2006年7月 184号 羽場頼三郎

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羽場頼三郎 市民リポート
病院事業管理者への非常識な報酬に断 6月議会でも、予算案に反対しました
ただいま6連敗中の岡山市の行政とはなにか 病院事業管理者報酬に続いて「産廃」も「惨敗」


1億5千万円の成功報酬はダメ この判決は納得です

病院事業管理者への非常識な報酬に断


今度は、まともな判決が出ました。かつて病院事業管理者(経営責任者)に約8千万円の報酬を支払ったことが違法とされ、返還とその後の支給差し止めが認められたものです。2千万円の給料に上乗せをして、年間1億円の報酬は公務員として不適切かつ非常識だと主張してきましたが、その趣旨に添ったものです。

これも、前市長が進めた強引市政の一環です。この条例には問題がいくつかありました。報酬額の異常さはもちろんですが、手続き的にもおかしいものでした。赤字削減額の20%以内と定めていたものを何の説明もなく20%に固定したことや、この条例をさかのぼって適用する規定を置いたことなどです。法律上、遡及効といわれるものですが、これを置かないと生命に危険が生ずるような特殊な場合にしか使われないものです。

このような条例を認めるわけにいきません。反対だけでなく、議員提案で2度にわたり修正の条例案を出しましたが、賛成少数で否決されてしまいました。その時には、提案者が5人必要なため、他会派の故・亀井章氏にも加わっていただいたこともありました。結果として非常識報酬を阻止できませんでしたが、議会の良識をかろうじて示せたという思いがします。

確かに当時市立病院は、約90億の累積赤字がありました。その削減に前管理者が力を発揮したことは評価をすべきです。また企業的色彩のある病院事業に、成功報酬の考え方を持ち込むことも全面否定されるべきものではないとは思います。地方の自主性を認めなかった判決に、少しだけ異論があるところです。

2006年7月14日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


ただいま6連敗中の岡山市の行政とはなにかが問われています
地方自治に対して不当な判決も中にはありますが

岡山市にとって異常な事態といってもいいすぎではない裁判の連敗ですが、そのほとんどが前萩原市長がらみであることが指摘されています。もっとも、その評価についてはきちんとした分析が必要です。

まず、市の施設に預かっていた子供の具合が悪くなったときに、すぐ救急車を呼ばなかったため後遺症が発生した件は、市に手落ちがあればやむをえない判決です。

ラブホテル規制の条例が違法とされた判決ですが、リポートの182号で取り上げましたように不当な判決です。萩原流の少し強引な手法でしたが、住民の声に応えようとした目的は評価すべきです。これを控訴しなかったのは残念です。

下水道普及率変更に伴う、元市長などに対する損害請求を認めたのはやはり不当な判決です。交付税返還はともかく、安易に加算金21億円を支払ったのは、前萩原市長です。国から出向してきていた下水道局長や財政局長に責任を認めるなら、国にも責任があるはずです。元安宅市長に責任をかぶせるためにあえて国の責任を追及しなかったのではないかとの疑惑はぬぐい去れません。

病院事業管理者に対する巨額報酬が認められなかったのは、当然です。赤字を減らしたからといって、年間1億円の報酬をもらう公務員はいません。今月号の1面に報告したとおりです。控訴はすべきでありません。

アスポを運営するエックス社が施設購入費を請求されて、一、二審とも敗訴したのは当然です。これは直接市が関与していないとはいうものの、市が後押しをしている会社です。その財務体制に不安があるので、ドームの管理を任せるべきではない、という指摘を無視した市の責任が問われます。云うまでもなく、アスポは前萩原市長の置土産です。


6月議会でも、予算案に反対しました

以前から問題視されている「サイ東町公園」の件です。地元要望が強いからと、かなり変則的なやりかたで進めてきた事業です。議案は、土地を先行取得しているため、それを市が買い取る予算です。

本来のやり方ではなく、地元が土地を買い、公園として整備されたものを買い取る方式を新しく取ると説明されますが、それは基本的におかしい。まず、新しい方式といいながら、これを進める裏づけがありません。市が仕事をするには、法律や条例などに基づかなければなりませんが、そうしたものはなく、要綱すらありません。また、公共の工事を市以外の者がするので、入札などの手順を踏みません。工事の発注や金額も市が関与していませんので、不明朗としか言いようがありません。そして、この方式の方が従来のやり方より安く出来ると当局はいいますが、いつの時点で試算をしたのか、それがいくらだったのかを説明できません。これでは、市民の税金を使うにはあまりにお粗末です。予算はその一部が不当な場合は、修正が出来なければ反対するしかありません。


