私がタバコをやめたわけ その2
−歯周病と喫煙−

前回は私が禁煙した理由でしたが、今回は喫煙が歯に及ぼす影響をお話します。
一般的に喫煙者は歯がヤニで汚れるイメージはあると思いますが、喫煙で歯が悪くなることはあまり知られてないようです。具体的には、非喫煙者より2〜9倍ほど歯周病にかかりやすく、それにより歯をなくしてしまう割合が2倍ほど高いことです。学術的には、喫煙によりニコチンなどの物質が、血液循環機能に障害を引き起こし、歯肉への酸素供給量を少なくするため、歯肉を低栄養状態に陥らせます。また、歯肉中の細菌を殺す白血球の機能を著しく低下させることにより、免疫機能を低くしたり、ビタミンCを消耗させます。(※1)その結果、歯周病になりやすく、歯周病の治療を行っても治りにくい状態になります。また、タバコのタールが歯の表面に付着することは、歯の表面がザラザラになり歯周病の原因であるプラーク(細菌の塊)が付きやすくなるため、歯周病が進行しやすくなることも考えられてます。この他にも、長期の喫煙はメラニン色素が溜まりやすく、歯ぐきが黒くなります。

<口の中が血だらけ>
以上のことは、知識として持っていましたが、自分が禁煙してみて実感することになりました。禁煙して1ヶ月頃だったと思います。いつものように歯磨きをすると歯ブラシもフロスも血だらけになりました。何も変えていないのに急に出血するようになったのです。2,3日は一時的な事だと思っていましたが、磨いても磨いても出血は治まりません。1週間位たって少し不安になり始めた頃に「禁煙したためかな?」と思い始めました。いざ自分のこととなると意外と気付かないものです。禁煙したことによって歯ぐきの血液の循環が良くなり、炎症が正常に起こり始めたのです。恥ずかしながら、今まで磨き方では汚れが取れていなかったということです。それからは、歯磨きの道具を色々と駆使して頑張っていると1ヶ月くらいで、出血もおさまり歯ぐきの色がどんどん良くなってきました。このように、「喫煙が口の健康にとって悪い」ことが身をもって体験した出来事でした。
歯を長く使うために、禁煙してみようと少し思われたでしょうか

※1 ビタミンCはたんぱく質の合成に必要で免疫機能を維持するために重要な働きをしているといわれています。タバコ1本喫煙することによって25mgのビタミンCを消耗するといわれています。(ビタミンCの1日の必要量は50〜60mg)