『ミスター・ルーキー』
2002.3.28
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。。。。。  
 不覚にも、涙涙してしまった。
 なんで、覆面パートタイマーピッチャーで阪神タイガースが優勝するなんていうアホ話で、私が泣かなきゃいけないのか?
 
 ・・・・
 それは「夫婦愛」の話だから。
 

 鶴田真由(漢字、あってるかな)が、妻なのね。
 なんか、やたら元気いいのが、最初のうち、鼻につく。
 そして何より、観ている側に釈然としないのが、果たしてこの妻が夫の正体を知っているのかいないのか?いや、それでは、夫婦間で秘密にしている事が前提だけど、その「前提」すらはっきりしないのだな。

 サラリーマンの夫のもうひとつの職業は夫婦感では公認だが、それ以外は子どもにも内緒にしている、という設定なの?
 いや、それとも、夫婦間でも内緒にしているのだけど、妻はそれに気がついていてこころよく思っていないのか?
 はたまた、全く知らないのか?
 どうにでもとれるような感じで話がすすんでいき、どうにもこうにも居心地が悪い。(そうは言っても、だんだん、「夫は妻に隠しているつもりだが、妻は気がついている」という状態であることは明らかになってくるのだが)
 
 「あぁ、失敗したかなぁ、この映画」という気持ちは、夫の東京転勤の話が出た後、鶴田と一茂が口論する場面の前半で確信的なものになる。

 一茂がどーしよーもないのである。 
 もともと体育会系の人間というのは、私とは体の作りもだが、頭の中の構造まで違うような気がして苦手と言えば苦手なのだが、まさにその典型とも言わんばかりで私にリカイフノー。
 さて、一方の鶴田なのだが、この場面の前半は、彼女の言い分もどうもしっくりこない、「おいおいおい、こーゆー話なのかよぉ」(-_-)、とむかむかきてしまうのだが、後半は一変、確かに支離滅裂とも言える彼女の言い分が素晴らしいのだ。大拍手。よし、いいぞっ、そうだ!そんな男、追い出してしまえっっ。(笑)

 ここで、鶴田と完全に同化してしまった私は、このシーン以降は、作品にもぐっと入り込めまして、・・・いやぁ、ほんとだらだら泣いてしまいました。
 

 プロ野球が好きでなくとも、ましてや阪神ファンでなくとも、ちゃんと楽しめるなかなかの佳作ではないかと思いますです、ハイ。


 ちなみに、これを観た後、ビデオで韓国で興行収入2位を記録したという『反則王』(ソン・ガンホ主演のコメディ)を観ましたが(こっちはサラリーマンが夜は覆面をかぶってプロレスの悪役になる、という話)、『ミスター・ルーキー』のほうが一枚も二枚も上手でありました。
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