系統的脱感作療法

ウォルピ写真南アフリカの精神科医ウォルピ(Wolpe.J)は,軍医として戦争神経症の患者を治療していたが,彼が当初考えていた精神分析的な理解の仕方では説明できない多くの恐怖症の症例を体験した。

彼は、神経症とは不安が引き起こされる状況で作り上げられた持続的な不適応行動の習慣と考えた。

逆制止」の原理を利用した療法を考えた。逆制止とは、神経の相反する働きが同時に起こることで、腕の曲げ伸ばしで、片側の筋肉が伸びると反対側の筋肉が縮むといったことであり、不安反応と逆の感情が起きているときには不安は感じないといったことである。

もし不安と反対の感情が、不安を引き起こす環境の時に起きれば、不安はその反対感情(拮抗反応)によって一部あるいは完全に制止されその環境と不安との結びつきとは弱められる。これが、「逆制止による心理療法」のエッセンスである。

私たちの生活で不安と反対感情(拮抗反応)はなんだろうか。

@主張反応:愛情・賞賛・拒絶などの自己主張をすること。A性反応B弛緩反応(リラックス)

弛緩法では、ジェイコブソンの筋弛緩法を利用している。それは、リラックスしたい筋肉を一度力を入れて緊張させ、脱力する方法である。

治療のやり方は、まず不安の少し起きるシーン(環境)をしばらくの間想像してもらい、不安が起こったところでリラックスさせる。リラックスにより、不安が制止されれば、そのシーンについては治療がすんだわけで、つぎにもう少し不安をひきおこす場面を選んでいく。このようにして目的の環境場面までこの患者の不安を制止できれば治療されたことになる。

系統的脱感作療法は、恐怖症等の神経症では治療効果が著しく、今日では基本的な治療法の一つとして位置付けられている。