路上観察委員会

【今月の物件】  タイトル:崩 落


【解説】
 2001年春に発生した総社市下倉地区採石場崩落事故の現場である。不幸にして3人の方が生き埋めとなり、現在もお一人は未発見のままだ。実はこの現場、筆者の自宅から2kmほどしか離れていない。なにしろ近所でのことなので、事故が発生してからすぐに地元消防団にも出動要請があり、私も消防団の一員として崩落最前線(二次的な崩落が発生してもたぶん下敷きにはならないだろうと思われるぎりぎりの場所)の仮設テントに詰めることになった。現場に着いたのは、たしか夜8時ごろのことだったと思う。河原から伸びるサーチライトの光の中、二次災害の可能性が高いため、無線操作の無人ショベルカーが崩れた土砂を取り除いてはいたが、焼け石に水とはこのことだろう。当日は小雨混じりで、中腹から上には光も届かず、ときおりズザーッという音が山頂付近から聞こえ、それはそれは無気味であった。遠目に見てもかなりの迫力だが、近くに行くとその規模の大きさに度肝を抜かれる。ちょっと小ぶりの岩で自動車1台分くらい、大きい岩はゆうに家一軒分くらいあるのだ。こんなものの下敷きになった日には、一瞬にして御陀仏まちがいなしである。消防団員としての使命感で崩落最前線に詰めたものの、万が一シャベルでも渡されて、「では消防団の皆さん、よろしくお願いします」なんか言われたらどうしようと戦々恐々たる気分であったが、さすがにそれはなくて正直ほっとした。しかしまぁ、なにが怖かったといっても、実は私、この崩落で埋まってしまった山沿いの道路(白線部分)を、事故の前日、崩落のきっかり24時間前に車で往復していたのだ。もし崩れるのがあと24時間早かったら今ごろはこの岩の下にいたことであろう。くわばらくわばら。

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