I 便秘と漢方薬


 

便秘の不快感



  お通じが1週間も10日もない、おなかはもちろん、気分も悪くて下剤をいくつも試し、かえって下痢や痔に
  なってしまった、なんていうつらい経験はありませんか?
  「便秘」とは、個人差はありますが、便が出にくく、出ても硬い状態のことをいいます
  (2〜3日に一度排便があれば便秘とはいいません)
  便秘のうち、特定の病気がおこらない機能性便秘が、慢性となったものが、いわゆる常習性便秘で、多くの
  場合がこれにあたり、
弛緩性便秘・直腸性便秘・痙攣性便秘に分類されます
  便秘が続くと、排便しても硬いため、痔になりやすく、さらにニキビや吹き出物ができる、肥満になる、気分
  も優れず不快感があるなど、体調に悪影響が出ます
  毎日のすっきりとした「快便」で、心も体も気持ちの良い日々を送りたいものです

(弛緩性便秘)

  大腸の緊張が低下し、蠕動運動が減弱して腸内容の通過が遅くなり、水分が吸収されて糞便は硬くなる

(直腸性便秘)

  糞便が直腸に入ると直腸壁が緊張して内圧が亢進し、排便反射が生じる
  この反射の抑制により排便困難となる

(痙攣性便秘)

  副交感神経の過緊張により、下部大腸に痙攣性収縮がが生じて糞便の通過が障害される

 

漢方薬に出来る事



  漢方治療は、乱れた腸の働きを整え、正常な便通を取り戻すのに優れた効果があります
  常習性便秘などでは西洋薬の下剤が合わない人もいますが、そういう人にも使いやすいのが漢方薬です
  色々なタイプに幅広く用いられる
大黄甘草湯や、腹部に皮下脂肪が多いタイプに用いられる防風通聖散
  お年寄りなどにみられる兎糞状の便に用いられる
潤腸湯麻子仁丸など多くの漢方薬が体質・症状により
  使われます