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前日観たのが、ほら、あの、『冷静と情熱のあいだ』だったからねぇ・・・・。
率直に申しまして、結構、好きです、コレ。
でも、「観ろ」とはいいません。
もう、暗くて暗くて、不幸ばかりが連鎖して、救いようがないんだもん。
子どもが観てはいけない匂いのする任侠モノ、登場人物がゴロゴロ死んでいくギャングモノ、こういうものに映画原体験のあるヒトは間違いなく喜ぶ作品です(私は、かすかにゴダールの『はなればなれに』に似た匂いもかぎとった)が、それ以外のヒトは受け付けないと思う。
主人公は、バカ。
考えるべきところで何も考えていないヤツ。
いつもいつもお間抜けで身の程しらずで、足でまといなことをしては、不幸を呼び込んでいくタイプ。
えぇ、ワタクシとしましては、「セルマ(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』)男バージョン」と呼んで差し上げたくなるくらいのバカかげん。
ま、こいつはどーでもええんですが、主人公の「親友」くんが泣ける。
こいつもバカといえばバカなんですが、主人公が、「落ちたらとても助からない崖の上で綱渡りをしている自分」にも気が付かないタイプだとしたら、この親友君は、自分が綱渡りをしてることも、落ちたら死んでしまう事も、そして、もう落ちかけてしまった事も、ちゃんと知ってるタイプ。
一見、退廃的。だけど、虐げられたマイノリティとして成功し、女の愛を得ようという姿に「純」なものを感じてしまってせつない。
収賄のシーン、パンツも脱いじゃうんだよね。(涙)
それから、もう一人。主人公のおじさんにあたる社長さんも泣かす。
「ファミリー」を大切に思う気持ちに偽りがないのもよくわかるし、自分の築いた地位や財産も大切。そこらあたりの微妙さが、すごく上手いんだな。
ラストが、すっきりしないのもいい。
主人公は相変わらず大バカで、呆れ返ってしまう。結局、誰も救われないし。
もちろん、観客も、腹に黒い塊を押し付けらた気分で映画館を出ることになる。
でも、好きなんだな、こういう映画。
(あ、でも、薦めないからね。観なくていいよ。)
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