2000/06/05 |
岡山県が財政的な危機状態にあると言われてかなりたっています。江田五月が立った四年前の県知事選挙では、このことを最大の争点にしたにもかかわらず、(それを避けて汚い選挙の限りをつくして当選した)石井知事は、当選後になって初めて気がついたかのように財政危機を訴えています。
さらに、岡山市政においても同様な危機状態にあるということが、(同じような選挙の方法と構造で当選した)現市長になってから言われてきています。しかし、これには疑問があるとの指摘があります。果してどうなのか、私の分かる範囲で検討してみたいと思います。
《全国で最悪の岡山県とは》
県が特に悪いとされているのは、財政が健全かどうかを示す指標のうち、「公債費負担比率」です。97年度23.5%、98年度23.7%でいずれも全国ワーストワンです。通常入ってくる税金などの財源に対して借金を返す公債費の割合が、危険ラインとされている20%を越えています。つまり、百万円の税金その他が入ってきても24万円は返済のために使われるということです。
一方岡山市は98年度において17%です。警戒ラインの15%を越えているので、低い方とに言えませんが、同じではありません。
《では経常収支では》
人件費や公債費など経常的に支出される経費が、市税などの収入に占める割合(経常収支比率)が80%を越えると、財政の弾力性を失いつつあるといわれていますが、岡山市は九七年度にはじめて越えました(81.5%)。県は同じ年度に95.7%(全国ワースト七位)、98年度には98.4%です。
これも家庭で言えば、家賃やローン返済などの支払いが多くて可処分所得の無い状態の度合いを示しているものです。市は決して安心していてよいというはどではないものの、県の深刻さとは較べものになりません。県の悪さを目立たさないようにするために、「市も悪い」と言っているのではないかと疑われるのも無理が無いかもしれません。
《県は市に対して》
県が行っている乳幼児やお年寄りの医療への補助金(単県補助)をカットしていることは、何度も指摘していますが、合併浄化槽への補助もカットしています。
家庭の排水を浄化する設備に補助金を出すことで自然を守ろうとする政策は、国を上げてのもので、国と県と市がそれぞれ3分の一ずつ補助してきました。ところが、県は財政難を理由に自分が出すべき補助金を30%カットしています。足りない分は、市が追加をしているので、結果として市の財政を圧迫している勘定です。
財政難は国も含め全国の自治体が直面している課題です。しわ寄せが市民に及ばないように実態を見極めなければなりません。
《個人質問の予告編》
優良田園住宅の建設の促進に関する法律というのがあります。たとえば、退職後に自然とともに暮らしたいと思ったとき、都市に近くても農山村地帯に家を建てるには色々と制限があるので、事実上困難です。それをある程度緩和して、自然環境との調和を図る住宅建設を認めようというものです。
市街化調整区域であっても、場合によっては住居が建てられることになりますので、そのためにはしっかりした指針が必要です。宮城県の仙台市の近郊にある柴田町では次のような内容の方針を作って、造成の工事が始まっているそうです。
@農用地の利用に支障がない地域であること。
A既存の集落に隣接又は近接していることの
B周辺の景観と調和すること。
C外柵は「生け垣」によること。
D造成は極力最小限にとどめること。
E生ゴミの処理計画を作ること。
F植栽計画を作る。
G合併浄化槽を設置すること。
H宅地内の舗装をしないこと。
水質の保全や生態系の保護に配慮したものであり、岡山市での可能性についても論議されるベきだと思います。
これを促進するために、不動産取得税の特別措置の適用対象になりますし、固定資産税の減免措置の導入も可能と考えられます。また、住宅金融公庫の特別融資が利用できるなどの道も開かれており、聞くところによると、全国的にも関心が高まっているそうです。
2000/06/05 |