2006年1月 179号 羽場頼三郎

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羽場頼三郎 市民リポート
市長の言葉には責任が伴います 法定協での協議事項提出の制限に異議あり
固定資産への不均一課税などに反対 特例区の委員に10万円の報酬の怪
指定管理者を指定する件で強い異論 甘夏&デコポン(しらぬい)の共同購入


市長の言葉には責任が伴います
議案撤回や採用凍結の発言は頂けません

議会のチェックを求める姿勢は評価するが

高谷新市長が本格的に議論に加わった十一月議会ですが、まだ慣れていないこともあり、議論らしい議論はありませんでした。前号でもお知らせしましたが、市長が答弁に立って、その意見らしいものを言ったのは、ごくわずか。質問者から「これは市長の答弁を求めます。」と何べんも繰り返されましたが、ほとんど無視されました。しかし、その後の各会合での挨拶などを近くで聞いていると、ご自身の言葉が出てきているので、次の二月議会ではかなり良くなるのではと期待しています。

さて、下の記事でもふれていますが、この議会では「指定管理者制度」が大きな問題となりました。この制度は、公共の施設の管理を民間にさせて、費用の軽減をはかる趣旨のものです。今までは「業者委託」によって同じようなことをしていましたが、これは単なる委託ではなく「管理権限の代行」までさせるというものです。当然ですが、その趣旨からすれば「公募」が原則です。それをしないで、管理者を指定した案件が出てきました。これには、議員の反発が強く、特に教育委員会の案件では「議案取り下げ」になりました。また、指定管理者を置くための条例も一部継続審査になりました。議会のチェック機能の現れとして、評価されるべきです。

市長は「私も異論があったんだが、(行政の)継続性で判を押してしまった」ようなことを言われましたが、それでは責任逃れとの批判は免れません。提案する以上市長の責任です。また、「職員の採用凍結も視野に入れて」ということが、すでに決まったことのように受け取られています。重要な方針は、熟慮してから決定し、口に出して欲しいものです。

同時に、市長は「議会はチェック機能を果たしてもらいたい」と言われていますが、これは議会の活性化を促す面もあり歓迎すべきです。

2006/01/19  岡山市議会議員 羽場頼三郎


固定資産への不均一課税などに反対
少数意見だからこそ明確にします 討論や採決で

11月議会の報告を続けます。前号でお知らせしたように、この議会では当局提案や委員会報告に反対をしたものがあります。

一つは給与条例ですが、もう一つが再開発のマンションに対する「不均一課税」の条例です。国が再開発に対する補助金(交付金)を一方的に減額したため、事業の続行が困難になったマンションに市が独自で補填し、その支出を税金でカバーしようとするもので、全国でも例がない方法です。

他の再開発事業と差がつきすぎること、受益者が異なるという意見があることから訴訟に発展する可能性もあること、個別の企業への利益提供と疑われることなどから、認めがたい条例と考えました。これは、会派内で協議した結果、全員一致でしたので近藤昭議員が反対討論に立ちました。無所属市民の会以外の同調者は5人のみでしたので、条例は可決されました。

継続審査中の陳情が保健福祉委員会で不採択になったので、それに反対しました。「パート労働の改善を求める意見書」を国に出してくれというもので、弱い立場の労働者を守ることが必要と考えて、これも会派が一致したので、田原清正議員が反対討論をしましたが、本会議では否決されました。

さらに、「岡山の最低賃金を上げてもらいたい」という趣旨の陳情も羽場は不採択に反対しました。これは、会派で一致しなかったため、それぞれで判断することにしました。羽場と横田悦子議員が反対でしたが、これも不採択となりました。


指定管理者を指定する件で強い異論

最終日には各議案への賛否が求められますが、普通は前日までに態度を決め、当日の議運で確認をしてその日の会議の段取りを決めます。しかし、今回は少々異例でした。議運開会直前に、政隆会(11名)が指定管理者の案件に反対すると通告をされました。建設委員会では全会一致となったものです。詳しい理由は聞いていませんが、指定された企業に問題があるとのことらしく、委員会所属の同会派の議員は採決の場から退場してでも反対を貫くという強い態度でした。

