97/09/05

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議会の動き・・・・・羽場頼三郎から

国体は古都南型から撤退か

 ○県が、岡山市の古都南方に予定していた17年国体の主会場をいずみ町の県営グラウンドに事実上変更する方針を示しました。

古都南方では約七百億円ぐらい建設費その他が掛かり、その負担を巡って県と市が論争をしていたところです。県が主催者にもかかわらず、その責任を市に押しつけようとしていたのですが、これには市長はじめ市当局・
市議会が一致して反対をしていました。

県は「県市負担金条例」というものを持ち出して市に負担を押しつけようとしていますが、地元市町村の同意がないのに経費を負担させる条例は違憲の疑いすら有ります。

いずみ町でやるとすれば、百億円位の経費で済むという試算もあるようですので、市の頑張りによって市民の負担は軽くなりそうです。ただ、ここは「遺跡」があるために県が初めの段階で困難としてあきらめていた場所なので、まだ最終的な決定とはならないようです。

定数削減と選挙区分割の声

 議会で最近、定数削減のことが話題になっています。私は、議会改革論議から市民の目をそらすものとして警戒しています。

 本来の議会改革とは、公平・公開な議論の場を確保し、研究や勉強の機会を増やして、条例の制定などに議員がイニシアチブを発揮するなど、議員としての質の向上を図ることが上げられなくては成りません。選挙の改革
では選挙公報の発行をテーマにする必要があります。

 賛成派は「議員の定数が少なくなれば議員の質が向上する」「経費の節減になる」といった理由を上げていますが、市民の声が反映する議会を作る発想はないようです。

 また、県議会が旭川で選挙区を分割する(見込み)ので、市も同じにすべきという意見もありますが、なんの合理性もないことです。むしろ、議員から全市的な視野を失わせるマイナスの方が大きいと思います。

健寿会の調査は徹底的に

 岡山市の北浦に建設され、業務を既に開始した特別養護老人ホーム「プルミエ」の健寿会についての疑惑が吹き出しています。

 新聞で報道されているように、この種の施設には設定できない抵当権を大成建設が未払い代金のためにつけたため、岡山市が特別監査を行いました。そこで、その設立や資金繰りに疑惑が持たれているものです。

これらの施設は国や市から多くの補助金をもらって事業をしていますが、それを目的外に使ったのではないかとの疑いです。安易に法人を認可した手続きに厚生省の族議員や当時の知事が関与した疑いもあります。例の岡光元次官の事件を思い出します。

 この施設を利用している方や、入所している方に迷惑がかかることは望ましく有りません。新しい理事さんが選出されたそうですので、その方々による健全な運営も期待できます。ただ、疑惑が具体的になれば、私は「百条委員会設置」に賛成です。現在入所されている方のためにも、すっきりした運営がなされるための調査を期待します。

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金明石さんからの手紙の続きです。

私たちに地方参政権をC   大阪市福島区  金 明石(きむ・みょんそく)

政治参加に国籍条項は必要か。

 私は常々、参政権を持つ日本国民にお尋ねしたいと思っていることがあります。誰か答えていただけませんか?「あなたに参政権は必要ですか?もし必要なら、それはなぜですか?その理由を教えてほしい。そしてその理由の中に国籍が異なることで不都合なことがひとつでもありますか?」

 もし日本国民の多くが、自らの参政権を本当に大事に思い、その必要性を十分に認識していれば、北欧諸国がそうであるように、私たちに地方参政権を付与することにもっと積極的になるはずなんですが。残念ながら「参政権が欲しければ『帰化』すればいい」という声がよく聞こえます。

 その国の国籍を取得するかどうかは多分に私的でデリケートな問題なんです。決して、『帰化』しなければ親方になれないぞとか、試合に出さないぞとか、子供が公務員になれないぞと脅されて仕方なしに日本国籍を取るものであってはいけないんですよね。その国の国籍を取る、取らないは個人の自由でなければなりません。そして、国籍が違うというだけの理由で就職や入居や政治参加その他の差別があってはいけないというのが、私たちの主張です。それに、いま『帰化』するということは国籍による差別を認めてしまうことになるんですよね。差別があるから、その差別を個人的に回避するために『帰化』をするんですから。社会的に弱い存在としては仕方がないのですが。涙が出ちゃいますよ。

 私たちの地方参政権獲得運動が、人類にとって自由と平等がどれだけ大切で、民主主義の成熟こそが人類の未来を明るく照らすことを日本社会に広められれば、とてもうれしいです。私たちは自分たちの人権意識と市民意識の高まりによってこの運動に関わってきました。もっと自分の所属している地域社会に責任を持ちたい。そのために積極的に社会参加して行きたい。そしてありのままの自分を認めて好きになりたい。自分を差別したくない。それがこの運動の大きな原動力だと思っています。私たちが地方参政権を獲得することはきっと日本社会にとって大きなプラスになることでしょう。より一層の皆さんのご理解とご協力をお願いします。

羽場から〕これで4回にわたった「金さんからの手紙」も終わりました。国とか民族とか政治参加を考え直すきっかけになったら幸いです。参政権を認めることが、日本社会のためにもなるという主張はいかがでしたか。「帰化したらいいじゃないか」という言葉の虚しさが感じられたなら、この長い手紙を掲載した意味があります。これからも、こうした問題には積極的に取り組んでいきたいと思っています。


 岡山市は1万1千人に一人の議員

 議員の定数が話題になりますが、一人の議員が何人の市民を代表しているのかを知っておく必要があります。参考にして下さい。

都市〕 〔人口〕〔定数〕
岡山市  62.0万 〔54〕 11,255人に一人
倉敷市  43.0万 〔48〕  8,952人に一人
津山市   8.9万 〔30〕  2,965人に一人
玉野市   7.3万 〔27〕  2,691人に一人
笠岡市   6.1万 〔26〕  2,359人に一人
井原市   3.6万 〔22〕  1,645人に一人
総社市   5.6万 〔24〕  2,337人に一人
高梁市   2.5万 〔22〕  1,128人に一人
新見市   2.6万 〔20〕  1,284人に一人
備前市   3.0万 〔22〕  1,385人に一人
堺市   79.5万 〔52〕 15,288人に一人
熊本市  64.9万 〔52〕 12,841人に一人
鹿児島市 54.8万 〔50〕 10,960人に一人
浜松市   56.9万 〔48〕 11,854人に一人
歌志内市  0.8万 〔18〕   430人に一人
横浜市  326.7万 〔94〕 34,745人に一人

97/09/05

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