キャッチフレーズ・欄外特集(1)

 この特集では、基本的に「ヨコハマ買い出し紀行」に関する文言のみを載せます。他の作品
の広告などが欄外に掲載されますが、ここではとりあげません。


第0話 ヨコハマ買い出し紀行
四季賞’94
春のコンテスト受賞作
紹介用表紙
キャッチフレ
ーズ
今日思い出す昨日
明日思い出す今日

いつも見ていたはずの景色が、あるあらためて見回すと別のものになっていたと、そんな時、その変化に気づかなかった事にがく然とすることってありませんか?
今、気にもとめない、あそこもここも、まるで夢だったかの様に思い出される日がくるのです。
よく見ておきましょう。今、見える景色は2度と見えません。
表紙キャッチ
フレーズ゙
なぜか少しなつかしく さわやかな味のマンガです。
時代の流れがゆっくりした時
とても素敵な景色や人が
世界の中に見えてきた!?
中途頁欄外
最終頁欄外 アルファの素敵な日常を描く次回作、近日登場予定です!!

作者近況報告 私は「歩き人」でして、油断すると10kmくらい遠足してます。時間のムダだとよく言われますが、ちょっとした橋や曲り角を通るときの、観光気分・・・・・・実はそれが私の、原動力なのです。

次号予告 次号には、入賞作『光年また光年』を掲載。お楽しみに。

クラウスのコメント
 四季賞受賞作として登場した記念すべきものです。表紙の前ページに紹介用の扉絵があり
ます。アルファさんが金槌を持って広告看板をつくったところでしょうか。
  キャッチフレーズ、欄外の言葉はあまり気をひきませんが、作品を味わうのにちょっとした味
付けになります。

 実のところ、よく絵を見ていると不思議な点があります。
 まず、おじさんのガソリンスタンドにはじめて訪れる場面です。
・給油ボックスの下にラムネびんのようなものがあります。それが給油する際に描かれて
 いません。
・スタンドの屋根に外灯のランプのようなものが見えます。しかし、それも消されていま 
 す。
・スタンド隣接の電柱の位置が、最初道路沿いになっていたのが、道路から遠ざかりまし
 た。 




第1話 鋼の香る夜
新連載用カ
ラー扉絵
SCENES OF 『ヨコハマ買い出し紀行』
T.青層圏(せいそうけん)
U.てろてろの汐(なぎさ)
表紙キャッチ
フレーズ゙
世界は水没しかけています。
岬の日々はさわやかです。
ロボット・アルファは
カフェを営みながら
オーナーを待っています。
中途頁欄外 四季賞受賞作品『ヨコハマ買い出し紀行』のあらすじ
西の岬のコーヒー屋・アルファはロボット。彼女のオーナーは、何年か前にどこかへ行ったきり。アルファは待ち続けている。ある日、アルファはヨコハマへコーヒー豆の買い出しに行く。丘の上のヨコハマへ。かつての大都市は海の底だ。水位が上昇した世界は大半が海に没している。アルファが買い出しに行った間に、オーナーは店に顔を出した様だ。書き置きが残っていたから。
最終頁欄外

作者近
況報告
私の生まれ育った土地は、この物語の舞台と重なる所で、海と丘の風景。そして現在、いそうろうさせてもらっている友人の所は大きな川と地平線の見える風景という、かなり違う環境です。私は今、『2つの場合に同時に身を置いている』状態なのです。

次号予告 次号、タカヒロが謎の生物ミサゴに会います。

クラウスのコメント
 扉絵のアルファさんがみずみずしく描かれています。
 T.青層圏(せいそうけん)は、水の中で、右手の長いリボンで踊っているように見えます。
 U.てろてろの汐(なぎさ)は、岸辺でしょうか。スカーフのようなものを持って舞っているよう
に見えます。(なぎさ)とあえてつけていますが、汐は(しお)と読み夕方の干満を意味しますが、
なぎさと読ませ、意味を膨らませているのでしょうね。

 作者近況報告でもわかるように、ヨコハマの舞台は芦奈野さんの故郷の風景をとりいれてい
ます。異なる風景の場所で、描くときは故郷を思い出して、芦奈野さんは二重の世界に暮らし
ている感じなのかもしれませんね。



第2話 入江のミサゴ
表紙キャッチ
フレーズ゙
新世界は常に
不思議があふれています
中途頁欄外 (512頁)
アルファの店の常連・タカヒロが出会った、怪しい不思議なミサゴの話!