この議会では指定管理者の制度について相当議論が深まり、議案の取り下げや継続審査が相次ぎましたが、公募で決定しているものについてまで、反対する理由が見当たらないと考え、羽場は採決では賛成しました。無所属市民の会には反対の方もいました。

継続審査となった「指定管理者を置くための条例」についても、内容に問題があると考えられていますので、場合によっては条例の修正を求める動きがあります。それは、条例自体が「実績考慮」を認める付則を持っている場合です。これは、「実績を考慮して、公募をしないで決める」と言うことです。公募を原則としているこの制度を、有名無実にする意図が見え隠れします。


法定協での協議事項提出の制限に異議あり
事務局の専横にクギをさす

11月議会で、瀬戸町と建部町と合併のための協議会(法定協)設置が決められました。そこでは合併の際の条件や制度のあり方などについて協議、決定することになっています。たとえば、合併の形は対等か吸収か、議員を増員するのか在任特例か、などです。

第1回の協議は暮れの27日に、岡山市で開かれました。以後原則として26日に、建部町、瀬戸町の順で開催されます。

議長、副議長が委員となると決められましたので、私も出席しました。そして、規約を決める議論の際に、意見を述べました。会議に出される議題について、委員から出すものについては3分の1の賛同を必要とするという項目が引っ掛かりました。出されたものについて決めるわけですから、出すこと自体を制限することに理由がなく、意味のない規定です。23人の3分の1となると、8人の委員が賛同しなければ提案すら出来ないということは、事務局に較べて8分の1の権限しかないことを意味します。行政執行権のある自治体当局と議会との関係ではなくて、合併の協議をする権限を持つこの法定協委員とそれをサポー卜する事務局との関係の違いを分かっていない官僚の発想が、この規定が生まれた背景にあるのではないでしょうか。

他の町の方からも、「条件をもっと緩和したら」とかの意見も複数上がりました。岡山市の委員からも、「事務局が出したものを『はいそうですか』と決めることにはなっていない」といった強い意見も出されました。結局、提案が具体的にあったときに改めて協議するということで、その場は終わりになりましたが、議論の意味はあったと思います。

また、資料についても当日配付されるようではだめだ、とのきびしい指摘がありました。将来を見据えた、住民のための合併という視点で協議するために、事務局の意識改革が求められます。


特例区の委員に10万円の報酬の怪

御津町・灘崎町との合併の際に、全国で初めて特例区が設置されました。これは、合併地区の特色を5年間に限り残すことが認められて、公共施設の管理やイベントの運営などに自主的な行政を残すものです。

その議会のような役割を果たすのが、「特例区協議会」で、その委員は区長が任命します。町議会議員からの横滑りが多いのが特徴です。議員失職の救済措置という批判があるのですが、問題はその報酬です。

月に一回協議会が開かれますが、特に義務らしいものはなく、10万円が支払われています。このことはわれわれ市議会議員が知らないうちに決まりました。本来なら、市の条例で報酬は決められるはずなのに。

法律では、特例区の委員の報酬は議会の承認を得て「区長が定める規約」で決めることになっています。この議会の承認を得る手続きを議会に対して事後報告ですます「専決処分」でやってしまったところが問題です。

議会の誰ひとり知らないあいだに、10万円が決まっていた真相です。


今年も甘くて果汁たっぷりのみかんです
甘夏&デコポン(しらぬい)の共同購入をします
「水俣病患者の支援と連帯を求めて」

おいしいデコポン

環境汚染の原点として水俣病があります。それを教訓として安全・安心な農作物をつくろうと、現地の患者や家族の皆さんが心をこめて作っています。岡山市内と近郊の方にお届けします。注文は下記のとおりです。

しらぬい(デコポン)

甘夏         
8Kg 4500円(30個前後)

10Kg 2700円(32個前後)

お申し込み 1月31日までにTEL086-265-6746 FAX086-262-2193 羽場まで

※締切り前でも、品物が無くなり次第受け付けを終わります。配達は2月中旬です。


明けましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いします。

2006年1月1日
羽ばたく会 会長
副会長
事務局
 姫井 成
 小笠原照也
 羽場頼三郎

      


2006年1月

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