「障害者特性の理解」〜障害別特性と生活上の困難〜

以下は、筆者なりの観点より参考になればと取りまとめたものです。新しい情報等あった場合は教えていただければ幸いです。

○視覚障害
 視覚障害者は道を歩く時、白杖で確かめながら歩行するが、道の点字ブロック、そして盲導犬は移動の時の助けとなっている。
仕事では、三療(針、灸、按摩)と言われる分野、電話交換手等で今も職業についている。弱視者は、コンピューター関係の事務等にもついている。Windowsになってから、全盲者は、コンピューターはやや扱いにくくなった。(最近、視覚障害者の就労支援のためのスクリーン・リーダー JAWS for Windows(IBM Version) Version 3.7等が開発されてきている)

しかし、文字が殆どのプログラミングでは仕事はある。全盲者は、点字、オプタコン等指先で文字を認識するのだが、中途失明者にはかなり訓練を要し、難しいものである。
EYELINK:視覚障害者のための検索エンジン・リンク集
 
○聴覚障害
・伝音性難聴とは、耳から鼓膜・半規官の伝音系に障害がある場合。
・感音性難聴とは、内耳から聴神経大脳までの感音系に障害がある場合。
・混合性難聴とは、両方に障害がある場合。
・聴力レベルについて、数字が大きくなるほど聞こえが悪い。
但し、後ろからクラクションの音を鳴らして聞こえれば、運転免許を取得は可能。
・職場では手話が必要とされることが多いが、会社で使う手話(筆者のおすすめ)を使って周囲とのコミュニケーションをスムースにする。

・コニュニケーション手段
 @手話A指文字B筆談C空書D口話E電子メール(携帯等)

・視覚的情報伝達が中心となるが、大きな音なら音として感じる場合もある。
例えば、非常ベルの場合、赤いランプが回って知らせるようにしている施設もある。

○肢体不自由
 交通事故などで、脊髄を損傷すると車椅子での移動となることが多い。
 脊髄損傷の場所では腰の下のほうで損傷したほうが、首の上のほうで損傷するよりも障害が軽い。首の上の方で、損傷すると両手も動かず、瞬きや視線の動きなどをコンピュータが読み取って、文書作成や機器操作したりすることになる。
 車椅子の人は、足が不自由なだけでなく、体温調整、排尿排便機能、痛覚等の感覚麻痺等も障害が出てくる。痛覚等の感覚麻痺のため、お尻にじょく創を作ったりすると、なかなか治らない。そのため、お尻を時々持ち上げるプッシュアップという動作が大切になる。

○内部障害
心臓や内臓の障害を内部障害といいます。
例えば、腎機能がかなり悪くなると、人工透析や腎移植が必要になります。人工透析には血液透析と腹膜透析があり、腹膜透析のことをCAPDと呼んでいます。
 腎機能が正常の10%以下になると、強い貧血やコントロール困難な高血圧などの症状が出現し、生命が危ない状態になります。悪くなった腎臓の代わりに、これらの症状を改善し、元気で社会活動ができるようにするのが人工透析や腎移植です。
 血液透析は普通週三回、一日おきに病院で行いますが、CAPDは一日四回(朝、昼、夕方、就寝前)、30〜40分かけて自分で行います。自宅や会社でも可能なので、血液透析と違って、通院は二週間に一度でよく、時間的な負担がだいぶ軽くなります。このように自分の生活と合わせて無理なく行えるのがCAPDの特徴です。畳一枚分くらいの広さのため、腹膜透析は血液透析に匹敵する効果が得られます。
 
○知的障害
・知的障害とは、精神年齢の発達が10〜12才以下に止まり、高度の学習が困難であったり、社会生活上援助が必要である場合がある。大まかに軽度(IQ75〜50)、中度(49〜35)、重度(34〜20以下)最重度(20未満)だが、雇用上の重度は、IQだけでなく作業量と社会生活能力で決まる。

・IQ(知能指数)とは、ビネー式では、精神年齢を生活年齢でわったもの。(生活年齢は、16才を上限とする)。ウェクスラー式では、年齢別ごとにできるひとを標準偏差で区切っている。ビネー式は、諸能力に分類できるものではなく、これらの能力が一緒になって働いている一つの統一体として見るため、各能力を分析的に見ない。ウェクスラー式は、分析的に見るため、言語性、動作性やプロフィールの得意不得意が見られる。但し、ウェクスラー式は、IQ45以下は測定不能となる。IQ70未満2.5%でそのままあてはめると、日本では、320万人いることになるが、実際の療育手帳所持者は、51万人(重度24万3500人、軽度26万6000人)

