2006年4月 181号 | 羽場頼三郎 |
市民の感覚で市政の見直しを | 談合疑惑の御津では「入札なし」に |
定例議会で予算や条例など4件に反対しました | 市民のなぜ、どうして 岡山市HPの掲示板が廃止に |
アスポ関連でも反対、提案理由がまるでだめ | 岡山市平成18年度予算について |
市民の感覚で市政の見直しを
まだ市長の方向が見えてきません
2月定例市議会(2月23日に始まった)が終わりました。前年比約7%減の超緊縮型予算でしたが、国体やデジタルミュージアムの建設終了などの影響もあっての結果です。問題点や課題が多く残りましたが、私が残念に思うのは、岡山操車場跡地の指定管理者を公園協会と定めた議案でした。
これは、ある意味で議会のチェック機能が問われた議案でした。前の議会で、市長は「アスポについては、以前から疑問があった。なぜ議会で認められたのか」 といった趣旨の発言をされました。一つには、貴重な都市空間が無駄に使われているのではないか、という一市民として疑問があったのでしょう。そして、その疑問のある事業を議会がそのまま認めてきたことを不思議に思う。いずれも、市民としての素朴な意見だと思います。ところがこの議会では、一転してアスポをそのままにする議案を出してきたのですから、驚きです。
はっきりしているのは、この点では市長が指導力を発揮できなかったということです。事業をこれまでどおりやるという職員にまるめこまれたのではないかと心配しています。提案理由も、議会がアスポやドームの管理を認めてきたということを挙げるなど、議会を軽視した噴飯物でした。議会がこの事業の不透明さや不合理さをたびたび指摘し、7,100円の出資については予算減額にまで追い込んだ経緯をご存じなかったのかもしれません。
一方で、「職員の新採用三年間凍結」といったやるべきでない方針を採用し、他方で「アスポの見直し」というやらなくてはならないことを放って置くという残念な事態になりました。2006/04/05 岡山市議会議員 羽場頼三郎
定例議会で予算や条例など4件に反対しました
障害者支援・介護保険・国民保護 あくまで市民の立場で判断
この議会では、議案に賛成できないものがいくつかありました。会派(無所属市民の会)で一致して反対したものと、会派拘束をしないで自由にしたものがあります。いずれにするにしても、全員一致で方針を決めます。それが、民主的な運営だと誇りを持っています。
一致して反対したものの一つ障害者支援法に基づく条例は、請求手続きが不備なものに対して過料(俗に言う罰金です)を課すものです。しかし、手続きがだめなら結果としてお金がでないわけですから、そこまで強制力を使うべきではないと考え、反対しました。
さらに、介護保険特別会計にも反対しました。これまで一般会計で支払われていたものを、特別会計に組み替えたからです。その理由が「一般会計の額を減らす(行革を進めたように見せる)ため」というのでは、納得できません。市民の負担を見かけだけ変えたに過ぎません。小手先の行革を追認するわけには行きません。
アスポとドームの指定管理者をエックス社にすることを前提とする新年度予算には、反対せざるを得ませんでした。たとえ一部とはいっても、予算は切り離しが出来ませんので反対の態度を取るのが筋だと考えました。
会派でフリーになったのが、国民保護法にもとづく条例です。これは、政治信条にもかかわることなので、無理に一致をはからないことで合意しました。会派内では近藤昭さんが強力に反対をしていて、私も賛同しました。法が規定している「他国からの侵略」などがまったく具体的なものでなく、当局の答弁でも抽象的で訳のわからないものでした。それでは納得できません。法律では、条例化を求めているものの期限が切られているわけではありません。急ぐ必要を認められません。
これに閑適して、「民主党はこの法案に賛成したではないか」という批判が寄せられましたが、私の市会議員としての行動は市民のためにあって、党に縛られるものではないと考え、敢えて無視しました。
アスポ関連でも反対、提案理由がまるでだめ
建設委員会に、操車場跡地公園(仮称)の指定管理者を決める案が示されました。これには、反対せざるを得ませんでした。指定管理者制度の趣旨をはずれていることと、提案理由がまったく駄目だからです。
アスポとドームの管理については、初めからエックス社に丸投げを前提としています。こんな指定は法の趣旨を無視しているとしか言いようがありません。
提案理由では、(1)当初からプロポーザルなので、その枠組みは変えられない。(2)すでにこれまで公園協会を通じて委託をしてきており議会の承認を得ている。(3)アスポを一部でも変更すると、起債をただちに償還しなくてはならなくなる。(4)協定が10年ある。としていますが、理由になりません。
