2013定例市議会一般質問


2013年度 12月定例市議会一般質問


防災対策について

(1) 南海トラフ巨大地震に対する認識について
(2) 自主防災組織の現状について
(3) 防災訓練等の実施状況について
(4) 今後の課題・取り組みについて


◯質問 
 発言の許可をいただきましたので、通告に従い、質問させていただきます。
 12月21日、来週ですけれども、「えひめ防災の日」ということになっています。この前後1週間は「えひめ防災週間」ということで、県民の意識も非常に高くなってくるということが考えられます。この日は、昭和21年に昭和南海地震が発生をして、そのことを忘れないために、「えひめ防災の日」として愛媛県で制定されたものというふうに認識をいたしておりますけれども、先ほど古川議員さんからも防災についての質問がございました。殊、防災に関しましては多くの議員が関心を持たれているところであり、私もできるだけ重複を避けて、自主防災組織、防災訓練などに特化した質問をさせていただきたいと思っております。
 先ほども述べさせていただきましたけれども、防災の問題については、住民の命を守る大切な視点であることから、これまでにも多くの同僚議員が質問をしております。私も平成17年の6月議会、平成19年の6月議会において、災害対策本部の耐震性について、自衛官OBの防災担当監採用について、自主防災組織の現状と細分化等について質問をさせていただきました。私が在野に下っておりました4年間の間に、平成23年3月11日には東日本大震災が発生をして、警察庁発表のデータでは、11月8日現在ですけれども、死者・行方不明者は1万8,534名、建物の全壊・半壊は合わせて39万9,028戸。復興庁の発表ですけれども、10月10日現在で、いまだに28万2,111名の方々が避難などをされていると。非常に厳しい生活を送られているということが浮き彫りになっております。
 ことしは、九州、山陰、近畿、関東など日本の広い範囲で台風などによる風水害の被害が発生をしましたけれども、殊、地震は現代の科学技術を持ってしても予想することが困難であり、「地震・雷・火事・おやじ」と申しますけれども、地震は一番恐ろしいものとして昔から言われてきております。
 以前の質問でも触れましたが、先ほど市長さんのお話の中にも出てまいりましたけれども、今治地方は気候も温暖で、これまで地震などによる大きな災害も少なく、非常に住みやすい地域であるということが言えますけれども、同時に防災意識が希薄な地域であるということも言えます。近年、今治市内でも、自治会などの協力で防災士の資格を取られる方々がふえてきており、徐々に体制は整ってきておりますが、今治市全体を考えると、防災意識、危機意識というものがまだまだ低いと言わざるを得ません。
 そこで、今回、4項目質問をさせていただきます。
 1番目は、南海トラフ巨大地震に対する認識についてお伺いをいたします。
 東海・東南海・南海連動型地震、いわゆる南海トラフ巨大地震ですが、東海・東南海・南海の3つの大きな地震が連動して発生することが危惧されております。古くは684年、日本書紀だったと思うんですけれども、南海の地震が発生をしたという記録が残っておりまして、その地震発生前後には、伊予あるいは紀州のあたりでは、温泉が出なくなったり、土佐の地域では12平方キロメートルが海に沈んで、たくさんの船が転覆をしたというような記録も残っているようです。そして、最近の研究では、この同時期に東南海・東海の地震もあったのではないかということが言われております。
 そして、今回のこの巨大地震ですけれども、30年以内に7割の確率で発生をすると言われております。そして、これは100年単位というような短期的周期の地震ではなくて、1,000年またはそれ以上の周期で起こる巨大地震であると位置づけられており、大阪市においても、10月30日ですけれども、早期避難がなされなかった場合として、平成24年8月に国が9,800人という死者数を想定しておりましたけれども、13万3,891人という方が亡くなるおそれがあると、そういう被害想定を発表したということは記憶に新しいところです。
 この今治地方に目を向けてみますと、大津波の心配は少ないものの、全市域を震度6強の揺れが襲うと想定されており、決して対岸の火事では済まされない状況にあるということを再認識しなければなりません。1,000年に一度、あるいはそれ以上とも言われる地震に対して、今治市としてどのような認識を持っておられるのか、お伺いをいたします。
 2番目ですけれども、自主防災組織の現状についてお伺いをいたします。
 平成19年6月当時の答弁では、今治市内の世帯数が7万2,932世帯、そのうち4万18世帯が自主防災組織に加入、組織数は291、組織率は54.9%。内訳ですけれども、291組織のうち、100世帯以下が202で69%、そのうち、理想的な規模と言われている1組織当たり50世帯から100世帯が30%、1,000世帯以上のいわゆる巨大な自主防災組織ですけれども、6組織という現状にありました。
 直近の愛媛県の発表では、平成25年10月1日現在、今治市の自主防災組織の現状ですけれども、全世帯数が7万5,345戸に対して、自主防災組織数が456組織、自主防災組織に加入している世帯が5万3,080戸、組織率が70.4%ということになっており、当時と比較して組織数で165組織、組織率は15.5%増加をしております。その内訳は今どのようになっているのでしょうか。
 自主防災組織は、組織率よりも防災組織そのものが実際に機能するかどうかということが大切になってきます。自主防災組織は年々ふえてきているのか、また現在の456組織が理想的な規模となっているのか、1,000世帯以上のいわゆる大規模自主防災組織の細分化は進んでいるのか、この点についてお伺いをいたします。
 3番目ですけれども、防災訓練等の実施状況についてお伺いをいたします。
 私が住んでおります日高地区でも、10月には住民参加のもと防災訓練が行われ、100名を超える住民の方々が、毛布を利用した簡易担架、土のうをつくったり、また心臓マッサージの方法などさまざまな訓練を受けました。先ほどの古川議員の一般質問でも桜井地区の事例が報告をされておりましたけれども、こういった住民参加による取り組みというものは、防災意識の向上はもちろんですけれども、災害の際には多くの市民の方々が救助をする側に回ることができることから、全市的な取り組みとしていく必要があると考えます。
 校区単位、自治会単位で防災訓練を行っている地域も年々ふえてきていると思われますが、世話人の確保等、いろんな事情があって防災訓練そのものを行うことができない自治会もあるということを伺っております。
 そこで、現在、今治市ではどのような体制で防災訓練が行われているのか、また防災訓練が実施されていない自治会の方でも、誰でも気軽に参加ができるような仕組みがあるのか、お伺いをいたします。
 4番目ですけれども、今後の課題・取り組みについてお伺いをさせていただきます。
 災害を100%防ぐということは不可能ですけれども、被害を減らすことは可能です。耐震化等物的な改修、これももちろん必要ではありますけれども、予算にも限りがあり、やはり自分の身は自分で守っていくという観点から、市民の防災意識向上は何よりも不可欠なものであると考えます。現状の課題をどのように捉え、そしてまた、今後どのように取り組まれていくのか、お伺いをいたします。
 以上です。


