2008年5月 200号 羽場頼三郎

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今井正章筆
地方の政治がしっかりしなくちゃ 高崎市、前橋市へ緑化フェアの視察
シルバーの使途不明金は底なし 倉敷市に仲間が増える 藤原薫子市議補選で当選
ごみ有料化には三つのハードル 編集後記


地方の政治がしっかりしなくちゃ

 民主党は、多数を取っている参議院での「首相問責決議」の提出を見送ったそうです。後期高齢者医療制度の廃止を求めることを優先するそうですが、それには賛成です。先月号でも書きましたが、世界に例を見ない、(1)後期高齢者だけ別立ての保険制度にする、(2)その高齢者に負担を求める、(3)高齢者の年金からも保険料を天引きするなどの「年寄りいじめ」ともいうべき制度は単なる見直しではすみません。廃止すべきです。国民に受け入れられない制度はどうせ長続きしません。やりなおす勇気を持つべきです。それが政治のつとめです。

 また、ガソリンなどの暫定税率も憲法の三分の二条項で再値上げしてしまったわけですが、これも国民の支持を受けていません。現在の衆議院は、郵便の民営化を唯一の争点にした選挙で、自民党が多過ぎる議席を持っているだけです。道路特定財源は、一般財源化するのが国民の意志でしょう。財源を国がにぎり、地方が自由に使えない仕組みを変える必要があります。これを理解せず、国交省のいうままに「道路特定財源の堅持」の主張を繰り返す県知事や市長は、よほどどうかしています。

 私に言わせると、国民の意向にも添わず、ただ官僚の描いた日本地没への道を国も地方も進んでいるようにしか見えません。大きな方向転換が必要です。市民の気持ちは、すでに非自民政権を望むところまで来ているのに、総選挙という手続きが済んでいないだけという現実を見ていません。支持率が二割を切った福田内閣では、思い切った政策も打ち出せないばかりか、正常な判断さえも失われる可能性があります。

 国がおかしくなっても、地方自治体が国民生活をしっかり守っていると言われなければなりません。責任重大です。

2008年5月29日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


シルバーの使途不明金は底なし 不正経理発覚後も300万円

 二月議会で、我々市民ネットの反対を押し切って市から1億1600万円の補助金を交付された財団法人岡山市シルバー人材センターですが、なんと問題発覚後にも使途不明金が出されていました。

 26日の理事会に出された監査報告によると、昨年五月に不正経理が発見されたにもかかわらず、その翌月から十一月まで、何に使われたか分らない金が300万円に及んでいるそうです。これまで確認されたものとあわせると、合計7900万円の不明金になります。

 多額の赤字をかかえるこの財団に貸付をする議案が十一月議会に出され、議会は執行凍結にしました。しかし、凍結解除ができないと見た当局は、貸付ではなく補助金にして議会に再提案しました。市の関係団体(公園協会・厚生会)からの借り入れ返済に使うのはおかしい、補助金交付の趣旨に反している、などの批判を議会の多数派工作で押し切って可決され、支出しました。

 市は、この使途不明金の存在を知っていて議会に補助金を出すことを提案したのだったら、詐欺にも等しい行為です。不正経理を解明、是正するために市の職員が財団に乗り込んでいたにもかかわらず、これを見逃していたなら同罪か、それでなければよほど無能と言われかねません。また、これを報告した監査が使途不明金を指摘しながら「決算は適正」としたのはどう考えてもおかしい。監査もグルなのか、と疑わざるを得ません。監査は市の幹部がつとめているのですから。

 市当局は、「真相を解明し、責任を明らかにしている。公益性がある」といって、議会に補助金を認めさせたのですから、その責任は徹底的に追及されなければなりません。


ごみ有料化には三つのハードル
市民の理解★減量・公平の取り組み★行革との峻別

 二月の議会で、ごみの有料化を内容とする条例が「継続審査」となり、その結論が6月議会に持ち越されています。条例に対する疑問は、(1)なぜこの時期に有料化が必要なのか、(2)市民の理解を得ないで強行できるのか、(3)地域格差をこのままにしていいのか、などですが、それに加え(4)市の増収策としての有料化ではないか、という根本的な疑念もあります。

 市民の理解を得るために、各地で説明会が開かれていますが、まずこれで充分かどうか、中身の点検が必要です。次に、ごみ有料化の前にやるべきことはないのか、を検証しなくてはなりません。ごみ減量のための努力、市の取り組みが問われます。雑紙回収、なまごみ資源化などの進み具合はどうか、などです。

 合併地区との格差は解消されていません。御津、瀬戸、灘崎では根拠薄弱なまま、ごみ袋の有料化が続いています。説明会もなされないで、放置されています。合併地区住民の余分な負担をそのままにしてはいけません。

 ごみ処理費用の負担公平とごみ減量を目的に有料化をめざすのはいいとしても、それより行革を優先する市の姿勢は問題です。行革といえば聞こえは良いようですが、はっきり言えば「増収策」です。この場合、市が増収になるということは、市民の負担が増えるということにつながっていますから許しがたい裏切りです。これを根本から改めない限り、有料化は認められません。


高崎市、前橋市へ緑化フェアの視察

 五月の一二日一三日、高崎市、前橋市を視察しました。来年岡山市で行われる全国都市緑化フェアですが、今年は群馬で行われています。岡山市の場合は会場が西大寺のカネボウ跡地と後楽園が会場ですが、こちらでは二つの都市で行っています。もともとライバル同士の街ですから、対抗意識が感じられました。高崎市の方は駅前の通りをそのまま会場にするという、新しい試みをしていましたし、前橋市は二つの主会場があり、どちらも入場者が予定よりかなり多いとのことでした。

 印象に残ったブースとしては、企業が出しているもの(これにはかなり凝ったものがあり)、各政令市が出されていたものなどが目につきました。それ以外では、県内各地の温泉からお湯を運んで作った「足湯」が面白いと感じました。とにかく、入場者を増やす努力は各所で見られました。入場料をとらないことも良かったのか、予定の倍近い人が訪れているようです。


倉敷市に仲間が増える 藤原薫子市議補選で当選

藤原かおり子

 4月27日に行われた倉敷市長選挙と同時に、市議会議員の補欠選挙(定数1)ですが、市民ネットのメンバーが応援した藤原かおり子さんが記録的な得票で当選しました。結果は次のとおりです。

倉敷市議補選 投票率46.32%
藤原 薫子 33 民新  83,089票
― 中島 光浩 40 無新  42,435票
― 平松 裕将 33 無新 23,612票

 注目の所属会派ですが、来年の市議会員選挙までは「無所属」になるそうです。同じ民主党で出ている時尾博幸市議と一緒になるのが本来の形ですが、支持推薦団体との調整が必要なためです。藤原さんは33歳。倉敷で生まれ、地元の小・中学校から関西学院大学の経済学部に進みました。NHKでニュースキャスターをつとめたあと、アメリカへの留学経験もあります。江田五月の秘書として、政治活動をしていました。


編集後記

 今月はリポートの発行が、大幅に遅れてしまいました。もうしわけありません。毎月発行を心がけているのですが、雑用に追われてずるずると延びてしまいました。ゴメンナサイ。

 6月8日に行うパークゴルフの参加がまだ可能です。前日までにご連絡下さい。

場所 浅越スポーツパーク
日時 6月8日(日)午前10時現地集合 10時30分プレー開始
会費 2000円 (道具の借り賃・弁当代を含みます)

参加希望の場合は羽場頼三郎にご連絡ください。090-1018-1274
電話086-265-0651 FAX262-2193 haba@mx9.tiki.ne.jp


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