2008年3月 198号 羽場頼三郎

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今井正章筆
行革発想でのごみ有料化にはNО 合併地区のごみ有料化はおかしい
責任不在のシルバー財団に補助金1億千六百万 道路特定財源は廃止を
副市長が変ります 「夜回り先生が岡山に」4月5日に水谷修講演会


市民不在、説明会も後回し、不公平を増幅

行革発想でのごみ有料化にはNО


 ごみの有料化と行革をむすびつけてはいけない。2月定例市議会に提案された廃棄物処理条例について、個人質問で徹底的に主張しました。再質問、再々質問と詰め寄りましたが、市長の代わりに立った副市長の答弁は、開き直っただけのもので、中身は変りませんでした。

 行革つまり「増収策」とごみ有料化を考えることは、負担の公平や減量と言う方向とはまったくの逆です。ごみを減らさず、増やして収入を上げればいい、公平ではなくとも取れるところからとればいいというに等しい考え方です。これを改めるように、3年前にも指摘をし、警告を発してきました。まるで分っていなかったようです。ましてや、今回の有料化にあたっての市民への説明は後回しです。これでは、到底納得できるものではありません。

 今まで私は、自他共に認める「ごみ有料化」推進論者でした。増大を続けるごみ処理費用をなんとかしたい、ごみを減らす努力をする市民に報いたいと考えたからです。ごみ処理の直接担当者である環境局の真摯な態度も評価してきました。それらをすべて踏みにじる副市長の言葉(市長の態度)です。今回の条例案には賛成できません。

 議会がいくら指摘しても、担当者がいくら努力しても、市の最上層部が間違っていては駄目です。市の行政が市民のために奉仕するものにはなりません。議会としての良識ある判断を下すべきです。

2008年3月15日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


ありえない補助金1億千六百万を 責任不在のシルバー財団に

 シルバー人材センターに対する違法な補助金1億1千6百万円が、認められようとしています。補助の対象が明確でなく、多額の借り入れを返済する為に税金を際限なく投入することに道を開くものです。2月議会に補正予算として組まれています。

 シルバー事業は、高齢者の生きがい対策であり、年齢や経験、技能に応じた仕事を開拓して雇用を創出するもので、これを存続させることに異論はありません。しかし、3億円を越える多額な赤字、1億円に近い使途不明金、それにいたる原因は解明されず、無責任な経営体質は改善されないままです。そこへの貸付が認められないのは当然ですが、貸付ではなくて補助金だからいいではないかという理屈は通りません。なおいけません。

 シルバーの借金には、村手副市長が無断で貸し付けた公園協会の5千万円が含まれます。その責任を明らかにしないまま、税金で尻拭いをすることが許されるのでしょうか。シルバーの破綻をとめる為だけなら、3千万円あれば足りることも明らかになっています。それなのに余分に金を出す理由が見つかりません。

 政令市指定を前に、行政のあり方が問われています。違法性の疑いがある補助金を平気で出すようなことでは、岡山市の将来に明るい未来は見えてきません。


副市長が変ります

 今議会では、副市長の選任同意案件がでる予定です。天野副市長が3月を限りに辞任しますので、その後任を市長が選任して議会へ同意を求めるわけですが、すんなり行くかどうかは分りません。

 任期途中で天野さんが辞めるのは、市長の意向が強く働いています。職員からの信任が厚い天野さんに同情する声も聞かれます。職員の代表的存在でもあった天野さんをあえて代えるべきでないという人もいます。この同意案件に反対すべきだと公言する人もいるようです。

 しかし、副市長の選任は市長の専権事項でもあります。市長が仕事のしやすいパートナーを選ぶことは当然のことです。新しく選任される方がよほど常識外れでなければ、不同意にする理由がありません。

 後任には佐古理事が有力なようです。最終日に決まることになります。


合併地区のごみ有料はおかしい
  旧市内と不公平、根拠も乏しい

 ごみ有料化の目的として、環境局は(1)負担の公平、(2)ごみ減量の二つを上げます。負担の公平の中身には、ごみを多く出す人と少なく出す人との不公平を正すことと、先行して有料化している合併地区と無料で回収している旧市内との統一の二つがあります。

 現在無料の市内に組み込まれた以上、合併地区の方も、無料に合わせるのが筋でしょう。さもなければ、合併地区の方にはそれなりの見返りが必要です。しかし、市はその意見を受け入れようとしません。だとすれば、まずは全市を無料に統一して、その上で有料化すべきかどうか議論すべきです。

 3月14日の環境消防水道委員会で、ごみ有料化の議論の際に、合併地区の有料制度が根拠に乏しいことが明らかになりました。今回の条例改正に関連して、灘崎、瀬戸、御津などで先行実施されているごみの有料収集の根拠は、条例の附則の中に「なお従前の例による」と書き込んであるからだそうです。市民が負担を強いられるときには条例上に明記されていること(自治法228条)が必要で、これでは不十分ではないかと言う疑いがあります。

 税金や手数料などが新たに課せられる場合に当たるからおかしいではないかという追及に対して、「手数料ではなくて、雑入(ざつにゅう)だから」と言い逃れます。これは屁理屈にしか聞こえません。合併地区の皆さんは、乏しい根拠で負担を強いられてきたわけですから、黙っていることはありません。この条項を削除することを求めるのは当たり前だと思います。


道路特定財源は廃止を

 道路予算が全てに優先するような発言が、市議会でも見られます。たとえば、質問の中で、「道路は必要だ。そのために道路特定財源は確保すべきと思うがどうか」と言った質問があります。これに対して当局は「国会での動きに注目をしています」といった、当たり障りのない答弁をしています。

 実は私も、逆に「道路特定財源ではなく一般財源化するように国に働きかけたらどうか」と質問しています。これに対しても当局答弁は「国会での動きに注目をしています」と同じ応えです。

 これまでも、当局が道特堅持の意見書を出してくれという要求をはねのけてきましたが、安易に国交省の主張に引きずられていては自治体とは言えません。


「夜回り先生が岡山に」 4月5日に水谷修講演会

 夜回り先生で有名な水谷修先生の講演会があります。「岡山のこどもたちの明日を考える会」が主催です。

 参加は無料ですが、申し込みが必要です。下記の実行委員会へ申し込んでください。

 岡山市野田2-7-12-101 高井事務所内「実行委員会」
 電話   086-242-6060
 ファクス 086-242-6063

水谷修氏プロフィール
1956年横浜生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。横浜市の高校教員。教師生活のほとんどを少年の非行・薬物問題に捧げ、Γ夜回り」と呼ばれる深夜パトロールを行いながら、若者の更正に尽力。また各種メディアへの出演や、日本各地での講演を通して、少年非行の実態を広く社会に訴え続けている。

4月5日(土)午後2時〜4時  三木記念ホール(岡山衛生会館)


2008年3月 198号 羽場頼三郎

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