2002/04/05

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手腕と業績は認めます
   でも8300万円は多過ぎます

腕のいい医者をスカウトし、市立三病院の薬剤の仕入れを統一し、医療機器を安く買い、救急車の患者を市民病院に受け入れることで入院患者を増やすなど、病院事業管理者は市立病院を建て直しつつあるといっていいかもしれません。四億円余りの赤字解消も見るべき成果です。しかし、その8300万円の成攻報酬は余りにも常識はずれです。

普通、成功報酬とは赤字が黒字に転換したとか、累積赤字が解消したときに支払われるものだと思います。まだ、そのような状態になっているわけではありません。

赤字の圧縮幅の20%というのも大きすぎます。仮に90億円の市民病院の赤字を解消したなら、18億円を支払う必要がありますが、それがまた赤字になります。

成功報酬を出すのは、全国でもあまり例がないのですが、鹿児島市の場合には3%だと聞いています。現に岡山市でも1.5%と当初(平成12年の6月の委員会)は検討されていました。それが、いつ、なぜ20%になったのか明らかにされていません。

報酬として年間1900万円をお支払いしているわけですから、合計で一億円にもなります。これを一人の方に支払った場合、他の職員の士気にも影響が出ます。

ウラがありそうな条例改正です

もっと問題なのは、報謝を支払う条例を平成12年に遡らせるという部分です。法律や条例は、その制定後に効果が発生するものです。適用を遡らせる規定は例外中の例外ですから、特殊な事情があるはずです。市長の説明によっても、その事情は明らかにされていません。むしろ、これから効力を認めるべき理由を上げています。

(1)(明確なものを)より明確にするため
(2)(このままでも有効だが)今後のため

要綱を条例化するだけという当局の説明はウソといっても、言い過ぎではないと思います。なぜなら、要綱では「20%以内」となっていたのに、条例では「20%」ですし、報酬額を市長が審査をして定めるはずなのに、議会が決めることになっています。

このように不自然で、疑問のある条例を議会が認めるのはいけないと主張したのですが、時間不足もあって他の議員の理解を得られませんでした。

なぜ当局がこんな不当な条例改正を急いだのか。それは、これまでの報酬の支払いが違法に行われた可能性が極めて高いからと思われます。60万円の報酬に市長裁量で30万円を上乗せをしたこと。8300万円も市長の裁定によることなどが、「報酬の額、支給方法は条例でこれを定めなければならない」とする自治法の規定に抵触するものです。

なお、期末手当ては3月15日に支払うことになっていたのに、何の根拠もなく、何の手続きも取ることなく3月の25日に変更しました。これも、法律・条例無視の現れと言ってよいかもしれません。


会派を越えて条例修正案を提出しました
羽場・近藤・横田・下市・亀井で提案

定例市議会の質問戦が終わった13日に、当局から病院事業管理者の報謝についての条例の改正案が提出されました。異例なことですので内容をよく見ると、大きな問題があることに気づきました。

それは、(1) 管理者の報酬が赤字縮減額の20%と確定していること、(2) 条例の適用が平成12年に遡るとなっていることなどです。これは見過ごせないと、修正をすることを考えました。修正の提案は、自治法で議員定数の9分の1(岡山市議会では五人)以上となっているため市民ネットの仲間にまず呼びかけました。しかし急なことでもあり、全員の理解が得られず、私と近藤昭・横田悦子・下市このみの四人のみの賛同でした。そこで、「会派ではなく個人の資格でならかまわない」との楠木代表の言葉で、新岡山21クラブの亀井章議員に呼びかけ、賛同を得ました。

最終日に提案となり、質疑が予想されるのでその準備をし、さらに提案理由説明をすることになりました。急なことだったので、他の議員に十分説明する時間がなく、ぶっつけ本番で臨みました。結果は五人の賛成のみで否決。その提案理由の骨子です。

「20%を5%にすべきである。こうした例で参考となるのは鹿児島市の3%がある。しかし、榊原先生の手腕を評価して2%を上乗せをした。要綱では「20%以内」である。先生は、病院事業建て直しを金儲けの目的ではなく、市民の為に奉仕の精神で働かれているので、批判を浴びるような常識はずれの金額ではかえって失礼である。

法律や条例は、成立した日以降に効力を有するとするのが通常である。(1) 遡及して有効としなくても、『報酬の支払いは有効である』と当局が明言されているので、必要ない条項である。(2) 要綱を条例化して、『より明確にする』という条例提案の趣旨にそむく。」

なお、当局提案には田畑賢司、崎本敏子、竹永光恵議員も反対し、計8人でした。


城下地下駐改装に市の負担
  補正予算に委員会で反対

例の「城下地下駐車場」への負担金を含む補正予算の審査が建設委員会でありました。

県の道路公社が運営していた駐車場を、県直営の駐車場に改装をする費用の一部7億円の半額を市に負担として求めてきていたのですが、これを認めるかどうかが問題でした。

県がする事業に市が負担をするのが当たり前、と言うのでは説明になりません。しかも、地方財政法では、「市が利益を受ける部分についてのみ」負担をしてもよいとなっているので、その利益とは何かと質問しましたが、これまでどおりの答弁、「このままだと赤字が多くなるので、それを防ぐのが利益」というのでは、とても納得できません。

私は補正予算に反対をしました。もっとも、賛成多数で委員会可決、本会議でも同じ。

建設委員長の報告には、私の主張がしっかり書き込まれていました。


各県の負担金の状況

岡山県以外の都道府県では、県が行う事業に市町村に負担がないか、あっても下記のように4%から40%までで、50%もの負担を定めているのは兵庫県、長崎県と大分県しかありません。すべてにおいて最高額が岡山県です。この是正は求めなければなりません。単県とは「県が単独で行う事業」のことです。公共とは国が補助金を出すもので、補助率を1/2と仮定して算出しています。

市町村負担率の状況    単位 %
都道府県名 街路(公共) 街路(単県) 都市公園
(公共)
都市公園
(単県)
秋田
福島
栃木
新潟 10 11/6 25
富山 25 40
石川 25 35
岐阜 10 20
長野 10 15
静岡 15 15
愛知
大阪
兵庫 25 50
和歌山 17
岡山 25 50 20/22 50
広島 10 10
山口 10 10 10
鳥取 15
島根 15 10 10
香川 10 10
高知
長崎 10 50 50
熊本 10 10 20 20
大分 10 25 25 50
宮崎
鹿児島 10

平成14年度岡山県に対する重点要望事項の資料(岡山市)から


2002/04/05

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