2007年4月 191号 羽場頼三郎

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今井正章筆
黒いカラスを白いサギだと言う市長は反省を 議会からの提案を最後までしました
はばたく会推薦の新県議ふたりが誕生 市議会議員として羽場頼三郎は何をしてきたのか(5)
不法な審議会が変な判断 市民病院は必要かどうか


黒いカラスを白いサギだと言う市長は反省を

どうしても市政のゆがみを正したい

 先月号でお知らせしましたが、市長は本来不許可にしなければならない開発を許可してしまいました。妹尾・福田地区に計画されていた大型遊戯施設のことです。

 学校のすぐ近くに作られる大型遊戯施設が、「公益性が認められる」というのは、強弁そのものというべきでしょう。また、八五〇〇人を超える地元の反対があり、隣接四町内会のうち2町内会の会長が反対の意思を明らかにしていることを承知しながら、「地元の積極的同意がある」というのは、黒いカラスを白いサギだと言っているようなものです。ルールがあっても守られなければ、ないのと同じです。子供たちはこれをみてどう思うのか、それが心配です。市長が守らないのだから、自分達もルールを守らなくても良いのだ、と思うようになると事態は深刻です。

 また、市が出している広報誌「市民のひろば おかやま」では、各種の懇談会が出した提言の取り扱い方に差があり、新聞にも指摘されました(オカニチ2月24日)。緑道公園に関するものは大きく取り上げながら、市長が廃止を考えていると言われている市民病院の「『存続』についての提言」は掲載されていません。市長の意向に添わないからだろう、と推測されます。これでは、提言を求めた意味がありません。

 市長のごきげんうかがいが過ぎると、市政が歪(ゆが)みます。無制限に近い市長の裁量権が認められる条例が存在することも、市政の歪みを大きくします。こうした歪みをただすことが議会の仕事であり、私の使命だと思っています。

2007年4月12日  岡山市議会議員 羽場頼三郎


はばたく会推薦の新県議ふたりが誕生
横田悦子・一井暁子がそれぞれ高位当選

民主党で高原・岡田・木下が初当選

統一自治体選挙前半戦の県議会選挙が終りました。激戦区となった岡山市1区(定数十二)では、はばたく会が推薦した横田悦子さんが、10729票を獲得して、十六人中6位で当選しました。市議3期の中で、市民運動をバックに議会活動を積極的に行ったことが市民の評価を得たと思われます。

岡山市2区でも、同じくはばたく会推薦の一井暁子さんが22247票の記録的な得票で文字通り一位(いちい)で当選しました。志半ばで倒れた、亡き森本徹磨さんの議席を取り戻しました。

また、民主党も1区で高原俊彦さん、岡田幹司さんの2名が、津山では元江田五月秘書の木下素典さんがそれぞれ当選し、議席を増やしました。しかし、残念なことに倉敷では候補者も立てられず、補選で健闘した片山みかさんの応援体制すら組むことができないありさまで、市民の期待に応えられませんでした。

県議会は市議会と違い、自民党が圧倒的な議席をもって牛耳っており、市民・県民の声が通りにくくなっているといわれています。新人が力をあわせて議会を変えることが期待されます。


不法な審議会が変な判断

市の監査委員四人は、条例によらない審議会は違法とする判断をだしました。これは二分した町内会について、市が審議会に意見を聞いていずれが正当かを判断しようとしたものです。これには三重の誤りがあります。

そもそも、民間の自治組織である町内会の正当性など、市が関与するべきものではありません。次に、市が判断を求めるにしても、条例以外で市の付属機関を設置することはできません。さらに、その意見にもとづいて一方の町内会を名簿(市が作る)に載せないといったことは、市がやるべきことでなく、これまでの扱いとも異なっています。

市はこれまでも安易に要綱や内規をつくり、それによって時にはとんでもないことをやらかします。かつて、やはり要綱で病院事業管理者の報酬を決めて出そうとしたことがあります。途中で条例化しましたが、無理な内容を引き継いだため、年間1億円という非常識な報酬になりました。これについては今月、地裁に続いて高裁から、市の条例が違法で支払いも違法という判決が出ています。

議会にかけるべきものを特例で市長が決めることを、専決事項といいますが、これを利用して、御津、灘崎との合併では特例区の区長、協議会委員の給料や報酬を決めて問題視されました。

