2000/04/05

ホームリポート前号次号

変な与党意識は政治を悪くする

 台湾の選挙では民進党が野党から与党になって、国民の意識が形に現れました。日本では小渕総理が倒れて森新総理になりましたが、三党連立政権は基本的には変わらず与党にとどまっています。

 政党政治には与・野党の交代が大前提です。これがうまくいっていない日本では戦後の永い間、ごく一時期を除いて、保守政党が与党となってきました。与党と言えば「自民党」を指すような誤解が良くなされます。しかし、地方の政治では必ずしも自民党が与党ではありません。岡山市でも、つい最近まではそうでした。現在は、市長与党という言い方を一部の会派は多用しています。これまで公平に行ってきた予算の説明(勉強会)も、与党保守会派には実に丁寧に、野党といわれている会派には大変おぎなりにしている、とある保守系の議員が教えてくれました。

 多数派の議員から総理大臣を選出する「議院内閣制」と、選挙で市長と議員をそれぞれ選ぶ自治体(大統領制)とは、与野党の意味に大きな違いがあることは意外と知られていません。市長支持派の議員と批判派の議員との違いはありますが、基本的に議会が行政のチェック機能を持たないと自治体の政治は良くなりません。与党(市長支持派)の議員も、行政の批判は遠慮するべきではないと思っています。少なくとも私はそのようにしてきたつもりです。しかし、最近の岡山市議会の風潮は「与党にあらずんば議員にあらず」という感じです。与党なんだから、市長が提案するものは少々おかしいところがあっても、数の力で通してしまえということでは岡山市は決して良くなりません。

2000/04/05 岡山市議会議員 羽場頼三郎



ホームリポート前号次号