつくすその霧は、木々の発するソーマも、奴の放つソーマも全て遮断してしまうので、
ソーマを頼りに周辺を探ることも出来ない。かといって裂光弾で森ごと薙ぎ払ってしまうことも不可能なわけで。
なのに、奴からはこっちが丸見えで、音一つ立てずに超高速で忍び寄ってくる。・・・これで一体どうしろと?
反射神経だけで2発までは紙一重でかわしたんだが、3発目は避けきれず。両腕でガードはしたものの、
吹っ飛んだすぐ後ろが木で、受身の暇無く背中を強打。一瞬呼吸が止まったところを腹・胸と蹴られて、
喉を掴む感じで後頭部から木に叩きつけられて、終了。
・・・なんだかなあ・・・。瞬殺だよ、瞬殺。いくら十二羅帝っていってもありえねえだろ。コレ。
ムショウに腹がたってきて、まだ喉を掴んでやがる手をぶった切ってやりたくなるけど、さっきのガードで腕が動かねえ。
そんな状態であのセリフだ。「お前、弱くなったなぁ」ってやつ。
・・・どういうことよ?「相変らず弱い」とかならまだわかるけど、「弱くなった」って一体何?
オレの知らんところで、オレは勝手に弱くなってんのか?だからこんな結果になったのか?
とか考えてたらいいかげん酸欠で気が遠くなってきて、窒息死なんて文字が頭をよぎったところで、
どっかで見た感じの熱波が霧を根こそぎ払ってくれて、気が付けば奴もいつのまにか消えてた。
いや、それはもちろんクンダリーニの灼熱波なんだが・・・。そういうのは温度的なのはアリなわけね・・・。
あまりのあっけなさに思わず笑っちまったんだが、走ってくるクンダリーニを見てるうちに、
そういえば前にこいつにもこうやって吊るされたことあったなあ、とか、それってやっぱりオレが
弱くなってるってことなのかなぁとか、いろいろ考えが浮かんできたりして。
でも、めちゃめちゃ疲れてて訳わかんなくなってたので、とりあえず、クンダリーニに聞いてみたら、思いっきりひかれた。
むかついたので、とりあえず一発頭を殴ったらちょっとだけすっきりしたのだが・・・。
一万年前と、今と、なにが変わったんだろ?こうやってベッドにもぐってがりがり文字書いてることとか?
そのうちにいつのまにか日記が長くなってるとか?そういうことか??

蒼の月1日
昼過ぎに、えらい剣幕で歩いている(すごく早足だが)アカラナータを見た。
面白そうなので、ついていってみたら、そのままアナンタ氏宅へ殴りこんでいった。
先日の続きかと思ったのだが、どうも別件らしい。
「お前が龍王に入れ知恵したってのはわかってんだよ!」と外まで響く声。
中を覗いてみれば、なんとかなだめようとするアナンタ氏と、その間もないぐらいの勢いで
喚き続けるアカラナータとの対決となっていた。
アカラナータ曰く、「以前の対決で現龍王が狙ったかのようなすごいタイミングで特攻してきて、
おまけに知るはずのない古傷をぶっ刺してきたのは、てめえが何か教えたからだろ」だそうで。
・・・そっちもまだ根にもっとったんかい・・・。
ところが、そうそうのんびりツッコミしてられるような状態ではなくなる。
散々恨みつらみをぶちまけたアカラナータの怒りは収まる様子もなく、
問答無用で裂光弾の体勢に入りやがったのだ。とりあえず離れようと思ったのだが、
ふと、目が合ってしまった。・・・部屋の隅にいたアナンタ氏の嫁と・・・。
一般人いるじゃねえか!?
というわけで、思わず飛び込んでしまったのだが、彼女を捕まえて部屋を出ようとしたときには
もうズドン。反射的に結界とかはってみるものの、あの技にたいした効果は見込めないわけで。
またまた(嫁もろとも)吹っ飛ぶのかなあ、なんて思ったときだった。
ばーっと目の前の景色が白くにごって、裂光弾が掻き消えたのだ。よくみたら、霧。
あたり一面に広がった乳白色の霧が、撒き散らされるエネルギー弾を包み込んで食うように吸収しているのだ。
おいおい。なんだこりゃ?
とか思ってる内に霧は晴れたんだが、家はすっかり無事で、アカラナータの姿は無し。
ちょいと嫌な感じがしたので、嫁をアナンタ氏に任せて探しに行ってみたら、同じような怪しい霧がたちこめる
森に行き当たる。木の倒れる音はするものの、ソーマの気配はなし。ますます嫌な感じ。
灼熱波で焼き払うと霧は消え、アカラナータも見つけられたんだが、何故か奴は俺を見ると狂ったように笑い出した。
そりゃもうひたすら。どのくらいかな。10分ぐらい。そのうちだんだん自嘲的になってきたので止めたんだが、
そしたらぴたっと笑いやんだ奴はぼそりと一言。「オレって変わったか?」・・・はい?
ちょっと背筋が寒くなった今日この頃でした・・・。