病院事業管理者の巨額報酬に続いて「産廃」も「惨敗」
これを控訴するのが適当とはどうしても思えません

出る判決出る判決すべて負けでは、岡山市はどうなっているのという声が出るのは当り前です。控訴したりしなかったりの基準も明確でありません。訴訟費用だって、当然かかります。中身の検討が充分でないと、市政に対する不信にもつながりかねません。

6月定例市議会は、異例の幕の閉じ方となったことが新聞などで報道されました。私もはじめての、時間切れによる「自然閉会」になったためです。

二六日に開かれた最終日に、控訴議案が出されたことがすべての始まりです。これは、産廃業者N社を業務停止処分にした裁判において、二審で敗訴確定した結果、別訴で損害賠償を請求されて敗訴したものを不服とする控訴を議会に許可を求めたものです。市の訴訟が6連敗していることもあり、控訴審も敗訴の可能性が大きいと思われました。

市が争いたい理由の最大のものは、「職員の過失がない」という点が認められなかったことだそうです。でもこれは、どう考えても変です。過失が無いのに市が敗訴するはずがありません。これは、ただちに職員個人の責任を問うものにもなりません、職員に故意または重過失があれば別ですが。

それ以外の理由も説得力の無いものです。「市の産廃行政に大きな影響を及ぼす」といいますが、本訴で負けた以上、行政を立て直さなければならないことは当然です。「地裁と高裁の判断が分かれた」といっていますが、その高裁で負けて確定しているのに、今さら何を争うのか理解に苦しみます。結論として、この控訴は断念した方がいいのではないかと思います。

しかし、当局はあくまで控訴をしたいというので問題が紛糾しました。当局に議案を撤回させるべきだ、いやこのまま否決すべきだ、と意見がわかれ、収拾がつきません。会派間の意見調整もついにつきません。結果は、報じられたとおりです。

当初は、当局も議会も「控訴議案」を重要視していなかったことも原因のひとつかもしれません。これまでは訴えの提起などは建前上「議会で決めること」になっていましたが、ほとんどが当局が決めて、それを後から承認をするという形で進められていました。承認をしなくても無効にはなりませんし、否決したことも皆無です。訴えの提起や控訴を認めるかどうか、それを決定する。その重みを議会が実感していなかったことは反省すべきです。当局も議会に対する説明が不十分だったことは否定できません。

確かに、「後味の悪い」結果になりましたが、おおいに反省をした上で今後にこの経験を生かすしかありません。


羽ばたく会の決算報告

皆様のお陰で、今年も活動を続けることが出来ました。有難うございます。

お寄せいただいた会員のお金がどのように使われているか総会でも報告いたしますが、欠席の方やこれから羽ばたく会に入ろうと思われている方のために、例年どおり紙上に決算報告を掲載します。

昨年の特徴は、事業収入があることですが、ご存知のように羽場が副議長になったことで、パーティーをしたためです。人件費が少ないのは、事務局員が退職して、しばらくいなかったためです。

郵送料がいくぶん安いので、市民リポートは郵便局で第3種の認可を取っています。この種の新聞では、かなり珍しいことで、自慢のできることの一つです。ただ、これを維持していくためには、定期発行と一定の数、リポートの有料講読者が必要です。現在では、少し足りません。会員、維持会員、リポート会員の拡大増加が迫られています。総会を機に、一人でも多くの仲間を増やしたいと思いますので、どうかご協力下さい。

       羽ばたく会 会長 姫井 成

羽ばたく会 2005年決算
収入の部
会費  1,408,000
カンパ 72,000
事業収入 2,720,000
合計 4,200,000
 
支出の部
人件費 21,400
光熱水費 162,249
備品・消耗品費 254,286
事務所費 292,564
政治活動費 900,692
リポート発行費 853,299
借り入れ返済  1,400,000
繰り越し 315,510
合計 4,200,000

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