議会軽視とは、こうしたことを言うのです。


議会からの提案を最後までしました
美化条例の改正案、調査費交付条例に修正案
特例区の区長と支所長に給料総額112万円 この予算には反対

建部、瀬戸町と合併して、「特例区」が出来ました。これから先5年間、岡山市は市の中に自治機能をある程度備えた組織が存在する変則的な自治体となります。特例区長は、御津、灘崎では支所長と兼任していましたが、弊害が指摘されてこれを止めました。それ自体は当然です。しかし、その給料が問題です。

これまで、月に61万7千円が支払われていましたが、別に支所長(給料約50万円)が任命されて、仕事のほとんどがそちらに移りました。にもかかわらず、今後も61万5千円だそうです。わずか2千円分の仕事を50万円かけてほかの人にしてもらう計算になります。4つの特例区がありますから、毎月200万円、5年間で1億2千万円以上になります。

市長は、職員の採用を3年間凍結したり、事業をやめたりして経費を節減していますが、これでは穴のあいたバケツで水を汲んでいるのと同じです。このような内容を含む予算、補正予算を、そのまま認めるわけにはいきません。私も含め、無所属市民の会は全員が「反対」の立場を取りました。

また、煙草やごみのポイ捨てなどに、行政罰である「過料」を課する条例案には修正案を出しました。安易に市民に過料を課して、取締りをする緊急な必要性に乏しいこと、費用が相当かかること、行政の裁量権が広くなりすぎるおそれもあることも考慮して、修正案を出しましたが、酸性少数で否決されたため、原案に反対しました。

議員が受け取る市政調査費の使い道を明確にするため、「領収書添付を義務付ける」ことを盛り込んだ修正案にも賛成しましたが、やはり賛成少数でした。


羽場頼三郎は何をしたか(5)

 市民の手で議会に送り出されて、まもなく16年。反省を込めて振り返ってみます。

【職員採用で国籍条項の撤廃をしました】
職員採用の基準は、やる気と能力です。理屈に合わない国籍条項を撤廃させ、県庁所在市として、広く人材を求める姿勢を全県下に示しました。まだ完全ではありませんが、在日韓国人などの方々の公務員採用に道を開きました。

【体育館入り口にスロープを設置しました】

選挙の投票所になる学校体育館が、車椅子では入りにくい状態でしたので、段差を無くすること提案しました。お年寄りや身体に障害を持ったかたでも自力で投票できるように、以後建設される体育館は設計段階でスロープ設置がなされています。

【ごみ問題研究会を作りました】

1992年。ごみの非常事態宣言にあたって、議会の自主的勉強会を立ち上げ、超党派の研究会や議員連盟などのさきがけとなりました。単なる勉強会と異なり、議会事務局のバックアップを受ける、特別委員会に準ずる扱いになっています。

【開発条例改正の提案をしました】

市長の一存で広く開発を認める条項を含むため、不適正な運用に陥りがちな条例を改正することを求めました。前市長が残したマイナスの遺産といわれながら、この条例はまだ改正にいたっていません。

【随意契約の見直しをさせました】

決算審査の時に引っかかっていたのが、やたら多い随意契約でした。業者が単独の場合に、そのいいなりで契約していたのを改めさせ、適正な単価にして額を下げさせました。


市民病院は必要かどうか 皆さんのご意見を募ります

先月号でもお知らせしましたが、「岡山市立市民病院あり方検討委員会」が、提言書をまとめました。そこでは、健康・医療・福祉を充実することが重要とされ、市民病院の機能、役割として次のものを挙げています。(1)感染症医療、災害医療 (2)救急医療(特に小児医療) (3)セーフティネット機能 (4)教育研修機能 (5)情報センター機能・子育て支援機能・高齢者支援機能

さらに、財政負担について検討した上で、いくつかの改善点を指摘し、新しい市民病院が必要と位置づけています。

これに対して市長は、あくまでも市民病院は廃止する意向を漏らしています。しかし、最終的には市民が決めるべきでしょう。皆さんのご意見をお聞かせください。はがき、ファックス、メールをお寄せいただければ幸いです。
羽場頼三郎事務所にご連絡ください。(086-265-0651)


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