蒼の月1日
朝起きて、ふと昔の部屋がどうなってるのかムショウに気になったので外出。
とはいえ、例の穴は見れる範囲がきまってるらしく、オレの知ってるものでは、
天空殿の中が覗けない。仕方なく、散々探し回って昼過ぎに見つけた。
早速覗いてみると・・・ばっちり残ってた。
正確にいうと、八大明王が使ってる部屋が、まんま残ってるんだが。
まあ、再利用のしようがなかったんだろうけどよ。
どうもかなり長い間放置されてるみたいで(とくにオレら3人)、その様子はまさに廃墟(笑)。
どうやら天空殿内でも開かずの間とされてるらしい。
その証拠に、いかにも新米な神将(つうかガキ)がやってきた。ガキ曰く
ガキ1「もうやめようよ〜〜。怒られるよ・・・」
ガキ2「なんだよ、怖いのかー?大丈夫だって。部屋って言うからには昔だれかが使ってたんだろうしさ」
「誰か」って・・・存在自体抹消かよ。
しばらく眺めてたが、よりによってそいつら、オレの部屋に入る気らしい。
いや、必要最小限のものしかないんだけどね。本当に。でも、立ち入り禁止。
オレのベッドに触ったらマジで殺す。オレの聖域を荒らす奴らにはすんげえ呪いをかけてやる・・・
なんて思ってたら、ドアに触る直前で見つかる。
それが丁度通りかかった比婆王と闥婆王で、比婆王がどなるとガキ共は一目散に逃げていった。
・・・ナーイス。
で、そいつらの立ち話をそのまま聞いててわかったんだが、この区画には
一般神将はおろか、近所に住んでる八部衆だの、十二天聖すら近寄らないらしい。
まあ、用無しの上に縁起もよくない部屋だから封鎖されてるんだろうがな。
だから、一部の人間以外は、ココが元八大明王の居住区だったことは知らんらしく、
「天空殿の奥地にある入ってはいけない開かずの間」として伝えられてるらしい。
ちなみに、八部衆の連中は知ってるらしいのだが、比婆王曰く、言い出しっぺは龍王らしい。
龍王が言うには、先代龍王に聞いたとかなんとかで、ちなみにオレの対策を教えてくれたのも先代だとか。
・・・そういえば、アナンタの野郎、前に穴覗いてるの見かけたな・・・。
呪いがかかるなら、他の干渉もできるよなあ。例えば幻聴聞かせるとか、夢枕にたつとか。
そうすりゃ、情報の一つや二つは流せるよなぁ・・・へぇ。
というわけで、用事が出来たので残りは又明日。


藍の月22日
ムカつく。ムカつく〜〜〜〜〜!!!だああああああぁああああっ!!
今日はすっかり晴れたので、仮眠もとらずに(結局昨日は眠れなかった)
アナンタん家に乗り込んだものの、結局手刀一発、ソーマ弾一発も叩き込めずに帰ってきた。
だってよ、あんなん反則だろ!あの2ショットは無理だろ!?
ただの平和ボケラブラブカップルなら、いきなりその幸せをぶち壊してやることも
できるが、なにしろ戦争にモロにあたって砕けたような奴らが、ニコニコしながらこっちをじーーっと見るんだぞ。
つまり、少々ぶっとばしても、無駄ってことだ。
実はその時点で帰りたくなったんだが、トライローとクンダリーニがつけてきてる以上、そうもいかず。
なんとか昨日のことで文句いってやったら、嫁は真面目に心配しだすし、アナンタなんかマジで謝りだすし。
おまけに「ヴィシュヌ様に頼んで治してもらおう」なんて言い出すしよ。
冗談じゃねえぞ!!あの女に頭下げるなんて死んでもゴメンだ。
ていうかね、治らねえの!散々やったけど、治らなかったの!!!ヴィシュヌでも無理なの!
・・・多分。いや、絶対!絶対治らない!治ってたまるか!
と、言い放って帰ってきたんだが、一晩溜めに溜めてきたこの怒りが治まるはずもなく。
丁度良く、クンダリーニがからかってきたので、少々発散はしたのだが、まだイライラする。
きっと寝てないせいだ、ということにして、とりあえず寝る。

