神崎雛子 考

考察1 同時代の大女優達の生き様から
 
 雛子さんについては、活動写真で若い頃から活躍している女優というこ
とは存じてます。それで、彼女の若い頃に、同じく活躍した女優とをかね
合わせて考えてみました。あげますと、
 貞奴
 松井須磨子
 玉梓つわ子
と三人の大女優が思い浮かびました。これに雛子さんを加えます。貞奴・
松井須磨子は舞台で、玉梓つわ子・冴木ひな(神崎雛子)は活動写真で
活躍されたことは想像できます。
 上にあげた三人について、雛子さんはその活躍ぶりに刺激を受けたこ
とと思います。玉梓つわ子とは、活躍の場が同じですので、好敵手だった
ことでしょう。

 この三人の女優から、おそらく雛子さんは、女優としての生き方につい
て考えさせられたのではと、私は憶測しました。

 まず、貞奴、松井須磨子ですが、彼女たちが夫と死別してからの生き
様をより注目したものと思います。貞奴の夫は川上音二郎、須磨子の夫
は島村抱月で(須磨子と抱月は結婚してませんので夫婦でないのですが
、情愛でつながっていたことから便宜上須磨子の夫としておきます)、両
方とも当時の日本演劇界の大物です。この二人の死自体は衝撃的なも
のでしたが、その後の彼女たちの生き様は対照的だったようです。
 貞奴は、夫の死後は数年間は女優を続け引退し、後進の指導をされ
ています。奔放な夫を持って苦労されましたが、苦楽を共にした夫の意
志をついでいったようです。

 須磨子は、死別後さほど時もたたず、「カルメン」上演後に自殺されたよ
うです。「カルメン」では、嫉妬した夫にカルメンは殺されますが、須磨子
には嫉妬してくれる夫はおらず、夫のかわりに自らが己の命を消したよう
に見えます。抱月亡き後のむなしさに対して、死をもって自らの演技を完
結させたのかもしれません。

 この二人の生き様には両方とも共感を感じたかもしれません。

 そして、 玉梓つわ子については、トーキー映画に移ってから、悪声の
ため、急激に凋落していきます。悪声ですから、舞台にも通用しません。
それでは誰かに吹き替えをしてもらうということもあったと思います。かの
オードリー・ヘップバーンでも、ある映画で一部吹き替えをしています。し
かし、このことは女優にとって大変屈辱的であることは想像できます。女
優の仕事に誇りを持っていたでしょうから、その道を閉ざされたことは、
もう生きる意味を見出せなくなったのでしょう。そして自殺という悲しい結
末に至ります。

 一方、冴木ひなはますます活躍し、銀幕のスタアを確立させていきます
。つわ子の結末については、雛子さんは好敵手としては同情しただろう
と思います。

 これら三人の大女優の生き様について、雛子さんはとても大切なもの
を失った時に、それにどう立ち向かっていくかを考えるようになったかもし
れません。そして、女優として誇りを持って生きるということへの問いかけ
が彼女には常にあるように見えます。

セガ公式サイト「サクラ大戦 BBS」                       
貞奴・松井須磨子・玉梓つわ子から考えたこと.. 2004/12/01 より     
(今日は、神崎雛子さんの誕生日です さくらもち 2004/11/27へのコメント)

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