2002/03/05

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見直したい市と県との関係 「不合理な負担金、不公平な補助金」

岡山県と岡山市は自治法上は対等の自治体です。にもかかわらず、県と市が上下関係にあるように勘違いされています。そして、それがもとで、岡山県は岡山市に不公平や不合理な話を突きつけてきます。例の城下地下駐車場がそうです。県営駐車場を造るために、市が半額を負担するような理屈はありません。

地方財政法でも、市が利益を受ける部分でのみ負担を求めることができる、となっています。市の負担がない県も多くあり、負担の率が5割なのは岡山を入れても3つの県ぐらいしかあしません。すべての事業について5割負担というのは不合理そのものです。

国体の費用にしてもそうです。主会場を準備するのは、主催者である県の責在のはずです。これが岡山市内にあるからと、当然のように「半額(50億円)を負担してもらう」(県の役人)というのは間違いです。

また、不公平な補助金も見逃せません。全県的な制度を作っておいて、各市町村に補助金を出す場合には、当然ながら同じように出して当たり前です。それを、岡山市だけ(今は倉敷市も)補助率を下げるのは許されません。乳幼児、母子家庭、障害児、高齢者の家庭に対する医療費の負担を軽くするための医療費を補助する制度です。

合併浄化槽に対する補助金も、県はけちっています。国と県と市が三分の一ずつ出すことになっているのですが、県は自分の補助金を例によって岡山市の分に限って3割カットしています。

チポリ公園の誘致から岡山市(当時は安宅市長)が撤退したために県と市がギクシャクしだした。それを今の市長が改善したのだからたいしたものだ、という声もあるようですが、この不公平や不合理を正してこそ、評価が与えられるのではないでしょうか。


読者の声

安宅元市長が岡山市にチポリ公園を誘致されなかった事、正解でしたね。(新福・0)

「市民リポート」では国会レベルのテーマではなく、市政(萩原市政・IT問題・路面電車等)レベルのテーマについて報告して欲しい。「市民のひろば」に書かれている問題を羽場リポートして欲しい。(野田屋町・K)

過激でもいいから時局に対する生々しい主張で読み甲斐のある、待ち遠しくなる市民リポートにして欲しい。(倉富・F)

市政を語る会を大いにやって下さい。
市民リポートヘ市民の意見を載せてみては。(西大寺中・A)

議会での質問、年末の議会で四三回を数えるとの事。今後も市民の立場で積極的に続行される事を願ってます。(円山・M)


「長船町からのごみ持ち込み」  納得できる理由を示して欲しい

2月議会の冒頭、市長は所信表明の中で、長船町のごみを受け入れると明言しました。以前から焼却灰を臨時に受け入れていたのですが、今度はごみそのものを受けるというのですから、簡単には納得できません。

まず、ごみの処理は自治体に課せられた義務です。それを他に頼むのは「家に応接間を造っても、トイレがないようなものだ」と言った人がいます。

もちろん、きちんとした理由があるなら認めてもかまいません。市長が上げた理由は、次のとおりです。(1)東部クリーンセンターでの処理が環境負荷が少ない。(2)長船の焼却灰を受け入れるより、スラグを持ちかえってもらう方が良い。(3)岡山市はかつて玉野市にごみを燃やしてもらったことがある。(4)県のごみ広域処理に協力する面がある。(5)困ったときはお互いさま。の5点です。説得力がありません。

東部クリーンセンタ!が環境負荷が少ないのは、最新式だから当たり前です。それとお隣にある長船町とは関係ありません。

焼却灰も持ち込まないのが当然なのですから、それより良いというのは取ってつけた理屈です。

確かに平成3年に玉野市にごく短期間、数カ月ごみを燃やしてもらいました。しかし、今回は平成の二〇年までだそうですから、期間が違いすぎます。

県のごみ処理計画は岡山市と、長船町は別の区域になっています。それのどこが県に協力することになるのか、不可解です。また、広域処理がごみの自治体処理の原則を崩しかねない心配があります。

困ったときはお互いさま。そのとおりですが、長船町が困っているとしても簡単に持ち込みを認めるのは、本当に長船町のためになるのでしょうか。岡山市に持っていけばどうにかなるという安易な姿勢を助長することにならなければ幸いです。

岡山市民は、北部では埋め立てで、南部と東部では焼却処理で負担を分散しています。長船には、スラグをすべて持ちかえってもらう位の協力を求めてこそ、お互いさまと言えるのではないでしょうか。

〔用語解説〕スラグ 焼却灰をさらに高熱で溶融処理したもので、有害物質がなくなり、リサイクル可能とされている。


2002/03/05

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