細胞診って何?

1.「細胞」とは?

 細胞は、生きもののからだを作っている最小の単位です。また、発生、遺伝、生理といった生命現象の基本でもあり、「生命の基本単位」ともよばれています。あなたも初めは、たった1個の細胞(受精卵)でした。その1個が分裂を繰り返し、やがて60兆個(!)にまで増えた細胞の集まり、それが現在のあなたなのです。細胞はからだの中でいろいろな役割りを分担し、その働きから、およそ200種類に分けられています。
いまや人生80年。では、80歳の人の場合、その人のからだを形作っている60兆個すべての細胞が80歳ということになるのでしょうか。じつは、脳の細胞を除くすべての細胞は、その人が生きている間、何度も生死を繰り返しているのです。この営みのことを「新陳代謝」とよんでいます。細胞の寿命は臓器によって、また細胞の種類によってさまざまです。たとえば、血液中の赤血球の寿命は4ヶ月、骨を作る骨細胞の寿命は数年〜十数年といわれています。では、ここで問題です。
人間のからだの細胞のうち一番寿命の短い細胞はどこにあるでしょうか?
 答えは、小腸。小腸の一番内側をおおっている細胞(上皮細胞)の寿命は、たったの24時間(!)。自分でも気づかないうちに、毎日新しい細胞へと生まれ変わっているのですね。

2.「がん」とは?

がんは、どんなふうにしてできるのでしょうか?
 古い細胞が死に、その一方でまったく同じ新しい細胞が生まれてくるのは、細胞の中にある遺伝子(DNA)の働きです。ところが、この過程のどこかで狂いが生じ、まったく別物の細胞が産まれることがあります。このような、遺伝子の突然変異によって生まれてくる細胞が、がん細胞です。突然変異の起こる原因はさまざまで、そのすべてが解明されているわけではありません。しかし、紫外線や放射線が突然変異の原因のひとつであることは有名です。

3.「細胞診」とは?

 人のからだから採取した細胞を顕微鏡で見て、そこにがん細胞がないかどうかを調べる検査です。ってことは、細胞の違いのわかる人が見ないと、正確な検査にはならないわけですね。では、正常な細胞とがん細胞は、その外見から区別できるのでしょうか。じつは、顕微鏡でよく見ると、わかる人が見ればわかる程度(これがホントに微妙なところ…)に異なります。ここを鋭く見極めながらがん細胞を見つけ出す、それが私たち「細胞検査士」の仕事です。もちろん、細胞検査士となるためには、きびしい資格認定試験にパスしなければなりません。ただし、細胞検査士は単独でがん細胞の診断を行なうことはできません。細胞検査士が“がん細胞、またはがんの可能性のある細胞”と判定した細胞の最終診断は、医師にゆだねられます。このような資格を持つ医師を「細胞診指導医」といいます。私たち細胞検査士は、細胞診指導医と二人三脚で、日々の細胞診業務にあたっています。

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