2011年3月 213号 | 羽場頼三郎 |
国難に立ち向かう政治は岡山にも必要 | 廃食用油のリサイクル |
大震災に対して取りあえずできること | 高齢家庭のごみを取りに行きます |
決算が不認定に | 飲料水を被災地に緊急輸送 |
大震災に遭われた皆様にお見舞い申し上げます
国難に立ち向かう政治は岡山にも必要3月11日は日本人にとって忘れられない日になりました。関東・東北の大地震と大津波、その後の原発事故はまさしく国難です。亡くなられた方のご冥福を祈り、被災された方の再起を願うばかりです。
この災害は他人事ではありません。南海・東南海地震は向こう30年以内に発生する可能性が70%だそうですから、岡山が災害の少ない地域だと思い込んでいると今回以上の被害が出ることになります。もちろん、今でも「防災計画」はありますが、根本的な見直しが必要です。津波対策をはじめ、防災訓練の徹底はできるのか、避難場所になる学校や公的施設には建築時点でヘリポートが備えられているのかなどです。行政と企業と家庭とが目的をひとつにして取り組むことが求められます。
原発依存の社会も変えなくてはなりません。エネルギー需要の抑制をする覚悟が必要です。それにより生活が不便になっても、産業が落ち込んでも耐える未来を受け入れるべきです。
この大地震によって日本は苦難の道が始まります。災害の復旧だけでも巨額の金が必要です。何兆円かかるか想像もつきません。それを国民すべてが負担しなくてはなりません。国債発行や増税が必要となるでしょう。新しい政策を打ち出す余裕がない以上、民主党のマニフェストは変更もしくは凍結をする決断も必要です。国の存立が危ういときに政党の面子など考えるべきではありません。これを認めない国民もいないはずです。
岡山市も国からの財政援助が減ることは覚悟しなければならず、市民生活も少なからず影響を受けることは必然です。行財政改革とは別の次元の歳出削減もやむを得ません。2011年3月20日 岡山市議会議員 羽場頼三郎
市議会が主導して取り組む 大震災に対して取りあえずできること
岡山市は1億円の見舞金 大地震と大津波被害の地域に
未曾有の大災害に岡山市として、レスキュー隊員の派遣やタンク車の提供のみでなく、見舞金を送ることが議会から提案されました。14日月曜日に話し合いが持たれ、その翌日に臨時議会が開かれる運びとなりました。
会議冒頭で多くの死者・行方不明者に対して出席者全員の黙祷がなされ、 その後直ちに見舞金を送る提案があり、全会一致で承認されました。額にして1億円の見舞金が、多いか少ないかは議論があるかもしれませんが、早く実行することが肝要というわけです。送り先は、政令市として連携している仙台市になる予定です。
議員有志で街頭募金活動
東北・関東の大震災に対して議会としてなにかできないかという思いから、街頭募金に自ら取り組むことになり、早速臨時議会の翌日に岡山駅前に立ちました。
超党派の議員有志で1時間あまり、街頭から訴えたところ、45万7千564円の浄財が集まりました。
議員の義援金も集めました
阪神淡路大震災の時にも議員の義援金を集めましたが、今回は倍額の一人2万円にして計百万円を街頭での募金に加えて送ることにしました。
決算が不認定に
会計検査院の指摘を受けて、市が二一年度の会計処理について調査しました。その結果、やはり年度を越えての支払いや、品目を勝手に変えたり、市内から離れた所への物品購入に対する出張旅費の支出が出てきました。これを受けて私が委員長を務めた「一般会計決算審査特別委員会」では全員が不認定の意思を表明し、本会議でも不認定の結果となりました。
廃食用油のリサイクル
本会議での質問で、食用あぶらのリサイクルについて市の姿勢を質しました。
積極的に取り組んでいることは評価できますが、まだ成果に結びついているとはいえません。 そのネックのひとつが回収量です。家庭から出るものと事業所からの食廃油のいずれも伸び悩んでいるようです。リサイクル意識の向上と回収システムの改善が必要です。
もうひとつのネックが利用に関するもので、混入率が低いことと、軽油引取税の課税です。食廃油の再生油は軽油に混ぜて使われることが多いのですが、その場合に5%までしかメーカー保証が効かないため利用が抑えられています。さらに食廃油100%なら無税の引き取り税が、混入すると全体に対して税金がかかるので、食廃油利用のメリットが少ないのが実態です。この改善の道筋を示すことを求めましたが、県・国に申し入れをしている以上の答えはありませんでした。機会があれば、地元国会議員を使って国への働きかけをしてみたいと考えています。
高齢家庭のごみを取りに行きます ただし粗大ごみに限る、でいいのか
今回の議会で明らかにされましたが、市がやっと「ふれあい収集」を制度化しました。これまで私は、高齢社会に取るべき政策として、ごみを持ち出せない家庭のために「市の職員がごみの搬出まで手を貸すべきだ」といってきました。高齢家庭のみではなく、障がいをもたれている方ももちろん対象です。市がごみの有料化に踏み切ったときに、これを導入するべきだと考えていました。
この制度を考えるとき、大切なことがあります。一番いけないのは「ごみを持って行ってやる」という意識と態度です。これを克服するかどうかが、これを魂のこもった制度にできるかどうかの大前提です。
今回は、職員の意識改革に一応のめどが立ったということでしょうか。だとすれば、市の姿勢をおおいに評価したいものです。しかし、これまでは職員組合の「善意の活動」としてごくわずか(市内で数例)でも行っていたことを考えれば、市の方が遅れていたというべきでしょうか。しかも、粗大ごみというごみの中のごく一部ですから、まだ高い評価を与えるのは早すぎるかも知れません。
緊急リポート 飲料水を被災地に緊急輸送
東北の被災地で飲料水不足の情報があり、市内の桃太郎温泉のタンクローリーで温泉水(飲料)を緊急輸送することになった。18日、緊急通行の許可を南署で取って当日夜に出発、高速を乗り継ぎ、一般車両通行禁止(一部)の東北自動車道で北上。福島県の災害対策本部と連絡を取り合い、翌日午後4時に目的地の西白河郡矢吹町に到着。山間部で津波は受けていないものの水道が寸断、まだ3割しか使えていない。復旧の見通しは立っていないとのこと。
途中、陥没した道路や倒れたブロック塀が目につく。町によると人的被害は死者1名重軽傷者が7名と比較的少ないが、全壊の家屋が60戸、損壊が2400件。268人が避難生活を送られている。当日の朝もマイナス7度の気候。農地のひび割れや崩壊が150箇所、道路も250箇所、学校などの施設が使用不能や立ち入りができない状態になっている。原発から直線距離で150キロ離れているにもかかわらず、農家の出荷した野菜が返還されるなどいわゆる風評被害で深刻な事態になっている。
持参した水容器や粉ミルク、紙おむつなどを降ろした後、直ちに指定場所に行って受水槽と大型タンクに注水して任務完了。町長さんに労っていただき、午後8時前には出発。直前には震度3の余震。交替で運転してほとんどノンストップで帰路に。被災地に近い道路では道にかなり凹凸が出来ていて、車が振動で突き上げられた。私もハンドルを握り、昔取った大型免許が役に立った。(羽場頼三郎)
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