2004年2月 ホーム議会目次前へ次へ

代替業務ってなんだ
業界のいいなりだと巨額の市費が出ていく

岡山市の下水道が普及していくと、それまでやっていた「し尿処理」が不要になります。この仕事を一部の業者が独占的にしてきたわけですが、廃業・転業を余儀なくされますので、これを補償するために市の仕事を特に与えて、経済的に穴埋めをしようとするものです。5年で25億円近くになります。

し尿処理は「自治体が本来しなければならない」仕事です。これを止めたからといって補償をすることはありません。しかも、業者は委託を受けてやっているのではなく、市の許可を受けてしている仕事です。

確かにし尿処理は人の嫌う仕事ですから、これまでも効率の悪い地域は直営で行い、料金などでもかなり優遇してきた業界です。しかし、特殊な仕事だから、お金を何でも出せばいいというものではありません。

これまで代替業務として市が提供してきたものが余りにも高すぎるという、包括外部藍査の指摘を受けて設置したのが「専門委員会」です。ここでの審査においても、支払いの基準としてバキュームカー1台あたり4千860万円は多すぎると指摘されています。

この額の根拠も実にあいまいです。国土交通省の土地補償の基準を準用して、これでもかというぐらい手厚い保護をしています。利益が出るように料金設定をしているのですから、その利益を補償するのが高額になるのは当たり前ですが、加えて職員を辞めてもらう場合に予告をしない場合の1ヵ月分の給料まで加算をするなど、理解に苦しむ積算です。

羽場が委員会で指摘をしたのは、こうした高額な補償では市民の理解が得られないということと、業者=会社を優遇しても、現場で苦労している社員に行き渡らなくてはならないので、そこまで点検をすることが必要とした点です。


女性消防職員の採用問題
不採用の不自然

西大寺駅伝では、先導車である警察の白バイに女性が乗っていました。また、近所で救急車が出動した際に、状況の説明を求めた隊員は女性でした。きびきびした態度は好感の持てるものでした。男女共同参画が当然のここととして社会に定着していますが、岡山市では遅れているようです。それが消防職員の採用問題に現れています。

岡山市の消防職員の採用が不自然であることは、本会議の質問で明らかにしましたが、それに対する局長答弁「現在の職員採用状況でなんの不都合もない」はあまりに不見識です。あえて女性を採用しないとしか思われない不自然な採用状況は、ここ過去10年の採用試験の応募者数と合格者数、女性の合格者数を見れば明らかです。

女性が不利にならないように、体力試験は配慮してあると当局は言います。それなら、学力の点で女性が特に劣っているのでしょうか。そんなことはありえません。現に一般職の採用試験では、毎年三割ないし四割近い方が合格をしています。

女性が特に合格しないように作為が働いている可能性があります。

岡山市が男女共同参画の実現に本気で取り組むなら、女性の採用枠をつくることも検討すべきです。

消防職員採用状況
年度 応募者数 合格者数 女性の合格者
6年 211 9 2
7年 195 6 2
8年 160 5 2
9年 203 6 2
10年 253 6 2
11年 298 11 0
12年 314 10 0
13年 476 19 0
14年 747 21 0
15年 591 14 0

宿題が残っています(2)

選挙公報の発行

倉敷市では、選挙公報を発行する条例を制定しました。岡山市はまだです。羽場頼三郎はこれまでも議会の質問などで発行をするように選管に迫ってきましたが、実現出来ていません。

選挙の際に、候補者の情報つまり政治的信条なり経歴や政策などを有権者に伝える有力な手段がこの公報です。主だった市では以前から公報を発行していて、岡山市の遅れが目立っています。しかし、選管は、発行するには手間がかかるとか、お金がかかるとかいって逃げ腰です。

議会を身近な、そして民主的なものにするためには、多少の費用はかかります。言うまでもなく、市民が議員を選ぶシステムが大切です。国レベルの選挙では選挙公報の発行は義務づけられています。自治体は自主的に発行できるにもかかわらず、それをしないのは、不見識のそしりは免れません。


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