2006年12月 188号 羽場頼三郎

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今井正章筆
全国各地で知事や市長の不祥事が続く 条件を満たさない開発許可を出してはダメ
全市で水路に安全柵をつけています 投稿 おかしい 下水道の交付金返還訴訟
2区の県議選に注目の候補 一井暁子 市議会議員として羽場頼三郎は何をしてきたのか(2)


全国各地で知事や市長の不祥事が続く
議会は本来の仕事をしているのか


チェック能力 立案能力を取り戻せ

 福島、和歌山、宮崎、千葉、兵庫など各地で、知事や市長といった行政トップの逮捕や辞任の報道が相次ぎます。官製談合や汚職の原因はどこにあるのでしょうか。

 行政の不正が生じる温床の一つに、権限の強い知事、市長に対する議会の監視が甘いことがあげられます。予算、決算、行政執行などを議会がチェックをする機会と権限が与えられ、そのための費用も出ているのですから、責任が重いのも当然です。死んだ議会、眠った議会と言われるのは、当局提案に盲目的に賛成する議会のことです。

 岡山市議会は、チボリ公園問題での百条委員会の設置、アスポに対する公金支出の否定(予算の減額修正)、安易な専決処分の回避など他の議会と較べると努力をしてきたと自負(手前味噌かもしれませんが)しています。しかし、お前の議会活動が充分なのかと言われると、反省すべき点が多すぎます。議会活性化の鍵は、それこそ議員自身が握っているわけですから、おおいに自覚が求められています。

 そのための動きの一つが、「条例提案」です。市の法である条例の議決権、つまり提案(これは当局もできますが)、審査、議決の権限は、市民に選挙で選ばれた議員にしかありません。私たちは、非常識な病院事業管理者のボーナス問題では2度、近くは開発に関する条例についても議員提案をしました。これらはすべて議会や市政の活性化につながり、市長の独善や専横を封じることに寄与していると思っています。

2006年12月14日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


子どもたちを不幸な転落事故から守れ

全市で水路に安全柵をつけています
議会からの提案が実りました


 岡山市は、全国でも有数の農業市と言われなす。水田も多く、そのため水路も広がっています。農業生産に必要な施設ですが、転落事故が絶えず、子供が死亡する悲しい事故も何件か発生しました。これをなんとかしたいと思い、横田悦子さんと協力しあって、本会議と委員会で質問を繰り返しました。

 それまでは、事故の起きたところや地元から特に要望の上がったところに安全策を設置することしかしていませんでした。また、担当部署も明確ではなく、責任の所在が明らかではありませんでした。

 そこで、まず担当を決めるように求めたところ、農業施設課に決まりました。さらに、水路の危険箇所を全市的に調査し、その危険度に応じてA、B、Cの優先順位をつけて計画的に整備することを提案しました。具体的には、子供達が登下校に使う道のそばにあるもの、流れの急なもの、水深のあるものなどを洗い出し、危険度の高いものから安全策を整備していくべきだというものです。

 この調査には、地域の事情に精通した町内会が協力し、3年計画で事業を進めました。この18年度が最終年度で、一応の整備が終ります。もちろん、これで万全なわけではありません。今後も地域の情報を集め、さらに整備をしていく必要があります。

 愛するわが子を失った親の悲しみを癒すことは出来ないかもしれませんが、亡くなった子供たちの魂を慰め、不幸な事態を生じさせないために議会として出来ることをやっと一つしたという思いです。


2区の県議選に注目の候補
一井暁子が民主党公認で

 来春の自治体選挙で、民主党がどうするかと注目をされていた岡山市2区(岡山市・赤磐郡)の候補者が決まりました。新人女性候補の一井暁子さん36歳です。昭和45年一月生まれで、現在津村啓介衆議院議員の秘書をしています。名前からもお分かりと思いますが、一井淳治参議院議員の娘さんで、弘西小学校、付属中、広大付属高校から東京大学法学部に進んで中退、放送大学を卒業しています。主な政策は、次の通りです。

