来談者中心療法(client-centered therapy)
ロジャース
ロジャーズが、治療過程における治療者の態度に注目して創始した心理療法。
ロジャーズが主張した治療者の態度として、3原則がある。どんなカウンセリングにもあてはまるような基本的な原則である。それは、@純粋性もしくは真実性(役割行動や防衛的態度をとらず、セラピストの感情とその表現が一致していること)、A共感的理解B無条件の肯定的関心である。これをこのまま実践できるのはロジャースだけかもしれない、だから色々な技法が必要となるのだろう。そしてロジャースは、来談者が自己成長能力を十分に持っていると考えた。以上の理論的背景は、大学生の相談がもとになっているだろう。
ロジャースの初期の考え方は、非指示的療法と呼び、クライエント(来談者)に対し何をすべきか指示しないことを特徴としていたが、治療者の態度を重視する来談者中心療法へと考えをすすめた。
ここでの治療者の役割は、クライエント自らが自己の内面や現在の事態を理解し、自ら決定するしていくのを助けることであり、特にシカゴ大学の学生相談には効果を上げた。

4つのカウンセリングの考え方(仮説)を打ち出した。
@成長仮説:個人の成長、健康および適応へと向かう力、

A知的な面より場の感情的な面、

B個人の過去よりもいまここでの状況、

C成長経験としての治療関係、を重視している。

ロジャースは、分裂病患者の治療では大きな成果をおさめられなかった。妄想幻覚という陽性症状がおさまっても、意欲減退、精神的脆弱性等の陰性症状を持つ分裂病者に対しては非指示的、共感的な態度より、SST(社会技能訓練)のような指示的・訓練的な方法があっているのだろう。勿論、ロジャースの治療態度は、ストレスに弱い分裂病者を悪化させることはなく、ある程度良くなったであろう。但し、妄想に共感的理解を示すことは難しく、幻聴に無条件の肯定的関心を示すことは望ましくない。

その後、エンカウンターグループを開始した。それは、健康な人々を対象として、来談者中心療法を集中的なグループ体験に応用し、個人の十分な機能の発揮や対人関係の相互援助を探求した試みである。

リンク:人間学教室 構成的エンカウンターグループでは、詳細な説明がされています。


ロジャースの共同研究者であるジェンドリン(Gendlin,E)は、フォーカシング(体験過程療法)を考案した。フォーカシングは、カウンセリングにおける気づきや自己理解を進めるための身体感覚(自分の中の、言葉にならない漠然とした曖昧な感じ)を感受する等の手順をもった方法である。

リンク:フォーカシングの部屋(阿世賀 浩一郎 や日本フォーカシング協会では、詳細な説明がなされています。