このシステムを使った住宅は、太陽の熱を建物全体に採り込んで暖房・給湯・換気が行えるという、太陽エネルギーを巧みに活かす技術を持たせた住宅のことです。
その空間はとても心地良いものであり、ランニングコストも節約できて家計にも優しく、環境にも優しいということで最近注目され、このOMソーラーを取り入れた設計の依頼も徐々に増えてきています。
それではどういうものかをイメージしていただくために、いくつかのポイントをお話します。(OMソーラー協会ハンドブック参考)
■足元あったか
冬、足元がスースーしません。床面から天井面まで空間の温度差が少ないので部屋全体が均一に暖かくて快適です。
■空気を暖める
台所も便所も脱衣室も、温度のバリアが無くて家全体が暖かいので、高齢者の方にもやさしい空間です。
■暖房プラス換気効果
新鮮な外気を暖めて採り込むシステムで暖房プラス換気効果があります。内部空間の空気がゆっくりと動いて、よどみがありません。
■間接暖房
エアコンやストーブなどの直接暖房と違って、家の中で寒い熱いがなくて足元は暖かいので、約18℃くらいの低い温度設定でも暖かく感じます。
■梅雨爽やか
常に家の中の空気が循環しているので、梅雨でもカラリとしています。
■夏涼しい
夏の昼は、屋根や床下の熱くなった空気を家の外に排気するので、家全体で受けている熱量を減らすことができます。又、夜は屋根が夜空によって冷やされることを利用して、温度の下がった涼風を部屋の中に採り込むことにより、自然の風の心地良さを活かした採涼法が期待できます。
■太陽熱を使ってお湯をとる
太陽熱を利用して春から秋にかけて30〜50℃のお湯が採れます。一軒の家で年間に使うエネルギーの約3割は給湯用というデータがあります。それを太陽熱でまかなえることはエコな暮らし方です。
■注意点
建材は、よく乾燥させた無垢の木、自然素材を選んでください。
建材の接着剤等が暖まると気化して野地板や小屋裏、床下など、通常の住宅では室内と考えない場所も、OMソーラーの場合は空気がここを通って室内へ入ってきますので、室内と考えます。そこに用いる建材はもちろんのこと、接着剤や、シーリング材、塗料などにもホルムアルデヒド等有害化学物質を含まないものを選ぶようにしましょう。
(OMソーラーを使うと、自ずと自然素材たっぷりの家になるとも言えます)
住宅で使うエネルギーの約7割が暖房・冷房・給湯用です。それらを太陽エネルギーなど自然の力でまかなうことは十分可能です。そしてこれからはどんどん色んな自然エネルギーを活用した技術の実用化が進むと期待されています。
今後は、私達の住宅づくりに自然の力を活用したシステムを積極的に利用することが石油エネルギー問題の解決け向けた行動の一助となることと思います。