○ 人が出て行かない、帰ってくる、やってくる岡山県
  オンリーワンのまちづくり。地場産業の振興。地方分権。
○ 誰もが前を向いて歩き出せる岡山県
  十分なセーフネット。公教育・職業訓練・生涯教育の充実。見守る地域。
○ あなたと変える岡山県
  投票に行こう。わかりやすい情報公開と反映される県民参加。県議会改革。

 事務所 岡山市円山87の17  電話086-276-2217


福田小学校のそばに市外の業者が大型遊戯施設の計画
条件を満たさない開発許可を出してはダメ

 市内大福に計画されている大型遊戯施設「ラウンドワン」は、申請が出されて数ヶ月が経過しています。この間、地元からは反対署名が2千名追加されるなど混迷が続いています。放置するなら、妹尾と大福との地元住民の対立にも発展しかねません。開発の許可をだす条件が満たされないのですから、当局は早めに不許可の判断を出すべきです。

 開発の許可に関する条例が今のままでは不当なことは言うまでもありませんが、この条例に従ってもこの許可は出すべきでない理由は次のとおりです。

 許可に当たって重要な要件は、場所と建築物に「公益性」があること、地元の積極的な協力があることですが、いずれも満たしていないことは明らかです。学校の間近に大型遊戯施設が出来ることには公益性があるとは思えません。内規によって「公益性とは雇用の増加」といってみても、子供達が教育を受ける環境を壊すことが公益とはいえるはずがありません。

 またこれだけの反対があって、「地元の積極的な協力」があるとはいえないでしょう。


投稿
おかしいと思っています 下水道の交付金返還訴訟

 下水道の交付金返還訴訟の記事を読みましたが、情けない思いです。岡山市にはあの程度の市長しかいなかったのかと。

 まず、発端に疑惑があります。普及率と交付金の関係は、当時の下水道局長が教えたのではないかと思いますが、動機はきわめて不純です。安宅元市長の政治生命を奪うことが目的で、前市長が情報提供を求めたことは容易に想像できますが、そこには市民のためという思いがどこにもありません。

 原因や経過について何の調査もしていません。いくらの返還金になるのかも考えていなかったのでしょう。加算金を払わなければならないことも。そもそもこの金は何に使われたか、下水道の整備に使われたのです。計算違いがあったとしても、悪意や不正流用などありません。このことを国や県に主張もしていません。直接の担当である下水道局長も財政局長も、国から来ていた建設省と自治省(当時)の役人です。国の責任もあるはずです。

 国から返還を求められても、訴訟で対抗するぐらいでないと、市民への責任が果たせないと思います。支払いは市民の税金ですから。説明会の一つもしたのでしょうか。市長職を平気で投げ出す人ですから、無責任な人ではありますが。

 それにしても、議会の追及も不十分でした。萩原与党が圧倒的だったとしても、もっと声を上げるべきでした。羽場さんにもしっかりせよと、言いたい。  (リポート愛読者)


羽場頼三郎は何をしたか(2)

 市民の手で議会に送り出されて、まもなく16年。反省を込めて振り返ってみます。

【違法建築物の撤去をしました】
 2003年。商店街の中に崩壊寸前の建物がありました。役所の管轄の整理がつかず、所有者が非協力なため放置されていたのですが、危険を回避することが第一と担当者の決断を促して、解体・撤去に踏み切りました。

【放置自転車の整理をしました】
 2004年。駅前の放置自転車は道路の管轄の違いにより、整理・撤去するまでの期間が違っていました。そのため、狭い生活道路に自転車が置かれて、ご近所は困っていました。整理をする日を早い日に統一してこの問題を解決に導きました。

【資源物の持ち去りを止めさせました】
 2004年。資源物回収ステーションから、市民が折角集めた新聞紙やアルミ缶などを抜き取ってしまう悪質業者が横行していました。そこで、それを取り締まる条例の必要性を本会議で主張し、新条例の制定にいたりました。

【補助金の整理をしました】
 戦後の混乱期に税金が集まらなかった時代を背景として、納税貯蓄組合が設立され、そこに市の補助金が出ていました。目的を外れ、ずさんな出し方をしていた補助金を整理させ、1時期には6千万円を越えていた予算を節減しました。


2006年12月 188号 市民リポート

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