次に現れたのがMilton Nascimento。さすが「ブラジルの心」。一瞬にしてみんなの心をつかんでしまいました。“Caracao de Estudante”はもう大合唱でした。Paula Limaが参加してから、また一段と花が咲き、暗闇に消えていったカストロ・アルビスの像の後を追って、バイーア湾に引きずり込まれて行ってしまいました。
そのバイーア湾の底から、無理やり引っ張り出してくれたのが、Jorge Ben Jorの“Ze Pretinho”でした。「もうこうなったら朝までこのままだ」と腹をくくりました。バイーア湾を眺めながら聴くサンバファンキは、この歴史ある街を瞬く間に違う街にリフォームしてしまいました。「ああ僕は本当に“Pais Tropical”(熱帯の国)にいるんだ」とねっとりとした額をぬぐいながら思いました。本当に今年60歳を迎えるのかと思うくらい迫力のステージでした。そして汗をぬぐうのにサングラスを取った彼の顔が見れたのは、同じサングラスを取ったタモリを見るより貴重な体験をしたと思います。