藍の月22日
昨日とはうってかわって、今日は晴れ。
アーちゃんの祈りが通じたのかしら。そんなワケないわよね(笑)。
そんなことよりも、あたしが嬉しかったのは久々に身内とじゃない戦いが見れることだったり。
もうね、いいのよ。クンダリーニがぼこぼこにされるのは見飽きちゃったのよ。
というわけで、お昼過ぎに起きて来た(というか徹夜で愚痴ってた)アーちゃんを尾行して、
某龍王宅までいったのだけれど、やっぱりというかなんというか。
昔からアーちゃんは龍王に弱いところがあって、本人が言うには龍王の雰囲気とか話し方とかで
やる気をそがれちゃうみたいなのよね。まあ、たしかに、妙な貫禄はあるけど。
今回も勢いの良かったのは最初だけ。なんだかんだで上手いことかわされて、そのまま帰ってきちゃった。
もう、うだうだ言わないで、いきなりガーンとやっちゃえば良かったのよ。
そしたら、あっちだって反撃せざるをえないんだから。
それを愚痴を最初にぶつけにいくからカウンセリングされちゃうのよ。バカねえ・・・。
そうそう、コレとおなじ感想をもったらしいクンダリーニは、冷やかすつもりでアーちゃんに言って、
案の定ボコボコにされてた。・・・こいつもバカだわ・・・。

藍の月21日
今日は朝っぱらから雨。
雨の日は古傷が痛むというのはよく聞く話だが、オレも例外ではないわけで。
というわけで、今日は朝からひたすら布団に潜ってすごす。
・・・そういうことをしてると必ずというほどトライローがちょっかいをだしてくる。
当然追い払うんだけど、奴は面白がって余計に絡んできて。
最終的には、ばたばたしてるうちに肘とかがあたったりするわけだ。しかも思いっきり。
中途半端に痛くて嫌なんだよなあ、あれ。だからといって刺されたいわけじゃねえけど。
まあ、今日もそんな展開。
午後はずっと唸りながら、ひたすらアナンタへの恨みつらみを呟きつづける。
久々に黒のソーマも騒いでる感じ。
憶えてろよアナンタ・・・。コレが治ったら、絶対殺ってやるからな・・・。
早く晴れろ。早く。


青の月20日
トライローのシュミにケチをつけたせいで、顔面木目だらけのアナンタに追いまわされ、
おまけに2日連続で、夢の中でも奴らに追いまわされた今日この頃。
クンダリーニに押し付けたあの忌々しい桜の枝は、見事に根付いていた。
しかも、盆栽としてご丁寧に鉢に入って。
クンダリーニがやけに一生懸命世話をしているのがムカツク。
んでもって、その甲斐があったのかその桜に花が咲いて、奴が嬉しそうに自慢してくるのもムカツク。
ぜったいお前のせいじゃねえよ。天霊界の不思議パワーがはたらいてんだよ。
・・・折ってやろうかと思ったが、今度は溶岩製のアナンタに追いまわされそうなのでやめておく。
もういいや、それはそれで・・・。

青の月18日
・・・なんかしらんが、アカラナータに桜の枝を押し付けられる。
いや、検証しろって、俺はお前みたいに人の技をパクったりはできねえんだけどよ。
とっとと始末してしまおうとも思ったのだが、バカのきまぐれで異世界に連れてこられたその桜に
妙に同情してしまって、捨てるに捨てられない。
仕方がないので盆栽みたく鉢に刺してみる。根付くかなあ。無理だろうなあ。
そうそう、一度枝を押し返しに奴のところを訪ねてみたら、いきなり玄関のドアが開いて、
奴と大人数の龍王(?)が飛び出していった。なんだありゃ?

青の月18日
桜の検証話から、華樹操の使い方の話にをしてて、あたしの妖魔樹が悪趣味だって話になる。
なによーー。いいじゃない。どんなの作ろうとさ。
ていうか、アレがベストなのよ。一番キレイに見えるんだからさ。いろいろと。
とはいえ、一応アーちゃんの意見も聞いてあげたら、「きれいなお姉ちゃんがうんたらかんたら」って、
聞くだけ損な返事が返ってきた。・・・そんなマネキンつくってどうすんのよ。
だいたいお姉ちゃんってなによ!?どうしてそういう発想になるのよ!?
・・・なんかむかついたので、ご希望のマネキンをたくさんプレゼントしてあげる。
まあ、お姉さんじゃないけどね。ありがたく受け取りなさいよ。

青の月17日
昨日うやむやになってしまった検証を、人間界から持って帰ってきた桜の枝で、こっそり続行。
・・・いや、最初はコピーする気はなかったんだけどよ。
あまりにも奴が一生懸命かけてるからさ。
確認しながらだから動作もいつもよりでかいし、珍しく集中できる環境だし。
もともと華樹操って使い勝手よさそうだから狙ってたんだけど、
こういう機会も2度となさそうなので、やってみたら・・・上手くいっちゃったねぇ。
まあ、それは良しとして。
肝心の検証だが、やっぱりかからねえ。枝のくせに。たかが枝1本のくせに・・・
・・・あー、むかついてきた・・・。
検証はクンダリーニにやらせよう・・・。

