2010年2月 207号 | 羽場頼三郎 |
後世に悔いを残す御津の処分場許可 | 本当にタンチョウでよかったのか「市の鳥」 |
奨学金制度は給付ではなく貸与のままで | 街角情報 |
市民ネット市政報告会 | 水俣の甘夏を食べませんか |
後世に悔いを残す御津の処分場許可岡山が産廃銀座になるおそれも
前の号で御津の産廃処分場計画に許可を出したのは軽率と、かなりきびしく市の姿勢を批判しました。心配どおり、御津地区の他の場所での処分場計画が表面化しています。かなり具体的な計画が二つ、それ以外にも四箇所ぐらいの大型処分場計画があるそうです。なぜ出てきたか、いうまでもありません。市民や議会の反対があっても、「裁判にするぞ」と脅すと当局は弱腰になることを知ったからです。
このような話は、どこかで聞いたことがあります。岡山は右翼が多いといわれます。騒音防止条例もなんのその、黒や白の街宣車がわがもの顔で市中を練り歩きます。組合や団体が会場を借りているのに、その利用をさせないように自治体に圧力をかけて、一度成功したから図に乗っているのです。
もちろん、すべての産廃処分業者がやくざまがいだとは言いません。私の知っている業者にはそんな人はいないと思います。しかし、悪質な業者にかかっては岡山市のような自治体は赤子同然です。少々法を犯しても、いやあれは故意ではない、他の業者の責任だなどと逃げ切ります。足守の某業者は、大量に捨て放題にし、それを撤去するのは事実上無理だと、結局、当局に現状回復をあきらめさせました。
産廃は企業活動から出たもの、民間の責任で処理すべきだというのは過去の理屈です。これに捉われていたのでは、ごみ処理問題の解決ははかれません。ごみの質が以前とは違い、はるかに危険を伴うものになっているのですから、安易な地中処分を禁止し、収集・運搬などはともかく「埋め立て」は公共が責任を持つべきです。2010年2月2日 岡山市議会議員 羽場頼三郎
奨学金制度は給付ではなく貸与のままで
返済は次世代へ貢献できる喜びも昨年十一月議会の最終日に、出された意見書ですが、賛成しかねるものがもうひとつありました。それは育英会の奨学金についてです。教育に関する予算を増加してもらいたいという意見書でした。教育にしっかりお金をかけることには賛成です。日本と並んで軍隊を憲法で無くしたコスタリカは、軍隊では平和は保てず、教育こそ国を作る信念を持っていました。これは日本も見習うべきです。
そのことと、奨学金を給付つまり与えてしまうことは別です。奨学金はそのお金で勉強して、返すところに意味があるのではないでしょうか。社会からお金を出してもらい、収入を得るようになったから社会に返済する。私の経験からいえば、返済が終わった時にはやっと一人前の社会人となったように感じて、大変いい気分でした。この気分を若い人にも感じてもらいたいと思っています。そしてそのお金を次の人に使ってもらう。そうやって社会との関係を形作る制度は変える必要を感じません。
今のように予算がきびしいつまり金がないときにはこのお金が減らされることもあり得る話です。それでは困ります。返ったお金はまた使われるわけですから、予算を圧迫することも少ないと思います。
これには、市民ネットでも意見が別れ、私一人が反対しました。議案に対する賛否はなるべく統一するのが会派の原則ですが、このような陳情や請願の賛否には例外を認めているためです。
市民ネット市政報告会
新年明けての十九日、南方のきらめきプラザで「市民ネットの市政報告会」行われました。十二月の本会議で代表質問に立った鬼木のぞみさんが幹事役になり、メンバーがそれぞれ報告役をつとめました。総務委員である田原清正、保健福祉委員である下市このみさんがER構想、総合医療センターについて話し、環境消防水道委員の近藤昭さんは消防署の新設、農業委員として農業用地転用問題について報告をしました。経済委員の長井孝介さんは観光政策、市民文教委員の鬼木のぞみさんは人権啓発についての話をしました。
私は、御津の産廃処分場の許可を出した市の姿勢とその裏にある事情を報告しました。この許可を出したために、すでに3箇所目の処分場計画が持ち上がっていて、このままでは御津は産廃銀座と言われるようになりかねません。この責任は軽率にも許可を出した市長にあるとしか言いようがないのですが、本人はおそらくそんなことは考えてもいないでしょう。
