路上観察委員会

【今月の物件】  タイトル:泣く子も黙る鉄格子


【解説】
 どうだ、他に類を見ないこの斬新なデザイン。言わずと知れた岡山西警察署である。よくは知らないが、おそらく高名な建築家によるデザインなのだろう。まず目を引くのは建物向って右半分、直径1メートルはあろうかという鉄柱数十本が屋根まで伸びた入り口部分だ。このデザインのモチーフが「留置場の鉄格子」であることは、誰が見てもわかる。二重にも三重にも張りめぐらされた巨大な鉄格子。ずばり、このデザインのテーマは、「いっぺん捕まえたら、ぜ〜ったい逃がさへんで!」と私は見た。確かにそんな意気込みがビンビン伝わってくる、いろんな意味でどえらいデザインである。左半分は何やらチェスのゲームボードのような2色の市松模様だ。こちら側のデザインのテーマは、「白黒つけちゃる!」とみてまず間違いあるまい。私自身、未だこの建物の中に足を踏み入れたことはない(べつに用事もないし、ちょっといらっしゃいというお呼びもかかっていない)。が、泣く子も黙る巨大鉄格子の威容を眺めるにつけ、一度入ったが最後、2度とは娑婆に出られないんじゃないかという気がしてきて身のすくむ思いである。ここをはじめて訪ねた善良な市民は、たとえ後ろめたいことが何もないにしても、すでに入り口前でビビっているはずだ。そのへんをよ〜くご理解のうえ、西署職員の皆さんにはくれぐれもやさしい応対をお願いしたい。