青の月16日
今日はアカラナータとトライローと3人で人間界に花見しに行く。
いや、俺が誘われたことには正直驚いたのだが、奴らがやってきてさらにビックリ。
あの2人の立場が逆転してるのだ。
つまり、嫌そうなトライローを、アカラナータが嬉しそうに連れてくるという構図なのだ。
そのとき、なんか嫌な予感がした。絶対、なにかあると。
で。そんなことを考えながらとりあえず人間界。
花見はやはりというかなんというか、山の中にぽつんとある桜の木の下で行われた。
この時点でやはり妙なのだが、案の定、奴らときたら、花を見ない。
つくなり、アカラナータが「さて、試してみようか」と言い出し、「やってやろうじゃない」とトライローが
桜の木に近づく。そして唱えだしたのがなんと「降三世華樹操」のタントラ。
おいおいおい。お前ら桜を化けものにしてどうすんだ?!そんな花見て楽しいのか?!
慌てる俺だが、術が完成しても、いっこうに桜が動きだす気配はない。???
聞いてみると、どうもこの「桜」にだけはトライローの術が利かないらしい。
なので、それを検証するためにやってきたらしいのだが。
なるほど、それでトライローは嫌そうで、反対に、アカラナータはその検証を楽しみにしてて嬉しそうだったと。
確かに説明はつく。が、納得には至らない。なんというか、嫌な予感がまた・・・
結局、その予感は的中した。
どうして術が効かないのかの検証の意味も含めて、何度も「華樹操」をかけまくるトライロー。
アカラナータも桜をあいかわらず観察しつつ、何が原因かを考えている・・・かと思えば、なんだか様子がおかしい。
さっきまで桜を見ていた奴が食い入るように観察しているのは、トライローの胸元、ではなく、手。
・・・こいつ、印憶えようとしてやがる!!
注意して聞いてみれば、口の中で呟いているのはタントラ。
妙に真面目に集中してるのは、きっと技に伴うソーマの流れかなんかを感じとろうとしてるのだろう。
そう、こいつの目的は、最初から「降三世華樹操」のコピーだったのだ。
いや、そういうことを前もって計画するような奴ではないのだが。なんとなく、こんな展開を予想してたんだろう。
・・・このコピーマニアが・・・
そんなことを思ってるうちに、トライローも奴の不審な動きに気づいたらしい。
トライローの攻撃の標的は即座にアカラナータに変わって、2人は睨み合いだした。
で、2人同時に隣の木に手をつくと、これまた同時にアノタントラを唱えだした。
ただ立ちすくむ俺の前で、どんどん2本の木は大きくなり、どんどん化け物じみていく。
「・・・やるじゃない」「オレのコピーは完璧なんだよ」
とかって奴らがなんか訳わからんこと言ってる間に、木はすでに3桁メートル大。
で。
俺は目の前で開始された怪獣大決戦を只々眺めることになるのだが、
2匹の木がお互いに相打ちになって灰と化しても、例の桜だけは平然と立っていたという・・・。
うーん、やっぱりなんかあるのかもしれんなあ。桜。

青の月15日
世の中、っていうか人間界は花見日和。
しかし、こういうのに飛びつきそうなトライローはなにも言わない。
妙に気になるので、さりげなく話振ってみたら、意外なことが判明。
奴はどうも「桜」ってのが嫌いらしい。いや、それはどうでもいいんだが、
その理由がなんとも。桜には奴の術がきかないらしいのだ。
それが奴のプライドをめちゃめちゃ傷つけたらしいのだが・・・。
たかが木にそんな抵抗力があるとも思えんのだが、どうも嘘ではないらしい。
・・・ほほう。なんか面白そうじゃんよ・・・。
というわけで、もう一回確かめてみる、ということで、奴をなんとか説得。
明日あたりにでも行くことにした。
ああ、久々に楽しそうだ・・・。

青の月7日
ようやく、首のムチウチが治る。
・・・って、その原因がデコピンってのが情けないんだが。
あ〜、奴の色仕掛け・・・もとい、脅迫に負けて目さえ閉じなければ、
あんなもんばばっと避けてやったものを〜〜〜〜〜!!!
もう、あれだぞ。頭蓋骨割れたかと思ったぞ!ソーマ込みデコピンってなんなんだよ!?
接触面が狭いから、ふつうのパンチより数倍痛いしよ、かっこ悪いしよ!
・・・いや、仕返しとはいえ、あんな噂をばら撒いた俺が悪いんです。ごめんなさい・・・。
しかしだ。同じく犠牲になったトライローはごく普通のデコピンだったってのはどういうわけよ。
ビンタと名誉毀損の違い?違うだろ。絶対。

