2000/01/01 |
市は個人情報保護に理解なく 原発安全神話に固執
口羽場頼三郎 大阪高裁から児童や生徒からの「内申書の開示請求」を認めるという判決が出ている。文部省も「それぞれの自治体で判断してもらいたい」といっているが、岡山市はどの様な考えでいるのか。
●教育長 調査書(内申書)は市の個人情報保護条例では開示しないとなっているし、県の入試の選抜資料は公開しないとなっているので、開示するつもりはない。
口羽場 2千年問題での市民の心配を考慮して、市は原子力発電所を一時的に停止することを求める考えはないか。
●当局 原発を止めると全部電気が来なくなるので、そんなことは考えない。
口羽場 口座振替が進んできている現在、同じように税金を納めている一般市民と、納税貯蓄組合に入っているものとの間には不公平感があるので、制度の抜本的な見直しが必要では。また、組合員の口座振替利用率は。
●当局 組合の中の口座利用率は約7割になっている。今後は他都市や12年度以降の実績も考慮して検討したい。
〔遺伝子組み換えについては別の記事を見てください。質問の詳しいやりとりが必要な方には議事録の写しを差し上げます〕
内申書については、本人への開示と他の人への公開とを(あえて)ごちゃ混ぜにしているだけでなく、県の入試と市の判断とを区別していません。納税貯蓄組合については、組合員の7割もが口座利用者で、口座を利用している一般市民との差をつける理由が明らかにされていません。ちなみに、市は「組合員の収納率が他の収納率を大きく上回っていて」といいますが、一般の収納率は九六%であり、組合は九九・一%です。その差は三・一%にもかかわらず「大きく上回って」というのは言い過ぎです。
原発の一時停止を求めることと、電気がまるで来なくなることとを同一視しているのはいかにも元通産省の役人らしい答弁です。電力の3割しか原子力に依存していない事実を無視しています。
遺伝子組み換えについてもそうですが、質問をはぐらかそうとしたり、問題をすり替えたりしていて不真面目な答弁が多いというのが今回の印象でした。
市から納税貯蓄組合への支出額 7年度 6327万8154円 8年度 5812万 926円 9年度 4521万1975円 10年度 3186万5508円 見直しを求めて以来、少しずつ減少してきています。組合数や組合員数があまり変わらないところを見ると、健全な支出になってきていると思えます。
組合数 1778組合から1663組合に 組合員数 62,673人から59,584人に
八日の本会議で羽場が行った一般質問に対し、市長のとんでもない発言が飛び出しました。「遺伝子組み換え食品を否定することは清水白桃を否定することと同じ」と言うのです。」一瞬耳を疑いました。
その前にも「遺伝子組み換え自体を否定するのは神を否定することだ」と発言。これがおかしいという私の追及に対して、前記の発言が繰り返されました。農薬に強い性質を持つ異種の遺伝子を植物の遺伝子に組み込むなど、大量生産のために「自然(神)の摂理に反して」つくられたものが遺伝子組み換え大豆やトウモロコシです。突然変移や品種改良とは似て非なるものです。それをあえて同一視しているのは、知識が不充分なのか偏見でものを言っているかのいずれかでしょう。
保守系のM議員ですら、その不道徳性や反自然性を指摘しているところです。生命に対する挑戦とも言える遺伝子組み換えが、利益追及のためだけに行われていることも忘れてはいけません。
この食品を与えられたラットの免疫性が下がったという報告もあり、その安全牲や不自然牲に疑問を持つ父母が学校給食などでの利用に強く反発しているのも無理からぬことです。2年前に市議会が国に対して、遺伝子組み換え食品の表示を求めて意見書も提出しており、食品に対する安全牲やそれを求める消費者のことなどまったく考慮に入れない姿勢には驚かされました。
また、このことは新聞に一行も書かれていません。TVも同じですが、このような明らかな問題発言を取り上けないマスコミのセンスはいかがかと思われます。
ちなみに清水白桃は市内芳賀地区が発祥の地とされる岡山が誇る高品質の桃です。この桃の栽培者の孫にあたるTさんは「これと遺伝子組み換えのものと一緒にされたのでは先祖も怒る」と語っておられました。(羽場頼三郎)
☆遺伝の働きをするDNAデオキシリボ核酸を試験管の中で酸素や酵素を使って新しい遺伝子を作り、自然界に存在し得ない植物を生み出して食品としたもの。
☆英国のアーバド・パズタイ教授の研究によると、害虫を寄せ付けない遺伝子を組み込んだジャガイモをラットに食べさせたところ、免疫力が低下した。
☆読売新聞の調査(99年4月)
遺伝子組み換え食品を食べることに抵抗がある(7割)
表示が必要と思う(8割)
☆地婦連と東京都のアンケート「不安の中身は何ですか」
☆EUは、昨年から表示制度をスタート。組み換え食品が従来の作物と栄養・成分が異なる場合に限らず、そうでない場合でも、組み換えられたDNAやタンパク質が存在している場合には表示を義務づけている。
2000/01/01 |