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エンドクレジットが終わらないうちに、さっさと席を立った。
ドアを押し開けたら、ロビーで談笑しながら次回上映を待っている女性3人のグループがそろってびっくりした顔で私を見た。
よほど、ひどい顔をしていたのだと思う。
実際、そこらあたりのものを手当たり次第、蹴散らかしていきかねないような風情だったのだと思う。
2001年の映画はこれが2本目だが、「大嫌い」の一等賞は、これで確定。
間違いない。
えぇぃ、こいつより酷い馬鹿女が存在するのなら、出してみる!
どーしよーもない馬鹿女である。
画面のぶれも気持ち悪かったけど、そんなこと忘れてしまうような大馬鹿ぶりである。
単調な退屈な作業をしているときに、なんでもない音からリズムをとって一人で喜んでいることは、私にもよくある。
音楽も好きだ。しんどいときの音楽は、救いだとも思う。
思うように踊れたらすごく楽しいだろうとも思う。
だけど、違うのだ。
・・・・・
たとえば、酒を飲むという行為。
苦しくてイヤなことをどうにかこうにか片付けてから飲む酒と、苦しくてイヤなことと向き合うのがイヤで飲む酒。
同じ「酒を飲む」ということも意味がぜんぜん違う。
後のような酒は、一生に何度も飲むものではない、と私は思っている。
できたら飲まないほうがいい、と思うし、そうしている。
セルマのミュージカルは、まちがいなく、後者の「酒」だ。
どんなに苦しくても ぐぐぐぐっっーーーー と持てる知恵と力を駆使して、その時できる最良の選択をしなけらばならない瞬間瞬間に、この女は、歌い踊るのだ。
ホントに馬鹿だ。
大馬鹿だ。
歌い踊れば、そりゃ、楽しいだろう。
しかし、事態はなにひとつ良くならない。悪くなる一方。
でも、それは、何もかも、歌い踊る自分のせいだ。
あぁ、こんな馬鹿女の息子に生まれてしまったあの子が憐れで仕方ない・・・。
子どもが「宝」と言うのなら、それらしくしてやれよ、この馬鹿野郎。
もー、ホントォに、いやだっいやだっいやだっ。
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