青の月6日
・・・なんかわけわかんねえ・・・。
あれから、オレに関する噂はどんどん増えつづけ、一体どれがどれなんだか
さっぱりわからん状態になった。当然、最初の噂はいわずもがな、である。
まあ、これで面倒くさい後始末は考えずにすむわけで、オレはクンダリーニの野郎を
思う存分殴り倒せて、めでたしめでたしなんだが。しかし、いったいなんだったんだろね。
そんな謎も、今日になって、ようやく解けた。
アナンタん家に行ってみたら、(いや、いろいろ世話にはなったしな。不本意ながら。)
どっかで見た女が茶を飲みながらアナンタ嫁と談笑しててだな。
オレを見るなり「まさかアンタが元デーヴァだとは思わなかったよ」とにやにやしやがる。
なんだっけな。散々トライローの邪魔をしてて、オレが修羅王を殺っちまおうとしたときにも
間に入ってきて勝手に死んだ奴。
まあ、思い出す前に、奴から名乗ってくれた。幻夢衆の弁財天サラス。だそうで。
なるほどねえ。例の噂の乱立はこいつら幻夢衆お得意の情報かく乱だったってわけだ。
奴曰く、前に一派の奴が先走った詫びだとか、アナンタが直々に頼んできたから、だとかいってたが、
そんなことどうでもよくて。問題は・・・アナンタ、こいつにオレの情報売ったろ・・・。
じゃなきゃ、元デーヴァ云々カンヌンはともかく(そんなのこっちで調べりゃすぐわかる)奴がにやにやする理由はないもんなあ。
ああ、コレは帰ってきたアナンタを問い詰めたので、間違い無し。
具体的なことは吐かなかったが、絶対、喋ってる。奴しか知らんことを。オレが奴にしか話してないようなことを・・・。
あー、ムカツク!!ムカツクけど、奴を殴っても気分が全く晴れないどころかさらにブルーになることは
身にしみてわかってるので、あきらめてそのまま帰ってくる。
あ〜あ・・・絶対、いろいろ掘り返してくるぞ・・・あいつら・・・・

青の月4日
アーちゃんが帰ってきた。もう、どこいってたのよ〜?
なーんてこっちが心配してるのに、ひどいのよ。
帰ってくるなり、ずかずか近づいてきて、ぼそっと一言「目つぶってろ」。
・・・ほら、期待するじゃない!そんなこと言われたら誰だってさ。
けど、目を閉じた直後におでこに衝撃が。ええ、あれは間違いないわ。デコピンってやつよ。
このアタシに。よりによって「デコピン」よ???
まあ、ごく普通のデコピンだったから、アタシのおでこはちょっと赤くなるぐらいだったんだけど、
アーちゃんってばもう、ベッドばんばん叩いて、腹抱えて笑い転げてて。
そりゃ勝手に誤解してビンタしたのは悪かったけどさ、そこまで笑うことはないじゃない!?
しかも、あんな卑劣な手段で人をひっかけて・・・女の心を弄んだ罪がどれだけ重いか、思い知らせてあげるわよ!!
と、いうわけで、すぐさま泣き落としから往復ビンタ&みぞおちにエルボーをお返ししてやった。
ふーんだ。


黄の月22日
えーと・・・。実は現在アナンタん家。
3日程前にクンダリーニのばらまいた噂話にブチ切れて、マジでぶっ殺してやろうと
奴のところに向かってる途中でアナンタと出会い、殆ど無理やりという形でここにひっぱってこられてから、
そのまま引きこもってた。
アナンタの説得と時間とでなんとかココまで状態を戻したけどよ、マジでまずかったな、ありゃ。
なんつうか、あのまま行ってたら関係修復不可能になってたかも。
まあ、そのぐらいキレてたんだから、しょうがないっちゃしょうがないんだが・・・。
しかしなあ、その状態で3人衆の関係を保とうと思ったオレが凄いよなあ。
いや、そう思わせたアナンタがスゴイのか?まあ、今となっちゃどうでもいいけど。
そういえば、久々に街へ様子見に行ってみたら、「連続恋愛詐欺師」のオレは、いつのまにか
「大戦時に、そのときの彼女が某インチキ温泉へダイブして云々カンヌン」という美談持ちになっていた。
・・・なんだそりゃ・・・。

