変化する住宅設備
― 自然のエネルギーを活用―
住まいを長く使い続けるには、構造・仕上・設備のそれぞれのコストや耐久性のバランスをきちんと考えておく必要があります。そんな中、最近は建築費全体から見て、設備費の占める割合がずいぶん増えてきて、いろんな機器を組み込んだ住宅となっていることが分かります。
そこで、メンテナンスや更新を考慮した設備の計画性が、長持ち住宅の重要なポイントとなってきました。これからの住宅設備に対しての考え方がいかに重要になってくるか、そして、これからの新しい環境エネルギーと併せて見直しをしてみたいと思います。
■次世代省エネルギー基準に従って住宅を考える
近年では建物の性能や仕様について、地域区分ごとに省エネ対策の基準が具体的に定められています。それを基に断熱性能や、気密、防露、換気などを反映させて「年間冷暖房負荷」の基準を満たしてやることで、省エネ住宅として、いろんな優遇制度を受けられることになっています(詳しくは建築士など専門家にお尋ねください)。
■環境に配慮した住宅設備を考える
石油、天然ガス、原子力燃料などの資源エネルギーは有限であり、大切に、効率的に、少しでも長く使用できるように全体での協力と工夫が必要です。
そのような状況のなか、電気、空調、給湯などについて、極力自然エネルギーでまかなうようにすることも注目され始めています。そこで、利用可能な環境に優しい設備について紹介したいと思います。
□太陽ソーラーシステム・・・太陽熱エネルギーを暖房、給湯に利用
□太陽光発電・・・太陽光でソーラーセルを使って発電する方式
□雨水利用・・・雨水をためて利用
□建物緑化・・・屋根や外壁面を緑化することで冷暖房負荷の低減
□風力・水力・地熱・・・発電、ポンプなどに利用
□エコキュート・・・空気の熱交換で給湯
□エコウィル・・・電気をつくり、そこで生まれた熱も利用する
樋(とい)を伝う雨水を利用
環境(自然エネルギー)を活用した省エネ住宅は健康にも良く、家も長持ちして家計も助かります。
私も参加している「グリーン研究会」では、エコな建物づくり、環境づくりに、私達一人ひとりが今できることを研究し、意見交換しながら、少しずつでも前向きに環境エネルギーを考えようといった取り組みを行っています。変わる住宅設備の見極めに注目です。
【2010年11月29日(月) 岡山日日新聞掲載】
いえ・ひと・まち 【第9回】