まず(1)ですが、当初のプロポーザルはすでに破綻しており、それに拘束されることの方がおかしい。(2)ですが、議会が一度認めたことはその後も認めよ、と言わんばかりのこの言い方は、指定に議会が関与することの意味を理解していない。議会を無視するにも等しい。(3)起債で作られた部分は一部であり、それ以外の変更で償還義務が発生するはずがない。指定管理者からエックス社を排除することで償還義務が生まれるというのは、「ウソ、大げさ」の類である。(4)協定が10年あることは、その見直しを妨げるものではない。たとえば、指定管理者の制度ができたように、事情は変わるのが当たり前である。
こんな子供だましの理由で、エックス社を守るというのを見ると、裏の理由でもあるのではないかと疑いたくなります。少なくとも、前市長の呪縛から逃れていません。当局は猛省が必要です。
談合疑惑の御津では「入札なし」に
都市内の自治・分権が広がる制度と期待されながら、御津・灘崎との合併で生まれた「特例区」ですが、ここに来て多くの問題点が指摘されています。
そのきっかけは、決算委員会でした。町長交際費の不当支出(自民党政治家や前市長のパーティ券購入)があった上、特に御津では 「談合疑惑」 が浮上しました。100%落札が相次いでいたのは、旧町時代のみならず支所になってからも顕著でした。部長権限を持つ参事がいながら、課長権限である支所長が全てを取り仕切ることの不自然さ。特例区協議会のメンバーやその報酬(月額10万円)を勝手に決める不明朗さ。合併直前に6千万の資産中から5千万円も引き出された社協のお金の不透明さまで指摘されています。
辞任するしない事件にまで発展した御津区長の取り扱いについて、総務委員会から議長・副議長を通じての「当局への申し入れ」になり、次のような整理がなされました。「入札事務をこのまま支所に残すなら、疑念を生じさせる事態になりかねないので、すべて本庁で行う。その時期は遅くとも今年の7月を目処にする。」
私達の会派は、区長、支所長兼任を当然とするのではなく、「兼任出来る」という規定にするべきではないか、と考えています。
市民のなぜ、どうして 岡山市ホームページの掲示板が廃止に
年度末の3月27日に、岡山市HPの掲示板が閉鎖されることが予告され、4月1日には本当になくなってしまいました。これには強い批判が出ています。最近は、高谷市長の批判がかなりでていたので、それで止めてしまったのではないか、と言う声です。本当なら、誰がそれを指示したのか。まさか市長がそんなことをするとは思えませんが、周囲が気を利かせたと勘ぐられる可能性は否定できません。市が信頼を失いかねずやはり問題です。
閉鎖をする理由が明確でないので、余計にいけません。批判を嫌う体質のように誤解を与えます。私のホームページのものと違って、市が設置し、たとえば人権を侵害するようなものは責任を持って削除するなど、きびしいルールが存在するわけですから、あまり勝手なことは出来ないはずです。
新年度予算紹介
一般会計は約2106億円 総額4362億円
例年予算については、主なものを紹介してきましたが、数字だけを挙げたのではわかりにくいと反省し、コメントをつけることにします。
乳幼児医療費 12億6800万円 ――――――――――――――――――――――――― 今年の10月から対象年齢を就学前まで引き上げたもの。県が補助金を一方的に2分の1から5分の1にケチった関係で、市の負担が重くなり、県下の最低水準だった。 学童クラブ運営補助金 3億5732万円 運営委員会・保育園・自宅開放などで実施されている放課後児童を預かる事業。 生活保護費 127億1000万円 生活、住宅、医療扶助などに使われるもので、国が4分の3を負担しています。 合併浄化槽促進事業 4億649万円 下水道が利用できない地区に、設置する浄化槽(1000基)への補助金です。国・市が3分の1。これも県が一方的に30%カットしています。 住宅耐震診断事業 1224万円 自己負担を3分の1出して住宅などの耐震診断調査をする人に、補助金を出します。 公共下水道整備事業 101億9482万円 本管・ポンプ場、処理施設などを整備します。 畜産環境対策費 905万円 家畜ふん尿による環境汚染防止と資源リサイクル活用を考えた施設を作るために御津、牟佐などの組合に。
編集後記
年度末のドタバタで、発行が遅れてしまいました。この際、3月号をお休みさせていただき、4月号から再出発させていただきます。今月も父の法事や合併に向けての法定協が二度予定されているなどで、忙しい日々が続きます。
2006年4月 | 市民リポート |