黄の月20日
今日はひとりで家でごろごろ。アーちゃんはまだ帰ってきてない。
昨日街で、アーちゃんが女の子騙して成り上がったって話を聞いて、すっごくむかついて、
家から追い出しちゃったんだけど、ちょっと早まっちゃったかなぁ、という感じ。
というのも、なんとも納得いかないから、話の出所を探してみたら、どっかの酔っ払いが話してた、
ってことがわかって。そいつがどうもクンダリーニっぽいのよねえ。図体でかいっていうし。
確かに一昨日、恨みかうようなこともしたし(笑)。
あ〜、まいったなあ。ビンタしちゃったわよ・・・。力いっぱい。
でもでも、実は、本当に心配なのはクンダリーニのほう。
一緒に教えてもらった話だと、昨日、同じ事をアーちゃんが聞きに来たみたいなのよね。
で、「ほほう」って呟いたきり黙り込んじゃって、すんごく怖い顔して出ていったって。
経験上の話、黙った時のアーちゃんはすっごく怖い。多分、マジ切れを通り越しちゃったときなのよね。
まあ、元々、アーちゃんて自分の力のことに関してはすごく神経質だからなぁ。キレてもしょうがないといえばそうだけど。
なにはともあれ、まだ帰ってきてないっていうのと、まだクンダリーニのところに殴りこんでないのと。
なんかその潜伏期間が怖い感じ・・・。無事に済めばいいけど・・・。

黄の月19日
昼まで気持ちよく寝てたら、バーゲンから帰ってきたらしいトライローにたたき起こされる。
んでもって、いきなり顔面ビンタで「最低!女の敵!」と家を追い出される。
・・・何????
聞いても「自分の胸に手あててよーく考えてみなさいよ!」ととりあってくれないので、
しょうがなく街へいってみるが、こっちの視線も妙に冷たい。
んでもってひそひそ話の中に聞こえるのはやっぱり「最低」と「女の敵」。
・・・いや、マジで心当たりねえよ。
その対応の理由を聞いてみたいとは思うが、イチャもんつける前に避けられるわけで。
無理やり問い詰めるのもカッコ悪いので、知ってそうな奴を探してみることに。
で、昼間からのんだくれてたらしい(飲んでばっかだな・・・)摩利支天をこぢんまりした飯屋で見つける。
んで、聞いてみると、オレは知らんうちに、「大戦時、16歳の女を騙して片っ端から吉祥の泉
(インチキパワーアップ温泉)に投げ込み、その力だけを頂戴していた前科20犯の詐欺師野郎」
になっていた。
・・・いや、自前なんだけどよ・・・。こればっかりは・・・。ていうか、そんな面倒くさいことやんねえし。
なんて酔っ払い相手に愚痴ってると、店のばーさんが話の出所らしい酒場を教えてくれる。
ばーさん曰く、「あの子がそんな大それたことするはずないよ」だそうだが、その意見がレアだし、
100歩譲ってそうだったとしても、普通、調べねえよなぁ。
あまりに妙なので、よくよく見てみたら、大昔にウチの隣に住んでたばーさんだった。
たしかオレが天空殿に上がる前に死んだんだが、そういえばそんな寄り合い飯屋みたいなのやってたなあ。
ちょっと懐かしくなってみたりして、あちこち眺めてみたら、「あの子は無愛想だけど真面目な子でねえ」
とかいらんことを喋りだすので慌てて口止めする。
そこでようやくオレに気づいたらしく、世間話を始めやがるんだが、なにしろ後ろに摩利支天がいるので、
次は何を言い出すのか、と妙に怖い。
あー、なんでもいいから、とりあえず、オレの過去の話はするなーーー!!!
どうにもハラハラしてその場にいられないので、力いっぱい口止めして、早々にその場を立ち去る。
あとは、例の酒場で話の元凶を聞き出すわけだが、「やたらと図体のでかいやつ」だったらしい。
ほほう・・・。

黄の月17日
とうとう俺の番。
俺とアカラナータとトライローと、あとインドラと酒盛りしてて、
つまみが切れたから買って来いとなんか無理やり使いにだされて。その帰りに幻夢衆と遭遇する。
いや、あいつらも多分、俺が一人になるのを待ってたんだろうがな。
その数、20人。・・・さらに増えてる・・・(トライローの話じゃ17人)。
とりあえず、なにかやらかす前に片付けようとしたそのときに、事件が起こった。
こう、まずは奴らと間合いを取ろうとしたときにだ。なんか、足が動かない。
見てみたら、地面の草が力いっぱい絡まってて。次に後ろからどん、と突き飛ばされるわけだ。
そこには誰もいないはずなのに。
なす術もなく顔からすっころんだ俺がなんとか起き上がると、周りにはもう13本勺杖が刺さっててだな・・・。
なんか短い余生だったなあ、とか思いつつ結界でなんとかしのいで、じたばたしてたときだ。
俺は見た。岩の陰から、あの2人がこっそりのぞいてるのを。
トライローは片手にワイン瓶もって、にこにこしながらガッツポーズ、
アカラナータはスルメを加えたまま「お前も痛い目みろ」って感じでニヤニヤしてた。
っていうか、そのスルメ、今俺が買ってきたやつだろ!!お前か!押したのは!!
・・・いや、結局は助けてくれたんだが(当然ぎりぎりで)。痛かったさ。すごく、すごーくな。
帰ってみれば、インドラはすでにつぶれてて、あの2人も爆笑しつつベッド占領して寝ちまって。
一人飲みなおしてるうちに沸々と怒りがわいてきた。あいつら・・・見てろよ・・・。

