自費診療(保険外診療)に対する考え方
健康保険が適用されない診療はどのようなものでしょうか
一般的には特殊な材料(健康保険適用外)を用いたり、審美的な治療、矯正治療、インプラント、予防的な処置などは、健康保険での治療が認められていません。そのため治療費の全額が自己負担となります。
保険内の治療と保険外の治療は何処が違うのですか
保険内では行えない処置は矯正、インプラント、審美などです。保険内と保険外の両方出来る治療として冠、詰め物、入れ歯があります。これらは何処が違うのでしょう?
一般的には用いる材料や審美(見た目の自然さ)が違うように思われていますが、最も違う点は治療方法、内容と用いる技術の差です。例として1本の冠の治療を行ったときの違いを表にしてみました。
保険内の治療内容 |
保険外の治療内容 |
1回目 |
歯を削っての形を整える |
1回目 |
汚れの付着状態のチェック |
歯の型取り |
歯肉の状態をチェック |
咬み合わせを取る |
歯を削って形を整える |
2回目 |
歯のクリーニング |
仮の冠を作成する |
冠の試適 |
咬み合わせのチェック |
咬み合わせの調整 |
仮の冠を入れる |
冠の装着 |
2回目 |
汚れの付着状態のチェック |
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歯肉のチェック |
仮の冠除去 |
歯の型取りのために歯肉を寄せる |
歯の型取り |
顎の運動を再現する器械へ装着するための作業 |
咬み合わせを取る |
歯の色を写真撮影する |
仮の冠を入れる |
3回目 |
仮の冠除去 |
歯のクリーニングと消毒 |
歯の表面処理 |
冠の調整 |
咬み合わせの調整 |
冠の研磨と消毒 |
冠の装着 |
咬み合わせの微調整 |
4回目 |
汚れの付着状態のチェック |
歯肉のチェック |
咬み合わせの確認と微調整 |
<使用する材料の違い>
・ 歯の形、咬み合わせを取る材料は、精度の高い材料を使用します。
・ 歯形を作成するための石膏は精密で硬く精度の高い種類の物を使用します。
・ かぶせや詰め物の材質は生体に害が少なく長期安定する材料を使用します。
・ かぶせや詰め物はひずみや変形が少ないものを使用します。
・ 冠と歯を接着する材料は接着力が強く、変質しにくく、溶けにくい材料を使用します。
<技術の違い>
・ 歯を削るときは精密を高めるために、拡大鏡を用いて歯と冠がより精密に適合するようにします。
・ 精度の高い仮修復処置(本物の冠と同じ形)を行うことによって形態の確認を行います。
・ 技工士(冠を製作する人)は高度なトレーニングを受けた経験豊かな技術者が担当します。
・ 技工士は顕微鏡を用いて精度を高めています。
<治療内容の違い>
・ 仮修復物を入れることによって、清掃性(汚れがつきにくく掃除しやすい)と歯ぐきの適応を確認します。また、かみ合わせの確認も行います。このことは、問題を事前に把握できるので、新たに入る歯を最も適した形態にすることが出来ます。
・ 咬合器(顎の運動を正確に再現する器械)に装着することによって、顎の運動を正確に再現できるので、精度の高い冠が出来ます。
保険外の治療を行った結果、何が違うのか
保険外の診療は健康保険の制限を受けることなく、個々の人に最も適する治療方法と材料を使用することが出来ます。また、長期安定するように予防的観点から治療を行うことが出来ます。その結果、より快適で長持ちするお口の健康を手に入れることが出来ます。
<義歯、入れ歯>
(1) 違和感が少ない義歯ができます
(2) しっかり食べることが出来る義歯ができます
(3) より安定が良い義歯ができます
(4) 見た目にも自然で義歯だとわかりにくくできます
<冠、詰め物>
(1) 汚れが着きにくく清掃性が高いので虫歯や歯周病になりにくくなります
(2)歯に無理な力が加わらないので、咬み合わせが安定して長持ちします
(3)見た目にも元あった歯と変わらないようにできます

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