動作療法

成瀬悟策氏による発展してきている新しいタイプの心理療法である。以下は成瀬氏の「動作療法」の要約である。

動作療法ははじめから心理療法として出発したわけではなく、肢体不自由児・者の不自由改善のための研究が発達していく途中で、この方法がどうやら心理療法に非常に有効らしいと言ういくつもの経験の報告があいついだ。それによると比較的短期間で心理療法の効果があがったとかそれまでの伝統的な方法でどうしてもうまくいかなかったクライエントが動作法で効果があがったというケースがあって積極的に心理療法として検討したらどうかというようになってきたそうだ。

動作することそのことが単なる身体運動でなく、同時にこころの運動、体験の仕方、主体の生き抜く努力などが動作をすることを支えており、動作の変化がそうした体験の仕方の変化なしには起こりえないと考える。

インテークによる動作特徴を診るためのテストする課題は、@不適当な緊張A難しい動きBタテへの立て方C姿勢の偏りD体軸の硬さなどである。

 主訴を聴き、課題テスト等を行い、その時の感想などを尋ね、動作に関する体験の様式・仕方とか感じ方の特徴をおおむね掴んでおく。

 気持ちを診るにはまずはからだの緊張状態をみることが大切と考える。それと対峙するリラックスは自分のからだを弛めるということである。リラックス法は、まずその部位ないし、全身に力を入れて緊張する。その緊張した感じを明確化して充分味わった後、すっかり消し去って行く感じがでるように力を抜いていくという、ジェイコブソン(Jacobson.K)の自己操作コントロールの方法がもっとも一般的かつ有効である。

 動作療法は課題実現に向けてまず自分で動かし、自分でよくなることを基本とする。

(以下は筆者の感想)

 カウンセリングや心理療法の定義を言葉を使った心理的援助などと定義している辞書などもあったのに、動作を取り扱うことを中心に持ってくるとは、すごい発想の転換である。

しかし、実際の動作の課題の実例を見ていくと、心理療法というより、ストレッチや体操、理学療法等を連想するものである。動作そのものではなく、その体験を中心とするというものなのだろう。

連想するのは、ジェイコブソン(Jacobson.K)の自己操作コントロールの方法が出てくるところから系統的脱感作法であり、フォーカシングのフェルトセンス(言葉にならないもやもやした感じ)、である。

動作療法を知ってよかったことは、心理的になんだか嫌な感じと思う時は、体のどこかに緊張や変な力が入っていないかな、と心だけでなく体の状態にも眼を向けるようになったことである。

リンク:日本臨床動作学会