黄の月7日
ショッピングの帰りに幻夢衆に会う。全員で17人。
アーちゃんが言ってた奴らみたい。・・・って、増えてるじゃない・・・。
前回失敗したから、人数増やしてきたんだろうけど、
そんなの無駄ってことを教えてやるわよ。
アーちゃんの手、あーんなことにしてくれちゃって、あたしだって怒ってんだからね!
と、いうわけで、奴らが変なことをはじめないうちにぱぱっと片付ける。
っていっても、うちの子たちに相手させただけなんだけど。
相手が悪かったわねえ。
せっかくなので、とどめは後回しにして、そもそもアタシたちに手を出してきた理由を聞いてみる。
だいたいさ、そういう秘密技があるのに、どうしていきなりアーちゃんに行ったのかってのが
疑問なのよね。力押しでせり負けるって可能性、ありありじゃない。
アタシだったら、とりあえずクンダリーニあたりから消しとくわよ。
よくわかんないけどさ、絶対個人的な恨みあるでしょ。ひょっとして、女の子とか??
てな感じで、リーダーっぽいボクにかまかけてみたんだけど、それがまた大当たり。
そんなに顔にだしてたら、お仕事できないわよ。
なんかかわいかったので、そのまま置いてきたけど・・・女の恨みってなんだろ?
今度アーちゃんにきいてみよーっと。


紫の月22日
昼飯がてら、トライローと茶をすすってると、アカラナータがくる。
・・・しかし、なぜか右手が凄いことになってて大騒ぎに。
どう凄いかって、描写しにくいんだが、「焼けた」とも「裂けた」とも言いがたい惨状。
本人曰く、すでに20分はたってるらしいから、最初がどうだったのか・・・考えたくねえなあ。
とりあえずトライローにはカッコ悪くて見せられないからこっちにきたとのことだが、
残念ながらそのトライローはこっちにいるわけで。
当然のことながら、彼女は奴を見るなり大騒ぎ。
家に入ってきた直後にはすでにうずくまってたアカラナータを思わずゆすったりなんかしたもんだから、
奴も逆切れして一時騒然となった。
で。そもそもの原因なんだが、アカラナータが言うには、幻夢衆の奥義をくらったとのこと。
俺もしらなかったんだが、トライローは心当たりがあったらしい。そういえば、昔は知性派で通ってたな。
13人がかりで虚数空間を作り出す結界を張る、とかなんとか解説してくれたのだが、
アカラナータの突破法にははっきりいって笑った。お前、本当に無茶するよなあ・・・。
コピーして、14人目になってみたら結界も崩れるんじゃないかと提案してみたが、
それこそ結界内はすごいことになるから禁止だ、とトライローにやけに真剣にしかられる。
まあ、どっちにしろ、俺は捕まったら最期ってことなのかなぁ・・・。
最初に狙われたのがアカラナータで良かったよ。本当に。
ちなみに、奴の手はそれから15分後に完治。お疲れさん・・・。

紫の月22日
あの地獄のバレンタインから1週間。今日も散々だ(以下長文)。
この天霊界でも敵の多いオレ達だが、今回やってきたのは幻夢衆。
しかもそろいに揃って15人。おーい・・・。
ウザイ奴らをとりあえず2人投げ飛ばしたところで、ちょっとハプニング。
なんつーか、奴らの奥義にキレイにはまったらしい。
ああ、それで15人ね・・・。それで数そろえてきたのね・・・。
んでもってその奥義、とりあえず威力だけはあって、オレの結界と、
奴らのつくった13角形の結界の間には派手なエネルギーの嵐。
かなり空間を曲げてるらしく、外に届く前にソーマ自体が消滅するんだから
どうにもこうにも、手のうちようがない。あー、もう。うっとおしい。
とはいえ。勝ち誇った奴らの一人がいうには封印術の一種だというから、
おとなしくフィニッシュを待ってるわけにもいかんわけで・・・。
結局、13角形の壁まで突っ込んで、全力の金剛杵を直接叩き込んで1角を破壊。
インドラだったらもうちょっと楽な方法を思いつくんだろうがなぁ・・・。
移動するためにぎりぎりの結界しか展開できず、あとの分はソーマ自体を放出して相殺したんだが、
もう、足は痛えわ、顔は切れるわ。結界破壊の爆心点になった右腕に関しては、ちょっと見たくない感じ。
とりあえず残った(残したとも言う・・・)左手で奴らを一掃したんだが、リーダー格の奴はなんだか私怨も
ある様子。むかついたが、なんか笑えたので、思いっきり1発殴っただけで勘弁してやる。
ああ、寛大だなあ、オレ様・・・。

