1999/11

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笑い事ではすまない「お笑いの吉本誘致事業」

説明不充分なまま土地と建物購入に4億4千万円の予算
変則的な買い取り計画

 北九州市で監査委員会の研修会が行われ、ついでに足を伸ばして博多に行ってさました。吉本が小劇場を作って興行しているということで、実際の地方の「吉本」をこの目で見ようと思ったからです。

 博多駅の隣で、交通センタービルの六階の一一一劇場という、百人余りしか入れない小さな劇場ですが、若い人で七割くらい席が埋まっていました。演じているのも若い芸人で、博多弁でまくしたてるコントのようなもので正直面白くありませんでした。月に一、二回は大阪の有名タレントも来るようで、その時には入場料も高いそうです。

 売主である天満星ハウジングが建物を劇場に作り替えて、それを岡山市が土地と共に買いとるという方式を、市長は「PFI的手法で、安く買い入れる」といいます。でも、PFIとはプライベート ファイナンス イニィシアティプの略で、公共施設などの設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用して効率的かつ効果的な公共サービスをの提供を図るという考え方です。演劇などの興行や劇場運営は本来民間で行うもので、それを市がするのはまるで逆です。「的」とはよくもいったものです。

 「吉本」の芸に対する評価はいろいろあるでしょうが、この劇場建設(劇場買い取り)はあくまでも「都心活性化事業」です。吉本を歓迎する声とともに、「市の金を使った特定の企業救済策だ」という話はよく聞かされます。当然ですが、これを打ち消すためにも「市で造ればこれくらいかかるが民間で造るとそれよりもこんなに安く出来る」という分かりやすい説明をしてもらいたいものです。

99/11/05 岡山市議会議員 羽場頼三郎


1999/11/05

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