◯答弁(市長
 達川議員ご質問の防災対策についてのうち、1番目の南海トラフ巨大地震に対する認識についてに関しまして私からお答えさせていただきます。
 認識なんですけれども、私が県議会で初質問したときにこの問題を取り上げました。それは、記憶に新しいところで芸予地震がありました。これは一首長として実際に先頭に立ちました。それから、その前に鳥取県西部地震というのがあり、これは片山元総務大臣、その前に鳥取県知事をしておりました。この片山さんが知事として取り組んだこと、そして鳥取県西部地震で本当にさまざまなことを体験して、感じたこと、日本中の首長にぜひお知らせしたいというフォーラムを米子市でしてくれまして、私も参加いたしました。それで芸予地震に対する心の支度ができていたと思います。
 そして、片山さんがなぜそんな思いを持ったか。阪神・淡路大震災、あの震災を見て、行政の役割の大きさというものを感じて、さまざまなことを鳥取県知事になる前にトレーニングし、知識も詰め込んでいたようです。ですから、知事に就任して一番最初に取り組んだのが防災対策、そして鳥取県西部地震が来たとき、「よし」といったことで取り組んだといったお話がございました。そして、芸予地震。
 もとへ戻りますが、県議会の初質問は、愛媛県にぜひ危機管理監を設置してほしい、そして防災に本当に真剣に取り組む必要があるという話をさせてもらいました。そのことがきっかけかどうかわかりませんが、その後に危機管理監ができたのは間違いのない事実でもあります。そして、今治市長に就任させていただいて、やはりこのことの大切さは常に感じておりましたので、先ほどもお話ししましたように、自衛隊から専門家をぜひともといったことでお招きさせていただきました。認識につきましては、かなりの思いは持っておるつもりでもございます。本市にとって最重要課題の一つという認識を持っておるつもりでもございます。そのために、先ほど申しました防災の専門家を招いて、防災体制を整えまして、職員の災害対応能力を向上させるだけでなくて、自主防災組織などを中心とする地域の防災力を強化すること、これが必要であると強く感じております。マニフェストでもお示ししているとおりでございます。
 平成22年には、それまで消防本部内にあった防災部門を本庁総務部に移し、大規模災害にも対応できるよう全庁体制を整えました。くしくも東日本大震災の1年前のことであります。そして、航空自衛隊から、先ほど申しました防災危機管理の専門家をお招きし、庁内の体制強化はもとより、市民の防災意識の啓発、防災訓練の指導・支援などを精力的に行ってきたところでもございます。
 本市は、先ほども達川議員のご質問、また私も先ほど申し上げましたが、本当に恵まれた、穏やかな瀬戸内海にあって、災害の少ない地域でもございますが、南海トラフ巨大地震は非常に高い確率で起こるとの予測がございます。また、地震以外にも、最近では異常気象による大雨、台風、竜巻などの被害も各地で発生しており、本市におきましても決して油断はできません。こういった大規模災害に対しましては、何よりも危機意識を持って備える、これが大事でございます。災害による被害を軽減するには、自助、共助、公助の全てを強化し、連携を図ること、言いかえれば、全市民一丸となって常日ごろから防災・減災に取り組むことではないかと思っております。この意識を強く持って、今後とも市民の皆様とともに安全・安心なまちづくりに邁進してまいる所存でございます。
 その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えをさせていただきます。よろしくお願いします。



