現在、日本で最も関心をもたれている心理学者であろう。それは、日本臨床心理士会の河合隼雄会長が、ユング派の心理学者であることからもわかる。

ユングを知ったのは、大学時代に河合隼雄氏の「ユング心理学入門」を読んだ時で、これを読んだ時、やっとユング心理学の概要がわかったという感想を持った。そこで、ユング自身が書いた訳書を読んだが、非常に難解に感じられ、すぐに読み進む興味を失った。(ユングが小学生の頃数学が苦手であったという話があるが、それも難解な文章を書いてしまう原因か、数学科出身の河合氏はわかりやすい文章である。)

ユングの訳書に比べるとフロイトの訳書の方がわかりやすい。

それからは、ユングの著作を読むより、ユング的観点からの著作を主に読むようにした。(勿論、ユング研究をするならユングの原著を読む必要はあると思うが)

ユングは、自伝で「私の一生は、無意識の自己実現の物語である」と述べているように、まさしく人間の魂・深層心理について考えた心理学者・思想家である。その題材として、夢や神話・象徴等を研究対象としている。そのため、客観的な実験では実証できないユニークな考えが多い。(共時性・アニマ・アニムス等)しかし、それは治療に役立つ考え方であるようだ。

ユングの思想は難解・深遠である。そのため、オカルト的といわれたり、内容をじっくり知らないまま的外れな批判をされたりしていることが多く、フロイトが批判される対象として巨人であったとは別の意味での巨人である。ユングの思想を完璧に理解して批判している人は殆どなく、ユングの思想を殆ど理解している人はユング派になってしまっている。

フロイトもユングも真実を追究しようという姿勢はあったが、フロイトはなんとしても考えを理論化しようとしたが、ユングは理論化できないことはそのまま記述しておいたという印象がある。

リンク:ユング心理学 書籍リスト