2011年1月 212号 羽場頼三郎

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今井正章筆
地方主権が進めば条例が法律を上回る 小水力発電を西川で実証実験
暴力団を排除する条例を岡山市でも 決算の認定が延期に
区割り選挙が始まる およそ半分の市民は知らない 編集後記

地方主権が進めば条例が法律を上回る

 国が本気で改革を進める「総合特区」の構想

 報道によれば、「総合特区法案」の骨格がまとまったそうです。これに期待しています。特に注目したいのが、地方自治体の条例を国の法律や政令より優先させる、「上書き権」が認められることです。もちろん、特区内に限ってですが。

 私は、条例が法律を上回る場合を認めるべきだと言ってきましたが、誰もそれに耳を貸そうとしてきませんでした。特にお役人は、「とんでもありません。ありえないことです。」の一言で片付けられてきました。しかし、これが実現すると幼保一元化の展望が開けてきました。幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省と管轄が分かれていたため、子供たちのための施設が二重になり、親や子どもの希望がかなえられませんでしたが、一体的な運営が可能になります。

 環境面でも、おおいに期待できます。岡山が「環境先進都市」を目指そうと思えば、リサイクル製品の利用を進めたり、雨水利用や屋上緑化を義務付けたり、思い切った政策を実現できます。産廃処分の厳格化など、市がしり込みをしていたものが、やろうとすればできる「新しい行政」が可能になるわけです。

 しかし、喜んでばかりはおられません。今の行政当局や議会が、そうした新しい取り組みができる環境にあるかどうか疑わしいからです。法律の知識はもちろんですが、この条令をつくれば市民のために良くなるのかどうかを判断する能力を磨く努力をしないと、宝の持ち腐れになりかねません。当局は、法律の解釈は県や国の官僚任せ、政策も国や県の動向を見てからという体質を改善すること。議会も、市長の提案だから無批判に受け入れるという妙な癖を直さないと、とんでもないことになります。

2011年1月2日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


本会議で市の積極的な姿勢を求める
暴力団を排除する条例を岡山市でも 距離規制を二百ではなく五百メートルに

 市議会と県議会は、同時に開かれることが多いようです。十一月議会も最終日が十五日と二十一日とに分かれたようですが、審議の日程はほぼ同じでした。県議会で出された「暴力団排除条例」に注目しました。私がかつて求めたような内容が含まれていたからです。それは、他でもありません、暴力団の事務所をしないに建てさせない趣旨です。

 これまでの当局見解では、事務所そのものは建築確認が出されたら、自治体はそれを拒否できない、というものでした。しかし、この条例では「距離規制」という考え方を入れて、「子どもや生活を守る施設から二百メートル以内には、事務所の設置を認めない」と定めることで、事実上暴力団の締め出しを正当化するものです。この趣旨には誰しも賛成です。

 だからといって、県がつくる条例をそのまま受け入れるだけで市民の生活が守れるとは限りません。岡山市は岡山市民の立場に立って、もっときびしい規制を考えるべきだ、これが私の主張です。具体的にいえば二百メートルではなく、せめて五百メートルぐらいの規制はできないか、と質問しました。これに対する答弁はきわめて不満なものでした。一言で言えば、「県がつくった条例の推移を見守る」とでもいうべきもの。この答弁のどこに、「われわれは市民の生命や生活を守るのが使命だ」という気概が見られるでしょうか。

 二百メートルにした根拠は、「風俗営業の規制」に準じたものだそうですが、暴力団と風俗営業を並べて論じること自体がナンセンスではないでしょうか。暴力団の存在を認めてもしょうがないという、消極的な姿勢は将来に禍根を残すものです。


区割り選挙が始まる およそ半分の市民は知らない

 今年の選挙から、岡山市議員議会の選挙が大きく変わります。岡山市が政令市に移行したためで、選挙区がこれまでの全市1区から区割りになります。羽場頼三郎でいえば、現在の住所である南区が選挙区になり、南区に住所のある有権者しか投票できません。

 しかし、私が独自に調べたところによると、肝心なこの制度変更をまだ半分近い方がご存知ないようです。もしこのままの状態が続けば、行われた選挙で無効票が多数発生する恐れがあります。たとえば、羽場頼三郎のように岡山市全域の方から支持していただいていたような候補者は特に不利になりかねません。選挙の公平を守るためにも、周知徹底が必要ようと思われます。

