『ダンサー イン ザ ダーク』
2001.1.16
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。。。。。  エンドクレジットが終わらないうちに、さっさと席を立った。

 ドアを押し開けたら、ロビーで談笑しながら次回上映を待っている女性3人のグループがそろってびっくりした顔で私を見た。
 よほど、ひどい顔をしていたのだと思う。

 実際、そこらあたりのものを手当たり次第、蹴散らかしていきかねないような風情だったのだと思う。

 2001年の映画はこれが2本目だが、「大嫌い」の一等賞は、これで確定。
 間違いない。
 えぇぃ、こいつより酷い馬鹿女が存在するのなら、出してみる!

 どーしよーもない馬鹿女である。
 画面のぶれも気持ち悪かったけど、そんなこと忘れてしまうような大馬鹿ぶりである。


 単調な退屈な作業をしているときに、なんでもない音からリズムをとって一人で喜んでいることは、私にもよくある。
 音楽も好きだ。しんどいときの音楽は、救いだとも思う。
 思うように踊れたらすごく楽しいだろうとも思う。

 だけど、違うのだ。

 ・・・・・

 たとえば、酒を飲むという行為。
 苦しくてイヤなことをどうにかこうにか片付けてから飲む酒と、苦しくてイヤなことと向き合うのがイヤで飲む酒。
 同じ「酒を飲む」ということも意味がぜんぜん違う。
 後のような酒は、一生に何度も飲むものではない、と私は思っている。
 できたら飲まないほうがいい、と思うし、そうしている。

 セルマのミュージカルは、まちがいなく、後者の「酒」だ。

 どんなに苦しくても ぐぐぐぐっっーーーー と持てる知恵と力を駆使して、その時できる最良の選択をしなけらばならない瞬間瞬間に、この女は、歌い踊るのだ。
 ホントに馬鹿だ。
 大馬鹿だ。
 歌い踊れば、そりゃ、楽しいだろう。
しかし、事態はなにひとつ良くならない。悪くなる一方。
 でも、それは、何もかも、歌い踊る自分のせいだ。

 あぁ、こんな馬鹿女の息子に生まれてしまったあの子が憐れで仕方ない・・・。
 子どもが「宝」と言うのなら、それらしくしてやれよ、この馬鹿野郎。


 もー、ホントォに、いやだっいやだっいやだっ。

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