紫の月15日
今日は楽しいバレンタインデー(笑)。
だってなあ。この日が平凡に過ぎたことは、こっちにきてから一度もない。
今年はどうなるかと思って家でくつろいでたら、10時ごろにアカラナータがやってきた。
真っ赤な顔でドアを蹴開けて入ってきたかと思うと、そのままの勢いでベッドに突っ込んで、
布団を頭から被って。あとはひたすら「あー、もう信じらんねえ!!!」の連発。
しばらく落ち着くのを待って聞いてみれば、トライローがアナンタ前龍王にこいつのやった
はずかしーいラブラブ行為を片っ端から話していたとのこと。
・・・いや、ていうか、俺も知ってるわ。それ。
そう言ってやると、奴は一瞬絶句し、再びベッドに潜り込むと「もうあの女には何もやらねえ・・・」
と呟いたきり動かなくなった(笑)。
まあ、じっとしてられないらしく、昼におきだして自棄酒にはしってたが。
夜遅くまで飲んで飲んで吐いて飲んで吐いて・・・で、深夜に帰っていった。
一体どうなったのかなあ。何はともあれ、面白い一日だった。


朱の月13日
どうでもいいが。いきなりトライローに誕生日をきかれる。
どうも誕生日パーティにあこがれてるらしいのだが、そんなん言われてもなあ。
オレには別に誕生日を祝ってもらった記憶も無し、つまり昔から誕生日を意識する習慣がなかったわけで。
当然のように憶えてるわけが無い。
あー、いつなんだろうねえ。とはいえ、今更聞く相手もいるわけがなし。
まあ、うちの親がこっち(天霊界)にいれば、話は別だけどな・・・。
ちなみにトライローは、と聞いてみれば「ひ・み・つv」とのこと。ああ、そうですかい・・・。

朱の月1日
新年1発目から散々。
嬉しげに着物を着たトライローに、オレとクンダリーニも
羽織り袴を着せられる。
しかしこの天霊界じゃなんか暑いし、しかも動きにくいときたもんだ。
その上その状態でなぜかハネツキまでやらされるハメになる。
とりあえず対戦ものだったので、クンダリーニにストレス発散しておいたんだが、
あ〜、あれって弾速速くていいなあ・・・。

朱の月1日
新年明けましておめでとうございます。
これは人間界でもめでたいことらしいなぁ。まあ、一年の始まりだし。
今日はトライローが仕入れてきた羽織り袴を着たんだが、結構気がひきしまって楽しい。
・・・が、それだけで終わらないのがあいつらな訳で。
同じくトライローの提案で始まったハネツキ大会が災難のはじまりだった。
言い出しっぺなくせにトライローは傍で見てるだけなわけで、
俺はすでに不機嫌に羽子板を握り締めてるアカラナータの相手をするハメに。
ほら、あの羽って先が結構硬いじゃん・・・。
アイツが思いっきり打った羽はもはや弾丸。
頼りの羽子板に結界を張って打ち返すけど、防戦一方で反撃の余地すらなく。
そんなときだ。ヤツが羽子板まで放ってきたのは・・・。
気づいた時にはもう視界いっぱいにあの独特の模様が迫っててだな。
・・・もう嫌です・・・。

朱の月1日
今日はお正月!お雑煮たべて、着物も着て、あ〜、もう最高!!
ただ一つ不満があるとすれば、前回の浴衣に引き続いて
アーちゃんの意見を聞けなかったことよね・・・。
もう、いいかげん何かいいなさいよ!!!
そのアーちゃんは、白酒全部飲み干して、クンダリーニ相手にハネツキで暴れて
そのまま寝ちゃって。叩いてもひっぱっても起きやしない。
むかついたから、あたしの着物を着せてやったわよ。
寝てるのをどうやって?って、顔面に羽子板食らったクンダリーニが手伝ってくれたわよ。
さーて、明日が楽しみだわね。ほっほっほ。