98/09/05 |
市政の争点・論点となってる「あれはどうなっている」「これはどうした」といったものに焦点をあてます。まず親として無関心でいられない環境ホルモン対策。
遺伝子組み替え作物とか環境ホルモンといった耳慣れない言葉が、私たちの生活に影響を与えています。
最近の報道によると、英国アバディーンのロウエット研究所のアーパド・パズタイ教授の研究によると、害虫を寄せつけない遺伝子を組み込んだジャガイモをラットに食べさせたところ、免疫力の低下が見られたそうです。これまで、安全性に疑問が持たれていた「作物」に、有害な影響が明らかになったのは初めてです。今の食卓や給食にこのジャガイモが使われているのかどうかすら、はっきりしていません。商品に「遺伝子組み替え作物」が使われているかどうかの表示が義務づけられていないからです。
環境ホルモンのビスフェノールAが原料となっているポリカーボネート(PC)製の食器が広く給食に使われていることが話題となっています。岡山市の学校給食についてはステンレス製食器を利用しているため、関係有りません。しかし、老人ホームや保育園の給食には使われています。市の説明によると、厚生省の基準以下なので、安全と理解しているとのこと。この基準は、実は環境ホルモンを想定した数値ではないことに注目すべきです。超微量で作用するのが環境ホルモンの恐ろしいところと言われています。米国スタンフオード大学での実験では、2〜5ppbでエストロゲン様作用を発揮し、乳癌細胞が増殖したという報告がなされています。ちなみに、横浜国立大学環境科学研究センターで行った、PC製の哺乳瓶に九五度の熱湯を入れて26度に冷めてから調べると、全銘柄から3.1〜5.5ppbのビスフェノールAが検出されています。これを厚生省のように、溶出の基準値は2500ppbだとして「約千分の一以下だから環境への影響はない」と言い切っていてよいのでしょうか。
環境ホルモンは体内に取り込まれて、すぐに影響が出るものとはありません。成人してから、次の世代になってから悪影響が出てくるものです。調査してその結果を待ってからといったことでは遅すぎるのです。
保育園児の給食に使われているPC製食器は、ただちに使用を止めるべきです。「疑わしきは利用せず」を市の方針にするべきだと思います。また、食器の変更に伴う費用は約2500万円ぐらいとのこと。少ない額ではありませんが、子供たちの安全に必要な金を惜しむことはありません。
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