今回も時間の配分が悪くて、思い切り話が出来なかった残念ですが、こうした企画は今後も続けてもらいたいという声が多いので元気付けられます。
本当にタンチョウでよかったのか「市の鳥」
市民や議会の声を聞かず市長の独断で6月議会でも取り上げた「市の鳥」ですが、11月の議会では総務委員会で賛成、反対の声が上がっていることを受けて両方の陳情を継続審査にしました。ところが、こうした市民や議会の意向を無視して岡山市は市の鳥を「タンチョウヅル」に決定し、公表しました。
市の鳥を決めるにあたり、議決を必要としませんが、議会の議論を無視したやり方は問題です。市長は二期目の選挙がうまくいったので図に乗っているのだろう。とか、市の鳥をタンチョウにというのは、市長の応援者が主に言っていたので、選挙のお礼ではないか。という陰の声が聞こえてきました。そんなことを言われること自体が市長にとってマイナスだと思いますが、それが耳に入らなかったのか、入っても気にしなかったのかは知りませんが、後味の悪い「市の鳥」選定です。
賛成論の主なものは、次のとおり。政令市に市の鳥がないのはおかしい、岡山市にある後楽園にタンチョウが飼われていてそれがシンボルになっている。推進派が行ったアンケートによるとタンチョウという意見が多かった。
反対論は。飼われている鳥ではなく、岡山の自然の中にいる鳥の中から選ぶべきだ。そもそも市の鳥を決めることを急ぐ必要はない。桃太郎伝説からしてもキジにすべきだ。サッカーで売り出し中のファジアーノはイタリア語でキジなのだからそれをアピールすべきだ。
キジについては、現在「岡山県の鳥」だから同じにすべきでないという意見もあります。逆にタンチョウについては、中国が「国の鳥」に決めようとしているという情報もあります。
日本野鳥の会岡山県支部では、ミサゴ(タカに似た猛禽類)を提案されていたようですが、これも無視されました。
街角情報
◇新福のおいしいたこ焼きとして評判だった「ラ タコポン」が、新装開店しました。場所はこれまでと同じ「新福三角公園」の南側です。開店日と営業時間に気をつけないと、空腹を抱えての空振りに終わります。
営業日 月・火・金・土
営業時間 午後3時から午後7時まで
◇東チモールのコーヒーが売られているのをごぞんじでしょうか。ポルトガルからの独立後にインドネシアに占領され、悲劇の島といわれた国です。独立後も苦難の道を歩んでいます。主要な産業はコーヒーの生産しかなく、経済的に苦しい状況が続いています。そのコーヒーを飲むことで、ささやかな支援ができるとは思いませんか。蕃山町の下村珈琲さんに置いてあるのを発見しました。
086-224-1028
◇印鑑証明や住民票の写しを取るときに便利なのが、自動交付機です。導入については批判もありましたが、ある以上使わないと損です。
市内の各地にありますが、カードが必要です。そのカードは印鑑証明カードが良いと思います。紙のものから変えるには手数料も不要です。どこに置いてあるかは市役所に聞いて下さい。
電話は086-803-1000です。
水俣の甘夏を食べませんか
今年も甘夏の季節が来ました。なぜ水俣の甘夏なのか、それは水俣病の患者さんとその家族を支援になることは言うまでもありません。
海で漁をして生活をしていた水俣の人にとっては、水俣病は致命的でした。水銀が原因と分かってから、海から山へと生活の場所を求めざるを得ませんでした。自分たちの経験から、有機農業でみかん作りをはじめたわけですが、いくら安全でおいしいみかんを作ってもなかなか売れませんでした。水俣病とは無関係でも蜜柑のイメージが重なってしまうからです。全国の支援者が水俣の皆さんと連帯し、水俣でつくられたみかんを食べようと運動が始まりました。
岡山でもその運動を続けています。理解ある皆さんの蜜柑消費が、水俣の皆さんの生活を支えます。今年の価格は以下のとおりです。
甘夏 2700円
しらぬい 3500円
申込みは羽場頼三郎まで 090-1018-1274 ※2月20日が締め切りです
2010年2月 207号 | 羽場頼三郎 |