◯答弁(渡辺総務部長)
  達川議員ご質問の防災対策についての2番目から4番目についてお答えをいたします。
 2番目、自主防災組織の現状についてでございます。
 平成25年12月1日現在、今治市では、世帯数7万5,372に対しまして、自主防災組織に加入している世帯数は5万3,062で、組織率70.4%となっております。これを大きなエリア別に見てみますと、本庁管内が71.3%、陸地部支所管内が52.8%、島嶼部支所管内が90.7%となっております。ちなみに全国平均は、平成24年4月1日現在、77.4%でございますが、愛媛県の平均は20市町のうち13市町が100%ということもありまして、平成25年10月1日現在、88.9%と非常に高い数字となっております。
 また、当市の自主防災組織数は現在457で、1組織当たりの世帯数は平均116世帯となっており、適正な規模と言えますが、中には大き過ぎる組織もございます。もう少し細かく見てみますと、理想と思われる100世帯以下が332で、72.6%、このうち50世帯から100世帯が136で、29.8%となっておりまして、平成19年に比べますと、組織率や組織数は、徐々にではありますが、着実に上昇をしております。
 一方、1,000世帯を超える大きな組織は以前と変わらず6つございます。この1,000世帯を超える組織につきましては、数字の上では変化がございませんが、数千世帯あったものを数百世帯にまで細分化したケース、また一度に細分化は難しいということで、とりあえず1,000世帯程度までに編成し直したケースなどもございます。また、今まさに細分化、組織の再編成に取り組んでいるという地域もあり、課題は残っているものの、全体として細分化の流れは進んでおると認識をしております。
 次に、3番目の防災訓練等の実施状況についてでございます。
 防災訓練の実施方法は、地域や自主防災組織によってさまざまであります。校区全体で実施するところもあれば、単位自主防災組織で実施するところもございます。また、訓練への参加者や訓練内容につきましても、それぞれ地域の事情に合わせて工夫をされております。訓練内容などにつきましては、地域からのご相談に、市防災危機管理課、また消防などで対応させていただいておりますし、実際の訓練にも参加をさせていただいております。
 ちなみに、防災危機管理課が関与いたしました研修・訓練の回数は、平成23年度133回、平成24年度70回、今年度も現在46回を数えておりますが、このうちの半分が防災訓練でございます。地域で実施する訓練には、これ以外にも消防や社会福祉協議会の協力を得ながら実施するもの、また地域が単独で実施するものも加わりますので、その数はさらにふえるものと思っております。
 こういった地域が主体となってする訓練のほかにも、市では毎年、「防災の日」であります9月1日の直近の日曜日に総合防災訓練を実施しております。この総合防災訓練には、どなたでも参加をいただけるようになっております。
 最後に、4番目の今後の課題・取り組みについてでございます。
 以前に比べますと、防災の取り組みは、その意識も含め格段に向上していると認識しておりますが、地域間での防災意識に差があることは否めないとも感じております。自助、共助、公助による減災をテーマに、ハード、ソフト両面からしっかりした取り組みを続け、今治市全体で防災意識が高まることが大切であると考えております。そのためには、議員ご指摘のとおり啓発活動が重要であるとの認識から、これまでにも防災出前講座や、地域のFMラジオやケーブルテレビと連携した情報発信、各種防災マップの作成などに取り組んでおります。
 今後とも、効果的な情報発信や防災出前講座、防災訓練など、地域と一体となった防災活動の支援を通して、市内全域に至るさらなる防災意識の高揚に努めていかなければならないと考えております。
 以上でございます。