仕事に就くために考慮すること;通勤指導・金銭感覚・連絡方法・指示・伝達方法・社員の輪・参加する機会など。

・自閉症とは、いわゆる閉じこもりではない。生来性の原因不明の脳障害。映画「レインマン」(ダスティンホフマン主演)のような人。幼少期には、多動・落ち着きのない子供である場合が多い。殆どの場合知能が低いが、知能が普通以上の人も少ないがいる。決まった生活上のパターンが変わると、混乱してパニックを起こす人もいる。人なつっこい自閉症の人もいるが、関わり方が一方的で奇妙な感じを受けることもある。自分の興味ある分野においては、すごい才能を発揮をすることがあるが、日常生活では役に立たず、仕事に結びつくことはまずない。職場で働いている自閉症は、定型のパターンを規則正しく真面目に行うことで、作業に限っては、一般の人とひけをとらない場合もある。
リンク:あたらしい自閉症の手引きでは、明快に説明されています。又、自閉症児者の職業問題についてでは、就労について述べられています。
・ダウン症とは、染色体が1本多く、女性の高齢出産に多い。性格は、ひょうきんで明るく、人懐こいが、頑固な面も持っている。特徴的な顔立ちですぐにわかる。知的障害を伴うが、軽度は少なく中〜重度が多い。寿命も若干短いと言われている。職場で働いているダウン症は、その愛嬌のある性格のためかわいがられていることが多い。

・一人一人の個性は知的障害でも違う。一般的には、単純作業をこつこつと真面目に取り組むと言われているが、必ずしもそうとは限らない。

○精神障害
精神障害者:
・精神分裂病;約100人に1人発病する精神障害。妄想は、薬ですぐに治るが、意欲がわかない等陰性症状は、薬ではなかなか治らず生活障害となる。最近は少し陰性症状を軽減する薬も出てきた。薬物治療、SST(ソーシャルスキルトレーニング)がメイン。
4人に1人は、精神障害がなく治るが、4人に3人は軽〜重度の障害が残る。軽い場合は、職場で病前より簡単で楽な仕事が勤まる。中度では、一般の職場は無理だが作業所ならいける。重度になると入院して、援助を受けないと生活できない。
リンク:精神障害者雇用管理マニュアル-精神分裂病者を中心として-
・感情病─┬─ 二相性躁鬱病(双極性障害)30才前後発症、循環気質の人多し。
       └─ うつ病(単相性うつ病)40〜60才 悲観的、完全主義で几帳面、依存的
躁鬱病;殆どが鬱病。躁病のみというのは、まずない。鬱病は、まず薬による治療と充分な休養でおおよそ良くなる。薬だけで良くならない場合、認知療法(ベック)、論理療法(エリス)が、並行して行われることが多い。励ましは禁物で、ゆっくり休養させること。鬱病の場合、自殺に気を付ける必要がある。躁状態の時は、喧嘩ぱやくなったり、借金等を作りやすいので注意が必要である。
鬱病の前兆は、いつも朝刊を読む習慣の人が読まなくなる。早朝覚醒、午前中気分が重く、午後から気分が良くなる。躁病の場合、夜寝なくても元気、よく笑いよく泣き、怒りっぽくなる。

てんかん;薬でけいれんが抑えられている人が殆どだが、小発作や大発作のある人もいる。
発作の時、怪我をしたことがあるかないかは重要なポイント。ずっとおさまっていても、環境が変わったり、不眠が続いたり、疲れがたまるとすると、数年ぶりにでることもあるので注意。生活上の一番の注意は、風呂の時に溺れないかということ。高い所から落ちたり、機械操作中の怪我、自動車運転中の発作が次に注意すること。尚、たいていの場合、発作が起こってもそのまま寝かせて置けばよい。但し、10分以上発作が続いたり、何回も発作が重積したら、救急車を呼ぶ。

神経症(ノイローゼ)、人格障害は、一般的には精神障害者に分類されない。
・神経症┬──不安障害・・・不安発作、パニック障害、強迫性障害、対人恐怖
     ├─ 身体表現性障害・・・心気症
     └─ 解離性障害・・・ストレスからくる身体症状、転換性障害(転換ヒステリー)
解離性障害(二重人格、心因性健忘、離人症)

・人格障害─┬─  クラスターA・・・分裂病に近い奇矯な人格障害。    
        │ 分裂病質人格障害(風変わり)妄想性人格障害、分裂病型(神秘的)
        ├─ クラスターB・・・感情の混乱を主に示す
        │ 境界性(ボーダーライン)、演技性(ヒステリー性)反社会性
        └─ クラスターC・・・不安のため性格がかたくなになったり、依存的になる
回避性(自尊心が傷つくのを避ける)、強迫性(完全癖)、依存性 

大抵は、カウンセリング(相談)、眠剤、安定剤でおさまることが多い。鬱病には認知療法、対人恐怖は森田療法が使われる。恐怖症には系統的脱感作法が使われる。

・心身症・・・主に神経内科で取り扱う内科疾患;胃・十二指腸潰瘍、高血圧、偏頭痛等精神の悩みで身体症状となる。

・高次脳機能障害、交通事故や脳溢血の後遺症として身体障害だけでなく、失語症や注意欠陥、意欲等の障害が現れる。一般的に右脳は空間判断、情緒的、悲観的な役割で左脳は、言語、合理的、楽観的な役割を果たしている。

精神障害者の職業訓練

・調査研究報告書NO.70 精神障害者の職業訓練指導方法に関する研究−技能訓練と職業生活支援−;サマリー詳細内容

・精神障害者に対する効果的な職業訓練を実施するために〜指導・支援者のためのQ&A〜(マニュアル)