![]()
ビートルズの全曲アルバムのリマスター後、赤盤・青盤のリマスターが登場した。すでに全英・全米1位の曲ばかり1枚のCDに27曲も収録したリマスターのベスト盤「ザ・ビートルズ1」が出ているが、赤盤・青盤の話題で盛り上がっている。それは、「ビートルズ1」に収録されていない曲も含め、赤盤・青盤によってビートルズのベストの全体像を知ることができるからだ。ここでは、「ザ・ビートルズ1」に収録されていない赤盤・青盤の曲を取り上げて、ジョージ・ハリスンが選曲したという赤盤・青盤の魅力を再考する。

Disc1
2.Please Please Me(Please Please Me収録)
ビートルズが英国で初めてメロディー・メイカー誌でチャート1位を獲得した重要な曲である。ビートルズ1の収録の基準は英国はレコード・リテイラーの記録で1位となっているために収録されていない。この曲を録音し終わった後、プロデューサーのジョージ・マーティンに「君たちはナンバー1ソングを作った」と言わしめたビートルズにとって歴史的な曲である。
3.All My Loving(With The Beatles収録)
アルバムWith The Beatlesからは1曲もシングルカットされていない。All My Lovingは、ポールの曲だがジョンも大好きな曲と語っており、人気もあるこの曲をジョージ・ハリスンが選んだことに異論は出なかったろう。
9.And I Love Her(A Hard Day’s Night収録)
シングルカットされていないが、今やスタンダードとなっているポールの名曲。ジョージ・ハリスンは、この曲の代わりに If I Fell のどちらにしようかと迷っただろうか。
Disc2
2.You’ve Got To Hide Your Love Away(Help収録)
ジョンがボブ・ディランを意識して作った曲で、映画Helpの中でも弾き語りシーンが印象的である。なかなか渋い選曲である。
5.Drive My Car(Rubber Soul収録)
なんと!名盤Rubber Soulからは、1曲もシングルカットされていない。そのため、ジョージ・ハリスンは、赤盤に6曲も収録している。まずはA面の1曲目のこの曲で、ソロになってからのポールのライブでの定番曲にもなっている。
6.Norwegian Wood(Rubber Soul収録)
,村上春樹の小説のタイトルで映画化されるという話題性のある曲である。ジョージ・ハリスンは、このジョンの曲でシタールを取り入れており、貢献していることを誇らしげに思っていたのかもしれない。
7.Nowhere Man(Rubber Soul収録)
この曲は、日本公演でも演奏されているが、コーラスの美しい曲である。
8.Michelle(Rubber Soul収録)
よく知られたスタンダードナンバーであり、なぜこの曲がシングルカットされていないのか不思議なくらいである。ポールもソロになってからよくライブで取り上げており、オバマ大統領のミッシェル夫人の前でも演奏している。
9.In My Life(Rubber Soul収録)
この曲も人気投票でいつも上位にくる名曲である。ジョンのボーカルで通常ジョンが殆ど一人で作ったと思われるが、ポールもかなり作ったといっており、2人の記憶が違っている珍しい名曲の一つである。
10.Girl(Rubber Soul収録)
ジョン・レノンならではの魅力的なボーカルで、息継ぎを曲の一部に使っている。ジョンのソロになってからのWomanはこの曲の続編のような気もする。
赤盤にはリンゴ・スターのボーカル曲はレノン&マッカートニー作Yellow Submarineで入っているが、選曲者のジョージ・ハリスンの曲が1曲も含まれていない。選曲者として、この時期はまだ自分の曲がベスト盤に入るレベルではない、私心を捨てて名曲を選ぼうという姿勢であろうか。Revolverには、A面の1曲目にジョージ・ハリスンのTaxmanというキャッチーな曲があるが、皮肉っぽい内容なのでベスト盤に入れるのは控えたのだろう。RevolverからはEleanor RigbyとYellow Submarineというシングルカットをしているためか、その他の名曲を入れていない。Here, There And EverywhereやGot To Get You Into My Lifeは収録しても良かったのではないだろうか。

この時期になってからのビートルズはトータルアルバムを意識した作風になっており、シングルカットだけではなく、アルバムから多くの名曲を収録している。青盤には選曲者ジョージ・ハリスン自身の曲も作曲に自信がでてきた時期のためか収録している。
Disc1
1.Strawberry Fields Forever(Magical Mystery Tour収録)
非常に人気のある名曲であるが、この曲は2位までしかチャートに挙がっていないためビートルズ1には収録されていない。ビートルズ1しか持っていない人にはお気の毒な話である。
3.Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band(Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band収録)
当時からビートルズの金字塔と言われた名盤のタイトル曲で、シングルカットはされていないが、このアルバムから収録しないわけにはいかないだろう。
4.With A Help From My Friends(Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band収録)
前曲からのメドレーで続いているために収録されたのかもしれないが、今ではリンゴ・スターのライブでの代表曲の一つになっている。
5.Lucy In The Sky With Diamonds(Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band収録)
