2006年6月 183号 羽場頼三郎

ホームリポート目次前号次号


羽場頼三郎 市民リポート
なんでも市長の責任にすれば良いものではない 本会議は正装か、軽装か 議運で省エネ論争
ごみの有料化を真剣に考える時期ではないか 岡山市の財政状況がわかります


個人に巨額の賠償を認める、またも非常識な岡山地裁の判決

なんでも市長の責任にすれば良いものではない


また、非常識な判決が出ました。下水道の普及率に関する裁判で、これを間違って国に報告した責任のすべてが岡山市にあり、当時の市長、助役、局長個人に支払いを求めるというものです。

今から6年前、国とは違う基準で下水道の普及率を計算していたことが明らかになりました。約30年以上前の岡崎市長時代からのことですが、結果として下水道建設の交付金を約19億円余分に受け取っていたとしてそれを返還しました。さらに、国に損害を与えたとの理由で追徴金を21億円請求されました。それはおかしい、という批判があったにもかかわらず、当時の萩原市長は、市の金庫から21億円を支払いました。

下水道建設と交付金請求の責任者である下水道局長も財政局長も担当助役も建設省、自治省(いずれも当時の)から市に出向して来ており、その仕事が悪いのなら国にも責任があり、岡山市だけが一方的に支払う性格のものではありません。国との交渉の余地は充分にあったはずです。にもかかわらず、ただちに支払いをした萩原氏の責任はまったく問われていません。

さらにおかしいのは、事実関係がはっきりしないのに、責任者として過去の市長、助役、局長のみに限定して責任を認めたことです。収入役や部長は外れています。限定する理由が不明です。

さらにさらにおかしいのは、故意や重過失を安易に認めて、個人に支払いを求めていることです。これが認められるなら、行政の執行者の責任が過大すぎて、引き受け手がいなくなります。

この非常識な判決を控訴したのは、当然です。

2006年6月13日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


ごみの有料化を真剣に考える時期ではないか
増え続ける処理費用の負担公平をはからねば

来年4月には、統一地方選挙が行われます。私は、そこでの大きな争点に「ごみの有料化」を取り上げるべきだと思っています。選挙でこそ、わが街をどうするのかが議論されなければならないと思うからです。

これまでは、とかく臭いものには蓋で、選挙が終わった後で、重要な案件が進められるという傾向がありました。しかしそれでは、選挙に市民が参加する意味がありません。「ごみの有料化」のような問題こそ、争点にするべきだと考えています。

ごみの有料化にあたっては、いくつかの争点があります。私なりにそれを整理してみたいと思います。まず、第一が「何を目的にするのか」です。ごみが増え続けるのは、いくらごみを出してもタダだからで、料金を取ることによって減量化になるのではないか。という意見があります。確かにそうした面もあるかもしれませんが、これだけを強調すると別の方法で減量化すればいいのではないかと切り返されます。

ごみの処理には費用がかかっているのだから、それを出す者が負担するのは当たり前だという意見もありますが、私たちは税金を出しているのだから、二重払いになるという反論が予想されます。処理コストを意識することは意義がありますが、費用のすべてを個人で負担することは、どうかと思います。

私は、ごみ有料化の目的には「負担の公平」が上げられるべきだと思います。ごみをいくら野放図に出そうが、丁寧に分別して資源化したり、減量化の努力をしようがまったく負担が変わらないのは、誰が考えても不合理です。これをあらためて、資源化、減量化の道をつけることが行政の役目です。

次に、どのような方法にするか、です。今ら50年ぐらい前に、岡山市も世帯同一料金の制度を作ったことがありましたが、市民賛同を得られず、ただちに廃止しました。この教訓からも、負担の公平の観点からも、出す量によって料金の違う「従量制」を取らなければなりません。他の都市では、ごみだし容器によって料金が違うところもあるようですが、指定袋有料制のところが多いようです。これだと、袋もー緒に燃やさざるを得ない点は目をつぶるとして、いまの収集方法にあまり変更が無いので、市民にも受け入れやすいと思われます。


