★モタードとは?
現在の“モタード”のルーツは、'80年代にアメリカで行われたスーパーバイカーズ。
この競技は、さまざまなカテゴリーのトップライダーを集め、
その中で「誰が No.1なのか?」を決めるレースとして開催されました。
オンロード部分とジャンプを含むダート部分が半分ずつというようなコースで行われた、
このスーパーバイカーズは、その後ヨーロッパへと伝わり、
シリーズ戦が開催されるほどの一大ブームを巻き起こし、
スーパーモタードという確固たるカテゴリーを築き上げたのでしたw。
日本では、鈴鹿や富士などで開催されていたスーパーバイカーズのブームが去った後、
筑波のイベントレースを中心に、
オフロード車を使ってロードコースを走るターミネーターズが人気となっていました。
そして'99年秋、現在の日本におけるモタードブームのきっかけとも言える事件?が…。
当時の欧州でモタードチャンピオンに輝いていたボリス・シャンボンが来日し、
筑波サーキットのイベントレースでデモランを行ったのでした。
それまでのターミネーターズクラスと言えば、
ハングオンでヒザを擦って走るライダーがほとんど。
ところがシャンボンは、コーナー手前からリヤタイヤを横に振り、
ヒザではなく“ブーツの底”を擦りながら、
完璧なドリフト走行とマシンコントロールでコーナーを駆け抜けた。
これに魅せられた多くのライダーたちが、その走りを解明し、マネしようとする一方、
そんなシャンボンらが走っている“モタード”というレースカテゴリー自体も注目を浴び、
日本でもモタードブームが沸き起こったのでしたw。
現在では、東・中・西日本の各ブロックでシリーズ戦を行なっている「MOTO1」を中心に、
多くのシリーズ戦が開催されるまでになりました。
これには、カート場やミニサーキットといった、
比較的容易に開催できる場所を使用できるといった理由も、
大きく影響しているようです。
また、マシンのカテゴリーやライダーのレベルによるクラス分けも多く、
ライセンスやウエアに対する制約が少ない
基本的には革ツナギ+オフロードブーツが望ましいが、
オフロードウエアでの参戦がOKな場合も多いなどの理由から、
エントラント数は増え続けています。
★モタードの魅力とは?
これほどまでに、参戦者を増やし続ける“モタード”の魅力とは、
エントラントを見てみると、
下はキッズライダーから上は超が付くほどのベテランライダーまで、
マシン同様に年齢層も幅広く、中心層は30歳前後のようです。
またトップカテゴリーは、モトクロスの国際ライダーやロードレースからの転向者、
ダートトラックのトップライダーなど、そうそうたる顔ぶれですが、
もっとも代表的な「MOTO1」シリーズを例に挙げてみると、
下は50ccや85ccのレーサーで参戦できるクラスがある一方、
上級者クラスには2/4ストや、公道用市販車/レーサーを問わず排気量の上限が
無制限となるクラスも設定されており、
とにかく幅が広いのが特徴です。
もちろん、ホンダ・XR250モタードやカワサキ・D-トラッカーといった、
人気の国産250市販モデルで出られるクラスもあります。
また外国メーカーのモタードモデルを持ち込むこともできますし、
好きなオフロードモデルをモタード用にチューンして参戦することもできます。
日本では最近、
国内メーカーが発売する4ストモトクロッサー(250や450)を
ベースとするエントラントが多いのですが、
これは価格やパーツの入手しやすさ、
そしてマシンポテンシャルなどを考慮した結果で、
マシンと、装備類をそろえると、気軽に参加できるって所ですw。
★コースは?
ターマックと呼ばれるオンロード部分と、
ダートと呼ばれるオフロード区間の割合は、
およそ8:2程度の長さとなることが多く、
またダートセクションにはジャンプ台が設けられることもあります。
しかし、なかにはフルターマックのコースで競われるレースもあり、
最近はロード区間にも、ジャンプが設置されてます。
厳格に規定されているというわけではありません。
2006年度よりダート区間が必ず必要となりました。