「大自然にふれて」

   

スウェーデン北部の町「ドゥンドレット」を訪れたのは今年の二月。日本から飛行機を4回乗り継ぎ、ほぼ一日がかりで現地に到着しました。この遠い国を訪れた最大の目的は、オーロラを見ること。「自然現象なので見られるかどうかは運次第」と言われたものの、幸運にも2日間でオーロラを3回見ることができました。
最も美しいオーロラを見た時の事です。その夜は雲ひとつ無い満天の星空が広がり、地元の方曰く「絶好のオーロラチャンス」でした。屋外で北の空を見上げて待つこと一時間。
初めは普段見ることの出来ない無数の星や不意に現れる流れ星に感激していましたが、寒さには勝てず、コテージへ戻ることに。しかし、諦めきれずに南の空を見上げると白い筋状の薄雲が3本目に入りました。「雲にしては不自然だな」と眺めていると、少しずつ揺らめきながら線が太くなり、形を変えて徐々に白から緑白色に色付いていきます。これがオーロラの始まりでした。広大な夜空をキャンバスに光の帯が自由奔放に駆け巡る姿は、まさに感動です!二度と同じ姿を見せないオーロラに魅せられて、カメラを片手に走り出していました。そう、寒さなんて忘れて・・・。
オーロラは数分で消えてしまうものから一時間に渡るものまであるそうです。この時は約20分間に渡って私たちの目を楽しませてくれました。風に揺らめくカーテンや空から降り注ぐような光の帯、中でも渦を巻きながら地上に降りてくるかのような姿はまるで生き物のように感じられました。
 エスキモーの人々にとってオーロラは死者の魂を楽園に導く松明であり、古代中国では「天に高く舞う龍」の姿を連想させたと言います。人それぞれに感じ方も様々ですね。
皆さんはどのように感じられるでしょうか。機会があれば、是非この感動を肌で感じてみてみて下さいね。

                           歯科衛生士  橋本 佐知子