幻想的な歌詞・サイケデリックな曲調で人気がある曲である。ジョージ・マーティンの孫娘の名前がルーシーであったり、アウストラロピテクスの発掘でこの曲が流れていために化石にルーシーと名付けたとか、エルトン・ジョンがカバーしてジョンも参加する等話題性のある曲でもある。
6.A Day In The Life(Sgt. Pepper’s Lonely Heart Club Band収録)
近年、評価が高く非常に人気のある曲である。ついにはセカンドボーカルのポールまでライブで取り上げるようになってきている。ドラマチックなエンディングが印象的な曲である。
8.I Am The Walrus(Magical Mystery Tour収録)
Hello GoodbyeのB面曲だが非常に魅力的な曲である。ジェフ・リンはこの曲が1番好きだと語っている。ジョン・レノンの傑作である。
10.Fool On The Hill(Magical Mystery Tour収録)
ポールの名曲で、この曲の素晴らしさはジョンやジョージも認めるところであった。
11.Revolution(Pastmasters収録)
Hey JudeのB面曲で、ジョンはホワイトアルバム収録のRevolution1のスローバージョンの方が好きらしいが、他のメンバーの意見によりシングル用にアップテンポなロック調になっている。シングルカット用には確かに他のメンバーの意見が正しかっただろう。
ちなみに、Lady MadonnaのB面の ジョージ・ハリスンの曲The Inner Lightは収録されていないが、インド色が強いので選曲者として遠慮したのは分別あるところだろう。
Disc2
1.Back In The U.S.S.R(The Beatles収録)
ホワイトアルバムのA面1曲目でノリのいい名曲である。Hey Judeをシングルカットしていた時期なので、ホワイトアルバムからは1曲もシングルカットされていない。シングルのA面でもおかしくない名曲であり、ソロになってからのポールのライブの定番でもあり、ビリー・ジョエル等色々なアーティストに取り上げられている。一時期バンドを抜けていたリンゴの代わりにポールがドラムスを担当しているが、ゲームロックバンドではリンゴ・スターがドラムスを演奏している場面になっている。
2.While My Guitar Gently Weeps(The Beatles収録)
今まで遠慮して1曲も自分の曲を選んでいなかったジョージ・ハリスンがベスト盤に入れた名曲である。この曲は1969年に日本で初のアップル・レコードからのシングルとして「Ob-La-Di,Ob-La-da」のB面としてリリースされているが、両A面でも良かっただろう。
ギターソロはジョージの親友であるエリック・クラプトンが演奏しているが、ゲームロックバンドではジョージ本人がギターソロを演奏している場面になっている。
3.Ob-La-Di,Ob-La-da(The Beatles収録)
この曲は全英・全米でなぜシングルカットされていないのか不思議である。1974年にはNHKの「みんなのうた」で取り上げられているためか、私は子供のころから耳慣れた曲で、後からビートルズの曲だったのかぁと驚いた曲でもある。
5.Don’t Let Me Down(Pastmasters収録)
Get BackのB面であるが、プロデューサーのジョージ・マーティンのお気に入りの曲でもあるらしく、両A面で出したかった位と発言している。オリジナルアルバムLet It Beに入っていないのは、すでにシングルカットした曲だからという理由であろう。Let It Be... Nakedに収録されたのは収まるべきところに収まったという感じもする。
7.Old Brown Shoe(Pastmasters収録)
The Balld Of John And YokoのB面で選曲者ジョージ・ハリスンの2曲目の曲である。インドにかぶれてもいないし、キャッチーな曲調でベスト盤に収録してもよい出来と判断したのであろう。
8.Here Comes The Sun(Abbey Road収録)
選曲者ジョージ・ハリスンの3曲目の曲で、誰もが認める名曲である。この曲がベスト盤に入ることに異論を唱える者はいないだろう。逆に収録されなければ、文句が出そうである。
11.Octopus’s Garden(Abbey Road収録)
リンゴ・スターの自作の曲である。リンゴ・スターのビートルズ時代の自作の曲はこの曲とDon’t Pass Me Byの2曲のみである。それに、この曲でリンゴ・スターのボーカル曲が赤盤・青盤の4枚でジョージ・ハリスンの4曲に続く3曲収録となる。そう!昔からビートルズのアルバムは、例外もあるがアルバム1枚に必ずジョージ・ハリスンとリンゴ・スターの曲を1曲以上収録するようにしてきたのである。Abbey Roadの中の名曲オー・ダーリンを収録せず、この平凡なほのぼのとした曲をべスト盤に入れることは赤盤・青盤がそれ自体作品として、曲順やトータルなバランスを重視していることの表れと言っていいだろう。
以上、ビートルズ1に収録されておらず赤盤・青盤に収録されている曲を見直すことにより、赤盤・青盤がビートルズの魅力のベストの全体像がつかめるようになっているトータルとしての作品であることが分かった。従って、時間的にはCD1枚に収録できる赤盤も2枚組として発売されることが作品として意味を見出すことができる。
このように、赤盤・青盤を再考して最高!と再認識した後、より深くビートルズを楽しむには、ボックス等で全曲集め、カバー曲が中心の編集盤アナログレコードRock’n Roll Musicやハリウッドボウルライブを聴いたり、アンソロジーで制作過程を楽しんだりすることもできる。
さらに、赤盤・青盤に対してリスナーが緑盤や黒盤を考えることも楽しみの一つとしてお勧めしたい。