○再質問

地震はもちろんですけれども、災害は日常生活を一瞬で非日常へ変えてしまうという本当に恐ろしいものです。中央防災会議や県、こういった国や自治体が研究発表する災害に対する情報もどんどん新しいものへと変わってくると思います。その都度、速やかに新しい情報を市民に対して発信していただけるようお願いします。
 また、学校の耐震化、これは一定の工事を終了する段階に来ておりますけれども、最近、新しく注目されております各家庭での耐震シェルター等、防災に対する備え、これも限りある予算なので難しいかもわかりませんけれども、できる限りの支援をしていかなくてはならないと思います。
 また、何度も申しますけれども、建物などに対する備え、これはもちろんですけれども、防災に対する全市的な市民の意識レベルの向上、これが一番必要不可欠なことであるということは言うまでもないことです。
 2番目の自主防災組織の現状についてですけれども、答弁では、10月1日、愛媛県が発表しておりましたデータよりも、新たに1防災組織が加わったようです。まだまだ1,000世帯を超えるような組織もあるようですので、国が77.4%、県が88.9%、組織率が高くなっていますけれども、例えば2万人いるような地域で1つの自主防災組織と、これでも100%ということにもなってきますので。愛媛県内を見ておりますと、13市町で100%ということですけれども、これは本来あり得ない数字であると思うわけで、もちろん向上していかなければならない数字ではあると思うんですけれども、組織率よりも、実際に機能するような組織になってくると、これが一番大事なことだと思います。大きな組織の細分化というものは一朝一夕にはいかないものだということも理解できますし、これまでも努力をされているとは思うんですけれども、着実に増加、細分化の流れを進めていただいて、そして機能する組織の構築をぜひともお願いします。
 阪神・淡路大震災において、先ほど市長さんの答弁の中にも出てきましたけれども、公的機関に助けられた人はわずか1.7%であったというようなデータも出ています。やはり、そういった防災訓練等々で得られた知識、また地域住民の方々がともに助け合うと、そういった形で多くの命が救われていると。これは東日本大震災でも同じことが言えるのではないかと思います。一人でも多くの命を守るために、地震というものは、あしたやってくるのか、10年後なのか、朝、昼、晩、それもわからないわけですし、季節も、寒い季節なのか、暑い季節なのかと、そういうことも一切予測が不可能だと、そういったものでありますので、ぜひとも取り組みを進めていただきたいと。多くの命を守るためにお願いをしたいと思います。
 3番目の防災訓練等の実施状況についてですけれども、誰もが参加ができると、そういう訓練、講習は、自主防災組織がない地域、あるいは訓練などを行うことができない地域の方々にとっては大きな受け皿になるものと思われます。ことしは大雨のために中止になってしまいましたけれども、こういう機会をもっともっとふやしていただけるよう、自主防災組織のない地域のデータも把握をされていると思いますので、地域の皆さん、また防災・消防部局の皆さんのご負担、ご協力が必要不可欠になってまいりますけれども、ぜひとも、出前講座の充実等、多くの市民が広く訓練・講習を受けられる機会をふやしていただけるようにお願いします。
 この防災も、財政問題同様、これで終わりというものではありませんので、今後も引き続き動向を注視していきたいと考えております。
 以上で質問を終わります。




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