最近(
200312月)、サントリーの角瓶ウィスキーのCMで布袋寅泰が出てきているが、そのCMソングにザ・バンドのウェイトが使われている。とても渋く決まっており、「ザ・バンドって本当にいいよな〜」と思わずつぶやきたくなる。ザ・バンドは、以前から聴いているが、ふと流れてきた時でも聞き入ってしまうような名曲が多い。

私がザ・バンドを初めて聴いたのは、中学の頃にFMでザ・バンド特集をオンエアした時である。たまたまあった映画音楽のテープのツメにセロファンを貼り、その上にザ・バンド特集を録音したのを繰り返し聞いた。A面分の曲数しかオンエアしなかったのだが、それが今思い出しても、抜群の選曲であった。

まず、1曲目は、クリプル・クリーク、ザ・バンドの数少ないシングルヒット曲だ。印象的なイントロから、渋くいかしたボーカルがはじまり、時々ビョンピョピョと面白いギターフレーズが入り、「ロゥロゥロゥ〜」とヨーデル風のコーラスも楽しい。2曲目は、ザ・ウェイトだ、前述のCMそして、昔イージーライダーの主題歌にも使われたザ・バンドの代表曲である。
そして、ラグ・ママ・ラグオフィリアライフ・イズ・ア・カーニバルオールド・テニシー・ダウン、と珠玉の名曲が続き、ラストはアイ・シャル・ビー・リリースドでたった7曲だが、この特集でやったのが今でも一番好きなザ・バンドの曲である。

その後、LP2枚組ロック・オブ・エイジでザ・バンドのライブを聴き、かなりザ・バンドの全貌に近づいた気がした。それから、ビデオからレーザー・ディスクの時代になり、早速ラスト・ワルツを買った。LD発売当初で、まだ、チャプターもついていなかったが、ビデオより画質、音質は良かった。(最近ラスト・ワルツのDVDを購入したが、さらに画質向上、音質も5.1chと格段に良くなっていた。ちなみに、ジョージのバングラディッシュコンサートDVDも、オーストラリア版)は、多分ビデオと全く音質・画質共同じレベルと思われるが、その後、5.1chにリマスターされたバングラディッシュのコンサートは画質も非常に向上しており、見比べる必要のないくらいに良くなっている。)

ラスト・ワルツはその名の通り、解散コンサートの映画化であるが、ラスト・ワルツのテーマは素敵なインストロメンタルであり、本編のコンサートは、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、リンゴ・スター、ロニー・ホーキンス、ニール・ヤングなど豪華メンバーの主演もある。

ザ・バンドのメンバーを映画ラスト・ワルツで初めて映像で見たのだが、一見髭もじゃの酒好きのおっさんという感じだが、演奏するとこれがいい。ロビー・ロバートソンは、コヨーテのようなシャープな感じで、リード・ギターは弾くが、ボーカルは多く担当してないようだった。殆どのメンバーがボーカル・コーラスをしているが、皆揃っていぶし銀のような渋いボーカルである。

最初は、ホークスの名でカントリー・ロック・シンガー、ロニー・ホーキンスのバックバンドとしてツアーを回った後、ザ・バンドの名でボブ・ディランのサポートを担当。単独デビューを果たしたのはビートルズのサージェント・ペパーが話題になっている1968年であった。
そのデビュー作ミュージック・フロム・ビック・ピンクは、その当時の他のアーティストに多大なる影響を与えた。ビートルズですら、レット・イット・ビーのセッションでもザ・バンドの曲を行っていることが海賊盤でも確認される。(特にジョージ・ハリスンは、休暇中にボブ・ディランやザ・バンドとウッドストックの彼らの家に出入りし、ジャッキー・ロマックスのアルバム製作を楽しんでいた。)

最もザ・バンドに影響を受けたのは、エリック・クラプトンであった。エリック・クラプトンは、ザ・バンドのメンバーになりたかったと公言し、ザ・バンドとボブ・ディランと一緒に作った「ノー・リーズン・ツゥ・クライ」というアルバムを一番好きだといっていた時もある。リチャード・マニュエルの遺作ソロライブ、ウィスパリング・パインズのライナーノーツは、クラプトンによるものである。リチャード・マニュエルのボーカルは味わい深く温かみのあるボーカルだ。自ら命を絶ったことが本当に惜しまれる。
ロビー・ロバートソンのソロもなかなかよい。ロバートソンは、「ハスラー2」などの映画音楽を制作した後、1987年にソロを発表した。ソロでのボーカルはうまいが、ザ・バンドには魅力あるボーカリストが多いから沢山ボーカルを担当しなかったのだろう。
ロビー・ロバートソン抜きでの再結成による新作も出ているが、全盛期の作品のレベルには到達しえていない印象を受ける。今後また素晴らしい新作がでるかも知れないが、私にとってのザ・バンドは、FMで聞いたザ・バンド特集の7曲がひときわ輝いているのである。

リンク:ザ・バンド,,公式ホームページ