本会議は正装か、軽装か 議運で省エネ論争
地球温暖化を考え、夏の暑さを軽装で乗り切りたい

私は小泉さんのやってることは、ほとんど気に入りません。たとえば外交では、アメリカ偏重でアジア軽視、内政では無責任な消費税据え置き、地方いじめの三位一体改革、改革の名前に値しない国民年金改革、不誠実な国会答弁など、例を挙げればキリがありません。しかし、夏の軽装(これをクールビズなどという呼び方をするのは感心しませんが)を進めたことは評価したいと思っています。

6月の衣替えの前に、当局から議会に対して協力要請が来ました。本会議、委員会で軽装をお願いしたいということのようです。昨年は、議会運営委員会で、「本会議では威儀を正す範囲で、各常任委員会では委員長判断で」ということを決めて行ったのですが、どうもそれが不徹底だったと、受け止められていたようです。オカニチや山陽新聞でもそのような書きかたをしていました。

それはおかしな話で、服装は本来強制をするものではなく、各自が判断をすべきと考えています。地球温暖化防止のために冷房を少し抑えるので、それにあわせた服装を社会で許容しようというのが本来の趣旨です。クールビズにしなければならないという「お達し」なら本末転倒ではないか、と申し上げたところ、担当者も「おっしゃるとおり」ということでした。私に言わせると、この手のおしつけがくせものです。これがまかりとおると、住みにくい世の中になってしまいます。

6日に開かれた議会運営委員会では、「室内の冷房設定温度は28度に。服装については、昨年どおりにして6月議会の様子を見よう」ということになりました。


岡山市の財政状況がわかります

家庭で云うと市の借金がいくらあるのか。貯金はどうなのか。などを知る資料として、市の現状と方向を財政面からまとめたものが出ました。すべてを鵜呑みには出来ませんが、参考にはなります。内容は次のとおりです。

外部リンク:岡山市の財政状況〔第8版〕<平成18年6月公表>

【1】財政は依然きびしい状況です
 (1) 市税収入は減少から微増に
 (2) 三位一体改革で地方交付税は減少
 (3) 義務的経費は増加
 (4) 市債残高は総額一人当たりとも減少
 (5) 17年度末の貯金残高は大きく減少
 (6) 財政指標は依然として赤信号の点滅

【2】中核市の中では低いランク

【3】バランスシート、コスト計算書を比較
 (1) 市の総資産は299億円の増
 (2) 中核市の中では負債の割合が高い
 (3) 行政コスト、収入はともに増加
 (4) 一人当たりの行政コスト30万3千円

【4】今後は収支不足が改善する見通し
 (1) 15年間で237億円の不足
 (2) 財政指標は改善傾向
 (3) 大規模事業は減るが

【5】これまでの取り組みと今後の見通し
 (1) 瀬戸、建部との合併、政令市の財政効果
 (2) 市債の平均借入利率は大幅に低下
 (3) 職員を減らし、人件費総額を抑制
 (4) 扶助費、保健医療費等の負担増大
 (5) 乳幼児医療費助成の年齢引き上げ
 (6) 土地改良事業の受益者負担を検討
 (7) 都市公園面積は増大
 (8) 下水道の効率的な普及に努力
 (9) 土地開発公社の健全化に着手


おしらせ
羽ばたく会の総会においで下さい

恒例の「羽ばたく会総会」を開きます。過去の一年間を振り返り、未来を展望します。
新しい会員になってくださる方、覗いてみようという方、どなたも歓迎です。

日時  7月17日(月) 午前11時から
場所  スタジオ・アルファー(豊成プール南側) 電話086(262)8333
内容  議会報告 決算 予算 懇親会
参加費 1000円(懇親会弁当代)
申込  事務局 電話 086(265)0651


2006年6月 183号 市民リポート

ホームリポート目次前号次号