97/07/05

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金明石さんからの手紙の続きです。

                 大阪市福島区  金 明石(きむ・みょんそく)

  2.平等な社会が私たちの望み

 『平等』について最近よく考えます。ある辞書に「平等とは人間の間に価値の違いを認めないという主張」だと載っていて腑に落ちました。この前提には、人間はだれでもすばらしい価値を持って生まれるんだということ、だからこそだれもが人として大事にされる権利をもっているんだということがあると思うんです。しかし、現実には人の間に価値の違いつけようと、その一方の価値をわざと曇らせるようなことをしているわけです。

 例えば私たち在日韓国・朝鮮人が通名(日本名)を名乗っているのを不思議に思わない人が多いようですが、世界的に見て定住外国人が差別のためにその民族を隠し、またはその国に恭順であることの証としてその9割以上が通名を名乗らざるをえないでいるという例は決してないでしょうね。

 『創氏改名』は名前の持つ人を呪縛する力を利用して、植民地出身者に天皇の赤子として銃を持たせる必要から施行されたといえると思います。そしていまだに国籍や民族による就職や入居の差別、子供たちの世界に蔓延するいじめ等によって、私たちは通名を名乗ることを、そして出自を隠すことを余儀なくされています。創氏改名に利用された名前の持つ人を呪縛性はまさに現代にも生きているのです。日本社会に従順であること、日本社会では見えない存在になること。これこそ私たち在日韓国・朝鮮人の価値が著しく曇らされていると感じる最大の点のひとつなのです。

 よく「私は民族差別をしていない」とおっしゃる日本人に出会うことがあります。ここにもいらっしゃるかも知れません。私も学生時代、当時女性の権利意識に目覚めた韓国学生連盟の女性メンバーに、「僕は女性を差別したことがない」と言い放って失笑されたことがあります。今思えば恥ずかしい限りです。結婚して、子供ができて初めて自分がかなりひどい女性差別主義者だったことが分かりましたね。人権意識が低かったのです。

 人権意識を育てることが民主主義国家の最大目標のひとつであることは論を待たないでしょう。ではその人権意識はどうすれば育てられるのでしょうか?それは人は誰でも加害者になり得るという認識だと思うのです。男性が女性に対し、親が子に対し、若者が高齢者に対し、いわゆる健常者が障害者に対し、日本人が在日韓国・朝鮮人に対し、そして自分が自分に対し、意識しなければ気づかないうちに加害者になってしっているのです。だから、大切なのは、自分が人として大切にされていないという人の訴えを耳を澄まして聞くこと、そしてその人の気持ちに心を馳せ、おもんぱかって見ることではないでしょうか。その意味で加害者いしきとは愛そのものから生まれたものであるといえるでしょう。人権意識は愛によってしか育てられないのです。

 日本社会が例えば在日韓国・朝鮮人に対して加害者意識をはっきりと自覚するようになれば、日本社会の人権意識は飛躍的に高まるでしょう。在日がいまだに通名を名乗らざるをえないでいることの責任を国や自治体は加害者として自覚して欲しい。そうすれば帰化した人も含めて本名(民族名)を名乗れるようにするためにはどうすればよいか、真剣に考えることができるだろうと思うのです。加害者責任から眼をそむけると、市民の人権意識の低下を招き、結局、民主主義国家の自殺行為になりますよ。


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紙・土・プラスチックのリサイクルを 

羽場議員6月議会の質問要旨〓  

羽場 古紙の価格が暴落している が、古紙を原料とした再生紙の利用 を強く働きかけるべきではないか。

○市長 市が使うのはもちろん、市民や事業者に積極的に働きかけるつもりだ。

羽場 古紙回収の費用が逆有償になったら集団回収を維持するため市は動くのか。

○市長 補助金を出すなど、考えたい。  

羽場 建設残土のリサイクルについてはどのように進めるつもりか。

○都市整備局長 重要な課題であるので、発生量の抑制、有効利用の促進、適正処理の促進、処分場の確保につとめたい。

羽場 下水道の建設残土の再利用は。

○下水道局長 8年度実績は、発生量が16万4千5百 に対して約12%にあたる1万9千6百 を改良土として再利用している。5年度は約18%の利用率だが、8年度は再利用のできないポンプ場、処理場の建設が多かった上、工法のため使用率が減少した。今後、改良土の利用対象工事の見直しをはかり建設残土のリサイクルにつとめたい。

羽場 ダイオキシン対策はまず発生を抑えるため、プラスチックを燃やさないことが必要である。市の考え方は。

○市長 プラスチックはリサイクルすべきと考えているが、処分地の寿命が短くなっていることもあり、やむを得ず燃やしている。塩素を含んだ製品の排除については、全国都市清掃会議を通じてメーカーに働きかける。

羽場 松くい虫防除の薬剤の空中散布は効果への疑問や安全性の面での不安もあり、県下の町でも取り止めたところが出てきているが、市も見直しをしたら。

○経済局長 地元からの要望もあるので現在一か所のみ行っている。見直しについては考えてみたい。

97/07/05

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