交流分析

交流分析は、エリック・バーン博士が精神分析を応用して考え出したもので、「精神分析の口語版」と言われたりするように、分かりやすくシンプルですが、奥は深いものです。

交流分析は、心療内科での心身症の治療に使われたり、心理教育的に使われたり、適用範囲は広く使われています。

エゴグラムというテストで実際に自己分析できるので、まずここからリンクしているエゴグラムをやってみると良いでしょう。

リンク先のホームページでは、無料で実施できたはずです。質問紙として市販されているのは、東大式エゴグラムで専門機関が使用していますが、他にも芦原式エゴクラムなど無料頒布されているものも基本的考えは同じです。ちなみに、エゴグラムはエリック・バーン博士の一番弟子のジョン・デュセイ氏によって開発されたものです。

交流分析では、エゴグラムの構成にあるように、心の構造を5つの心に分類して考えています。グラフに書く時は、左からCP(批判的な親心;家父長的)NP(養育的親心;母親的)A(合理的な大人の心)FC(無邪気な子供の心)A(順応した子供の心)という順に書かれています。

その5つの心の割合の高低とバランスがその人の傾向・特徴として考えられます。

CP(Critical Parent)が高いと支配的・ルール重視・批判的であり、低いと友好的・ルーズになりがちと考えられます。

NP(Nurturing Parent)が高いと献身的・面倒見が良い・おせっかいで、低いと閉鎖的・人のことに無関心と考えられます。

A(Adult)が高いと合理的・理性的・打算的で、低いと感情的・非合理的と考えます。

FC(Free Child)が高いと解放的・無邪気・創造的・享楽的で、低いと失感情的・楽しめないと考えられます。

AC(Adapted Child)が高いと妥協的・世間体を気にする・行儀が良いで、低いと非協調的・権力に屈しない・人目を気にしないと考えられます。

例えば、エゴグラムのプロフィールで、NPが高いヘの字型は健康タイプと考えられています。しかし、Aが低いV字型もしくはU字型はノイローゼ型といってもよく、自分・他者に厳しく考え、世間体を気にするが、合理的に行動できないと悩んでしまいがちな傾向があるようです。不登校児、劣等生的とも言えるでしょう。これがW型になると自分・他者に厳しく、世間体を気にして、合理的に考えることができるためガリ勉優等生に多いタイプです。しかし、受容的な心、無邪気な心が低いため、楽しそうには見えないタイプです。

交流分析は、人間と人間の交流を自我状態(5つの心のどれを主に使っているか)に分解して考え、やりとりを分析することを行ないます。

C(子供の心)からA(親心)に対しての発言に、A(親心)からC(子供の心)に返事するというように平行にやりとりできているのを相補交流と言います。例えば、学生同士で「この宿題教えてよ」「何、見せてご覧?」というようなやりとりです。

交差交流と言うのは、C(子供の心)からA(親心)への発言に、A(大人の心)からA(大人の心)に返事をするようなやりとりです。例えば先ほどの会話で、「この宿題教えてよ」「宿題は、自分で考える方がためになりますよ」と返事することのようなやりとりです。

裏面交流は、言葉のやりとりと本心のやりとりが違っていることを言います。

ゲームというのは、交流分析では、いつも同じようなパターンで相手をいや〜な感情にしてしまう、交流のことを言います。いや〜な感情を引き起こす言葉や態度をラケットといいます。

次に、脚本分析とは、人間の一生をドラマと考え、その脚本は人生の早い時期に書かれて、人間はそれに基づいて死ぬまでドラマを演じ続けるという考え方がです。私は、その考えは、認知療法の認知の歪みや論理療法の間違った信念、強迫性反復と似た概念のような感じがします。

それに、ストロークと言う概念があります。ストロークとは、要するに存在を認めてもらって他の人から与えられるあらゆる働きかけのことです。

正のストロークはいたわりの言葉や態度等で、負のストロークは非難する言葉や態度等であり、人は正のストロークを得ようと行動するということです。私がユニークだと思ったのは、正のストロークが得られない場合は、負のストロークですら得ようとするという考え方です。具体例にすると、小学生が自分が好きな子が関心を示してくれない時、いじめたりしても関心をひくことなどです。

また、エリック・バーンのI'mOK-You'rOK.という考えも大切でしょう。人が自分自身、そして他人とをどう見ているかの心理的状態のことで、ポジティブに受け止めているか、ネガティブに受け止めているか、ということです。少し、他罰的・自罰的・無罰的に似ていますね。
また自分・他人という4本の座標軸で都合4つの分野ができるそうです。
それらは
@I'mOK-You'rOK(自己肯定・他人肯定。)AI'mOK-You'rnotOK(自己肯定・他人否定。)BI'mnotOK-You'rOK(自己否定・他人肯定)
CI'mnotOK-You'rnotOK(自己・他人ともに否定)という4つだそうです。
この考えを知って、私は「心のホームポジションをI'mOK-You'rOKに置く(今思いついた造語)」ように皆が心掛けると世の中のぎすぎすが若干減るのではないかと思いました。

以上ここでは、簡単にしか説明していませんが、初学者には交流分析に興味を持ってもらうきっかけになれば嬉しいです。又、よくご存知の方は、最新の知見等筆者にお知らせいただければ幸いです。

リンク:TAネットワーク日本交流分析協会