(514頁)
アルファの住む世界→
ロボット・アルファの住む所は、西の岬のコーヒー屋。岬は、ヨコハマから車で半日ぐらいの場所。かつての”横浜”は海の底になっている。水位が上昇したため、世界の大半は海に没している。そんな世界で、アルファはオーナーを待っている。
最終頁欄外

作者近
況報告
バイクが1台あります。4年前にそっちにくわしい友人に、長野でめっけてもらったAG200というやつで、ポコポコとよく走ってくれます。ああ、でも近ごろ遠出をしていない。ああ、エンジンもかけてやってない。うう、スマンのう……。

次号予告 次号、アルファはスイカをいーぱい、もらいます。

クラウスのコメント
 表紙では、アルファさんとタカヒロが欄干に座って何かを眺めながら話をしているようです。タ
カヒロが少し上を向いて見ているのは、ミサゴの長い髪の毛でしょうか。足下に船虫の姿が描
かれていて、潮という感じがします。

 この話では、アルファさんはめずらしくスカート姿でした。アルファさんの脚が美しく表わされ、
さらにタカヒロの脚、ミサゴの脚もきれいにだされています。これらの脚の姿はある意味艶かし
いコントラストになっていて、三者ともスラッとしているところが共通しています。
 この脚の演出は、ミサゴの抱擁へと発展していきます。タカヒロは濡れた服を脱いで、裸にな
らざるえなくなり、その後裸であるミサゴに抱擁されます。

 裸というと、エロティックな面もありますが、また人間の自然な姿でもあります。抱擁されてい
る場面は、乳児が抱かれているという人間の原体験を感じさせます。エロティシズムと原体験
とがうまく融合したような世界になっています。
 気がつくと長袖長ズボンのアルファさんに抱かれていました。ここで現実回帰となりますが、こ
こでもその世界は完全に抜けてなく、続いていると思いました。アルファさんは両腕の袖をまく
って白い肌をあらわにしながら抱いていて、タカヒロの感じた世界が残っています。

 タカヒロは幸せ者です。

 そういえば、タカヒロの寄った本屋や芦奈野さんのAG200は今どうなっているのでしょうか
ね。
 


第3話 しましまのごろごろ
表紙キャッチ
フレーズ゙
アルファの世界はまだまだ夏まっ盛り!!
中途頁欄外 (141頁)
欄外上:ヨコハマ買い出し紀行 ゆったり未来新世界
欄外左:目覚めのアルファ。新世界ではロボットもゆったりと生きてます!?

(143頁)
欄外上:ヨコハマ買い出し紀行 ゆったり未来新世界
アルファの住む世界→
ロボット・アルファの住む所は、西の岬のコーヒー屋。岬は、ヨコハマから車で半日ぐらいの場所。かつての”横浜”は海の底になっている。水位が上昇したため、世界の大半は海に没している。そんな世界で、アルファはオーナーを待っている。

(149頁)
欄外上:ヨコハマ買い出し紀行 ゆったり未来新世界

(151頁)
欄外上:ヨコハマ買い出し紀行 アルファの素敵なロボット人生
欄外左:NEXTアフタヌーン12月号 ゆっくり素敵な新時代物語ヨコハマ買い
   出し紀行 次回は(第4話)ひさしぶりに買い出しへ出たアルファにア
  クシデント!落雷に直撃された。入院だ!! 10/25(火)発売

(153頁)
欄外上:ヨコハマ買い出し紀行次回〈10/25(火)発売〉をお楽しみに
最終頁欄外 “かわいい”と思ってくれィ!!

作者近況
報告
芦奈野ひとし
千葉の友人の家へ、バイクで遊びに行きました。夏の終わりの九十九里浜あたりは、とてもレゲエな感じにけだるくて、心地よくて、とろけちゃいそうでした。てろてろな空気をかきわけて、バイクで走ってるとねむくなる、ねてしまう……。

次号予告 次号,アルファは雷に打たれます!?

クラウスのコメント
 表紙のアルファさんはカップに何を入れているのでしょうか?この情景は、おそらく夜食のつ
いでに、朝に飲むものをつくっているのでしょう。眠いのに気分がややハイな感じで、右手小指
がたっているのがオツですね。そして翌朝6:20ごろでしょうか、起きる時にカップに注いだ美
味しいものを飲みます。これがもしかしてメイポロ?
 この第3話で、動物性タンパク質がアルファさんの体に合わないことがはじめてわかります。
そうなると、ニボシやカツオのダシの料理もだめなのかなと勘ぐってしまいます。
 もうひとつ言いますと、作者近況報告で『てろてろ』という言葉が出ます。おそらくこの作品で
はじめて使われたものと思われます。(訂正 第1話で「てろてろの汐」と出ていましたね。ボケ
て書いてしまい、すみませんでした)。そして第1巻のカバーやDVDのナレーションなどに使わ
れていきます。ヨコハマの世界を、象徴的にあらわした、または凝縮した言葉ですね。

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