 選挙日程はすでに確定しています。
 選挙のスタートは四月一日(金曜日)。
 投票は、四月十日(日曜日)。
 県議会議員の選挙と同時に行われます。
 なお、市議会議員の定数も変わり、南区について言えば十三名です。

南区の学区と町名
【福浜】
新福・福富東・福富中・福富西・福成・浜野・豊浜町・富浜町 【平福】州崎・三浜町・平福・福島・海岸通・福浜町・福浜西町 【福島】若葉町・千鳥町・並木町・立川町・市場・築港栄町・築港元町 【南輝】あけぼの町・松浜町・築港新町・築港緑町・築港ひかり町・南輝 【浦安】浦安本町・浦安南町・浦安西町 【芳泉】福田・泉田・当新田・豊成 【芳田】新保 【芳明】万倍・米倉・下中野・西市 【妹尾】妹尾・箕島 【福田】古新田・大福・妹尾崎・山田 【東畦】東畦【興除】中畦・内尾【曽根】曽根・西畦 【藤田】藤田 【甲浦】郡・宮浦・北浦・飽浦 【小串】小串・阿津 【灘崎】川張・西高崎・迫川・奥迫川・西紅陽台・西七区・北七区・宗津・植松・片岡・彦崎
(学区が違っても同じ町名は省略しています)


小水力発電を西川で実証実験 市の前向きな取り組みを評価する

 私にいわせれば、世界に誇れる画期的な実験施設です。小水力発電は、注目をされながらその技術開発にまで踏み切ることはほとんど無かったといってもよいのですが、岡山市が市内の中小企業の努力で実際に発電システムを作り上げ、市内の西川で実証実験を行いました。

 世界最大の発電所はブラジルとパラグアイ国境のイタイブダムか中国の三峡ダムといわれていますが、世界最小は岡山に存在しました。技術監修も市内の技術者(早稲田のOB)が行い、十月から十二月にかけて西川公園内の水路で実際に電気を作り続けました。説明板の表示と夜間照明のエネルギーとしてその電気が使われました。この成果が単に「終わりです。ご苦労さんでした」となるのはあまりにもったいないと思います。

質問 (1)実証実験のこれまでの評価は (2)応用は考えているか

答弁 現在のところ当初想定していた発電量を上回っていることから、近々、クリスマスイルミネーションの追加を検討しています。市民の皆様の反応も概ね良好であり、水車で発電した照明を体感することを通じて、自然エネルギーや地球温暖化対策に関する環境学習の場になっている。今後、他の実証調査結果や、費用対効果などを総合的に評価した上で、本市の特性に応じたクリーンエネルギーの効果的な活用策につい検討していきたい。

再質問 調査終了後、設置した水車を有効に活用できないか

答弁 あくまでも仮設であり、設置している物件は本市の財産とすることはできませんが、この水車が有効に活用されるよう、関係機関と協議していきたい。

【ことば解説】
 小水力発電とは、川のせせらぎや水道の水などを使って電気を作ることをいい、エコ技術として、将来を期待されている。


決算の認定が延期に

 決算委員会は例年十一月議会で、認定不認定の議決をします。しかし、最後になってこれが延びることになりました。国の会計検査院の指摘により、国の補助金を受けてした事業の一部に目的外の支出や年度を越えての発注や支払いの事実が明らかになりました。さらに、税務に関係する職員の不正行為が発覚し、これが決算に影響を及ぼしかねない事態になっているからです。

 実は会計検査院の指摘は十九年度のものですが、同じ事業を二十年度にもしています。そこに不適正な処理があったかどうかを市が大至急に調査をし、これを受けて委員会としての判断を改めてすることにしています。

 一度は「決算を認定する」との結論を出したのですが、その直後に新聞報道があり、結論を保留したわけです。これには「一事不再議」にもとるのではないかとの意見もありましたが、本会議とは異なる委員会の性格から、この原則は必ずしも適用されないと判断しました。二月議会の冒頭までには結論を出します。


編集後記
 
新年あけましておめでとうございます。

 12月発行の予定が、思いがけない事態が連続して、年を越してしまいました。11月議会の報告などしなければならないところですが、この号でさせていただきます。リポートを議会の報告に限らせていただいている関係で、私の活動分野のすべてについてお知らせできていません。なにか良い方法はないかと考えているところです。

 どうか今年が読者の皆様にとって、良い年でありますように。


2011年1月 212号 羽場頼三郎

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