小話その5
〜妄想炸裂!の巻〜


えー、今回は俺的あっくん談、ということで書かせて頂きます。

さて、結論から申しますと、あっくんはへなちょこ君であります。

これについて語ろうとすると、どうしても過去のことにさかのぼらねばなりません。

これは小説のみの設定ですので、ちょっと軽く説明しておきますと、1万年前の大戦時、あっくんがデーヴァ神軍八大明王として参戦していたことは皆さんご存知のことと思いますが、当時のあっくんは常に鋭い視線を辺りに撒き散らし、くすりとも笑わないような、まさにクールな奴でした。

んで、ただ漠然と前線で戦ってるんですが、ふとした拍子に自分が無意識に求めていたものが「力」であるということに気づき、そこをシヴァ様につけこまれて、いろいろ抵抗しつつも黒のソーマを選んでしまうわけですな。んで、みなさんご存知のあの「ムダよムダムダ〜!」のあっくんに変貌してしまうわけです。

んで、この黒のソーマに目覚めるまでの下りでとにかくへなちょこっぷりを発揮してくれとるわけです。

・・・さて、いったいどこからそんなとんでもないことを言い出したのかと言いますと。



まず、一つ目に、あっくんがクールな奴だったということは先ほど述べましたが、これは他人と関わることで自分が傷つくことを恐れて、自らつくりだした人格だと私はふんでおります。つまり。自分自信に自信が無く、人に認めてもらえるか心配な場合、自分のプライドを守るのに一番簡単なのは、人と関わらないことです。で、まわりからよく見られつつ、自分のプライドも保ちつつ、人と関わらない性格とは、と考えると、クールに行き着くと。(笑)・・・と断言してしまうのもなんなんですが、自分もそうだったので・・・。(笑)

クールを装い、他人は他人、自分は自分と自分に言い聞かせることで、他人に関わらないことと、他人からの悪い評価を無視することを正当化するんですな。

んで、2つ目はあっくんの「力」に対する考え方です。

彼が黒のソーマに目覚めたとき、大変誇らしげに言ったせりふに「力は使ってこそ力、この力を使うことが俺の生きてる証になるんだ」というような感じのものがあるのですが、これから彼の「力」に求めるものが見えてくるような気がするんですな。

つまり、彼にとって、「力」は使うこと自体に意味があって、使う理由はどうでもいいということです。

一般のデーヴァ神軍の神将サンたちが強くなりたいと考えるのは、天空界を守るためです。でも、あっくんが強くなりたいのは、周りに自分の力を見せ付けて、自分を評価してもらうためです。

あっくんが自分に自信が無いのでは、と言う話を先程しましたが、彼は多分自分を認めてもらう絶対的な材料としての「力」が欲しかったのではないかと思います。戦時中という状況下、例え内面が認められなくても強ければそれなりの扱いはしてもらえますからね。これに関しては、学校における、成績なんてのがあてはまるかもしれません。

んで。3つ目が黒のソーマに流れちゃった前後。(もしくはストーリー全般ともいうな)

「力」をまわりにアピールし、内面をことごとく他人の目から遮断することによって、デーヴァ神軍における勇者様の地位を獲得したあっくんですが、もちろん、そんなことで楽しい日々が獲得できるわけではありません。

本当に認めて欲しいのは自分の人格なので、たとえヴィシュヌ様に戦場での働きを誉められても、全然嬉しくないし、

ある日突然、全ての生活の土台となっている自分の力がふと無くなるんじゃないかと不安にもなるし、結構大変です。

そんないろんなことに悩むぐらいなら、いっそのこと自分の得意分野である戦場で戦うことだけを考えていたいと思っても不思議じゃないですよね。

そんなとき、シヴァ様に誘惑されるわけです。「それじゃ、ずっと戦ってればいいんじゃないか?」と。

実際、毎日のように会っているアスラ神軍のみなさんは嬉しそうに好き勝手戦ってるわけですし、そんな魔神将たちをあっくんも羨ましく感じるところがあったみたいです。でも、一応アスラ神軍は敵で、残忍で悪いやつらだという基本観念がある。なおかつ、自分への評価を「力」とすりかえて逃げている今の状態も良くないと思ってる。そんな板ばさみ状態で葛藤しながら、それを吹っ切るためにまた戦場に突っ込んでいくという悪循環。んで、運命の(?)日。その日もまたシヴァ様に勧誘されたあっくんは、まさにぶち切れ状態。全てを否定するがごとく敵陣を突っ切るのですが、その直後、ほとんど勢いのような形で味方を殺してしまいます。そこで黒のソーマにめでたく目覚めるのですが、・・・これって、あれですか。ついに黒のソーマの誘惑の前に、理性が力尽きてかき消されてしまったってことですか?(笑)イメージ的には、頭の中で天使さんと悪魔さんが戦ってて、最後に悪魔さんが烈光弾で天使さんを吹き飛ばしてしまったって感じ・・・?どうせなら、自分でバシッと決めればよかったのにねえ・・・。

ほら、へなちょこっぽいでしょ?(笑)・・・強引ですか?すみません。(笑)



でもね、今までうだうだ書いてきたことも含めて、あっくんはすごく自分自身を認めてくれって意識があったと思うのです。

実際、先代龍王のアナンタさんは、全ての人を受け入れて上げられるような人だからって、悩み事ぶちまけちゃうし、

クンダリーニに「お前の戦い方、面白そうなんだけど」と言われて一緒に襲撃に行っちゃうし、

トライローお姉様に「あたしはあーちゃんが好きなのよっ!」とか言われようもんなら、ほとんど衝動的にキスまでしちゃうし。

まじで、自分の人格を認めてくれる人にぐらっときすぎです!!(笑)

んで、ここで、「オレって結構大丈夫なんじゃん?」と自信を持てばいいのに、すぐに自分の殻に引きこもっちゃう。

一体、どうすればここまで自分を追い込めるのか、過去をかたっぱしからさかのぼってやりたいです。



なので。これを最初に読んだ私としては、その後の自信満々のあっくんを見ても、素直に受けとれないのです。

どんなに偉そうにしてみても、どんなに圧倒的な力で敵をやっつけてても、どんなに嬉しそうに高笑いしてても、「オレを認めてくれ」って叫んでるようにしか見えない。実際には、黒のソーマの効果で「力を行使する」ことだけが拡大されて、それだけが目的になって、「認めてほしい」なんてこれっぽっちも思ってないんだろうけど。なんだか、死に際の怨念だけで生まれた地縛霊みたいな感じがしてちょっと辛い。

これを語ろうとすると、なんだかテンションが下がってくると言うのは、こんな理由からです。

彼を悲劇の人にする気なんてさらさらないけど、彼が彼なりに悩んでたということを時の彼方に葬り去る気もない。

小説がでたとしても、彼が黒のソーマから解放されることは99パーセントないと思われる現在、どうにか昔の彼を引っ張り出してあげられないかと思った結果、出来たのがうちのコンテンツである「天霊界日記」です。あそこにでてくる3人衆は、黒のソーマと白のソーマが半分ずつぐらいの気分で書いてあります。・・・まあ、単純に黒のソーマ100%だと、お話にならないということもあるんですが。(笑)

なので、あのコンテンツの中身は、30%のそんな気持ちと、20%のおちょくりと、50%の自己満足という感じになっております。

あんな我が妄想だらけの奴らですが、原作キャラに遠く及ばずとも、ほんの少しだけ、好きになっていただければ幸いです。



それでは、我が最愛のダーリンに愛を込めて。(笑)

---以上、小話でした。

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